こんばんは、ジニーです。
今日は読書感想文。
桜庭一樹さんの「荒野」について書いていきます。
本作は僕が好んで試聴しているYouTube、「ほんタメ」で
紹介されていたのを見て知りました。
10代で読むべき小説として紹介されていました。
普段ならあまり気にせずスルーしていた
内容だったかと
思いますが、ちょうど娘が中学生になるタイミングでもあり
娘に読ませたいかもという思いから興味を持ちました。
しかし、一方的に読ませるというのは良くない、
ということでまずは自分が読まねばなりません!
この「荒野」というタイトル。
主人公の少女の名前です。
山野内荒野、12歳。
鎌倉で小説家の父と暮らす少女が主人公です。
中学入学からはじまり、14歳、16歳と4年間を
描き出した作品です。
まだ恋を知らない少女が、ひとりの少年との出会いや
取り巻く環境の変化を通して少しずつ変わっていく
様子を切り取っている作品です。
物語は荒野視点で進んでいきます。
年を重ねる中で、自分の中に生まれた変化を
戸惑いつつも受け入れていく様子は
同じ10代の多くの少女か同じように辿っていく
シンパシーに繋がっていくのかもしれません。
残念ながら男として育ってきた僕には
戸惑うほどの変化なんて記憶のどこかにおき忘れて
きてしまったようですが、読み進める中で、
それでも感じる共感があったり、自分にはなかった
新鮮な視点があったり、とても楽しかったです。
10代のうちに本作に触れて、年を重ねると共に
何度も再読することで自分の中の変化に気づいたり、
懐かしさを感じたり、長く付き合っていける
稀有な作品でもあるように感じました。
娘にとってそういう出会いになるかはまた別の話ですが、
頃合いを見て読ませてみたいと思います。
なお、本作は元々あった三つの小説家のを
一つに
合作したものらしく、かなりのボリュームになります。
でも、せっかくなのでバラバラに読むよりは
一気に読んでしまった方が、この作品に
閉じ込められた瑞々しさをより鮮やかに
感じられるように思います。
ぜひ、興味を持っていただけるようでしたら
手にとってみてください。
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