喜多院のコケが繁茂した岩に、白っぽいものが見えた。 鳥のフンだなと思ったら、そこに小さなチョウがいた。 羽を閉じていて、地味な色なので直ぐには気付かなかったが、確かに蝶だった。 セセリチョウの仲間か? 鳥のフンには種のようなものが混ざり、上の方に白い所がある。 そこに口吻を伸ばして、盛んに何かを吸収している。 動きはなく、同じ姿勢のままである。 カメラのレンズを近づけても、まったく動じる気配はない。 結局、私が立ち去るまで、まったく動かなかった。