こんにちは、ジニーです。
今日は久しぶりの読書感想を書いていきましょう。
今回読んだのは、宮島未奈さん著の「成瀬は天下を取りに行く」です。
<本との出会い>
この本はずっと気になっていて、文庫化を待ち望んでいた1冊でもありました。
僕は本が好きなので、買い物に行ったときに本屋さんがあれば絶対によるのですが、1,2年前に「本屋大賞」を受賞した際に、どの本屋でも大々的にPRされていたのがこの本を知る最初のきかっけでした。
タイトルやポップに書いてある本の紹介から、面白そうな感じを受けていました。
エッジの効いた新しい主人公の誕生。
これだけで読みたくなってしまいますよね。
<本の内容>
本作はタイトルにもある通り、「成瀬」という女子中学生が主人公となっています。
個性的な考えからまた理から浮いてしまいがちなのですが、本人としてはどこ吹く風。
成瀬の思う道を歩いているという、そのまんまな内容ではありますが、やっぱり成瀬が面白いです。
でもその成瀬のとがったキャラクターは成瀬一人ではなく、周囲の同級生や関わる人の存在があって引き立っていきます。
そしてその良さを引き出しているのが、連作短編集なっている点です。
短編ごとにその話の軸となる一人称が変わります。
その人物と成瀬がどう絡んでいくか、そこも読みどころの一つです。
絡み方は様々。
直接かかわることもあれば、SNSを通して成瀬を知るというケースもあり、後者はさながらバタフライエフェクトのようなニュアンスも感じたりできそうな印象でした。
読みながら、思わずふっと笑ってしまうようなところもあり、楽しい読書でした。
<感想>
読んでみての感想としては、痛快な成瀬のキャラに終始面白さを感じていたのもありますが、その周囲の人物がいてこその成瀬でもあるなと感じられた内容でした。
あと、成瀬のエッジの効いたキャラクターの話ばかりしていますが、意外と成瀬は周囲に気を使っているし、へこんだりもする普通のこんなの子なんです。
そういった描写が見られたとき、「不器用なんだな」と微笑ましく(成瀬には失礼な言い方かもしれませんが)感じたりして、よりキャラが生きて見えてきます。
最近は「空気を読む」ということが求められたり、それができない人を爪弾きにしてしまうような流れがあります。
でも、成瀬のように不器用な人ももちろんいて、そういうのが上手にできないだけでなじめなかったり、感じなくてもいい劣等感や自己否定感を持ってしまうような世の中になっているようにも感じます。
成瀬はそういったものに対する超然とした姿勢があるのですが、それでも臆せず時運の感じたことを言葉にしていて、それが最終的に周囲の理解にもつながっています。
読み終えてみると、成瀬の一番の魅力は自分だけでなく、周囲にも素直で誠実であろうとするところにあるのかもしれないと思いました。
なかなかそういったものが出しづらい世の中に、さっそうと現れた成瀬に、僕らが惹かれるのは憧れに近いものが作用しているのかもしれません。
とても面白い作品でした、ぜひ手に取って読んでみてほしいです!

今日は久しぶりの読書感想を書いていきましょう。
今回読んだのは、宮島未奈さん著の「成瀬は天下を取りに行く」です。
<本との出会い>
この本はずっと気になっていて、文庫化を待ち望んでいた1冊でもありました。
僕は本が好きなので、買い物に行ったときに本屋さんがあれば絶対によるのですが、1,2年前に「本屋大賞」を受賞した際に、どの本屋でも大々的にPRされていたのがこの本を知る最初のきかっけでした。
タイトルやポップに書いてある本の紹介から、面白そうな感じを受けていました。
エッジの効いた新しい主人公の誕生。
これだけで読みたくなってしまいますよね。
<本の内容>
本作はタイトルにもある通り、「成瀬」という女子中学生が主人公となっています。
個性的な考えからまた理から浮いてしまいがちなのですが、本人としてはどこ吹く風。
成瀬の思う道を歩いているという、そのまんまな内容ではありますが、やっぱり成瀬が面白いです。
でもその成瀬のとがったキャラクターは成瀬一人ではなく、周囲の同級生や関わる人の存在があって引き立っていきます。
そしてその良さを引き出しているのが、連作短編集なっている点です。
短編ごとにその話の軸となる一人称が変わります。
その人物と成瀬がどう絡んでいくか、そこも読みどころの一つです。
絡み方は様々。
直接かかわることもあれば、SNSを通して成瀬を知るというケースもあり、後者はさながらバタフライエフェクトのようなニュアンスも感じたりできそうな印象でした。
読みながら、思わずふっと笑ってしまうようなところもあり、楽しい読書でした。
<感想>
読んでみての感想としては、痛快な成瀬のキャラに終始面白さを感じていたのもありますが、その周囲の人物がいてこその成瀬でもあるなと感じられた内容でした。
あと、成瀬のエッジの効いたキャラクターの話ばかりしていますが、意外と成瀬は周囲に気を使っているし、へこんだりもする普通のこんなの子なんです。
そういった描写が見られたとき、「不器用なんだな」と微笑ましく(成瀬には失礼な言い方かもしれませんが)感じたりして、よりキャラが生きて見えてきます。
最近は「空気を読む」ということが求められたり、それができない人を爪弾きにしてしまうような流れがあります。
でも、成瀬のように不器用な人ももちろんいて、そういうのが上手にできないだけでなじめなかったり、感じなくてもいい劣等感や自己否定感を持ってしまうような世の中になっているようにも感じます。
成瀬はそういったものに対する超然とした姿勢があるのですが、それでも臆せず時運の感じたことを言葉にしていて、それが最終的に周囲の理解にもつながっています。
読み終えてみると、成瀬の一番の魅力は自分だけでなく、周囲にも素直で誠実であろうとするところにあるのかもしれないと思いました。
なかなかそういったものが出しづらい世の中に、さっそうと現れた成瀬に、僕らが惹かれるのは憧れに近いものが作用しているのかもしれません。
とても面白い作品でした、ぜひ手に取って読んでみてほしいです!
