ジニーの、今日も気まぐれな感じで・・・

気負わず、気取らず、ありのまま。
ゆるりと思ったことを書いていってます。
お気に召したらうれしい限り。

下町ロケットにみる技術者魂

2018年12月26日 00時12分09秒 | Weblog
こんばんは、ジニーです。


ようやく、先日の下町ロケットの最終回を見ました。
放送時間的に、原作の最後まではいかないだろうと思っていましたが、
新春スペシャルで、本当の最終回を迎えるようですね。



さて、下町ロケット。
前回のドラマは見ておらず、今回から参加した新参者ですが、
引き込まれますね。

日本=モノづくり。
そこにある技術者の魂を楽しむことができます。


もちろん、エンターテイメントなので、多少の脚色はありますが
それにしても面白い!



最終回、大手帝国重工の技術部門の造り上げたトランスミッションと
中小企業である佃製作所の造り上げたトランスミッションが
第三者機関で性能試験を受けます。
真っ向勝負というやつです。


結果、佃製作所の圧勝。
帝国重工のトランスミッションがC判定なのに対し、
佃製作所のトランスミッションはA判定でした。
さらに、その第三者機関からは「帝国重工の設計思想は古い」との
ある意味のし付きのコメントまでいただく始末。
絵にかいたようなジャイアントキリングに胸のすくような想いがあります。


でも、間違えないでくださいね。
大手企業の持つ技術力は、ハンパなく高いです。
だから、大手企業なのです。
今回は大手は技術がないと捉えてしまうような部分もありますが、そうじゃない。
探求を怠ったことが、技術力をさび付かせたということが一番のメッセージです。

技術は常に進歩します。
そして、研鑽したものは裏切りません。
短絡的に見るとただの失敗でも、その繰り返しが技術になります。
そうやってこの国は、小国ながら世界に匹敵する技術力を持つようになりました。

一方で、帝国重工の次期社長候補的場さんもいいことを言っていました。
小さな日本の市場ではなく、世界を市場に考えるべきだ、と。
確かにその通りですね。
中型のトラクターの需要は、日本のような平野の面積の小さな国にしかありません。
面積の大きな国では大型のトラクターのほうが需要があります。
ここは難しいところですね。
今回、このドラマのテーマは「技術で日本の農業を救う」というところにあるので
何よりも日本を優先した技術力が求められます。
しかし、事業計画の立て方によっては的場さんの言うことのほうが正しい。
まあ、技術力が伴ってこそですが・・・。



とかく、モノづくりは完成品に目が行きがちです。
そりゃそうです、完成品こそが僕たちの手にするものなのですから
自分の仕事の成果がこんなにもわかりやすいことはないです。

でも、そこにはいくつもの部品があって、その部品には相応の技術力が結集されています。
そしてそういった部品は中小企業が作っていることが多いです。
最終製品はメーカーが開発をします。
思想や試作あたりまではまだ中小企業が出てくる場面は多くありません。
では、それが量産となったとき、すべてのものを内製で造るというのは、非常に難しいです。
そこで、中小企業の力が必要となるわけです。
一日に同じものを数万個加工する技術力。
一点ものを仕様通りに仕上げる技術力。
大手と中小が手を取り合って、製品は我々の目の前に届けられるのです。

そういう意味では下町ロケットは部品メーカーの存在意義を世に知らしめる
とても素敵なコンテンツですよね。
こういう企業があるから、大手も最先端の技術を追求できるというわけです。


中小企業、特に町工場くらいの規模の企業は、いわゆる3Kの環境が多いです。
でもね、そういう泥臭いことをやれる存在があって、日本の技術は伸びてきました。
もちろん時代に合わせて変化するところも必要です。
意味のない不文律を後生大事に抱えるだけでは、それこそ進歩はありません。
が、声を大にして言いたい。
中小企業こそが日本の技術の根幹だと!


そんな熱いハートを、下町ロケットはわかりやすく僕らに届けてくれます。




話は変わって。
徳重さんの演じる軽部というエンジニアの言葉が反響を呼んでいるようです。
いつも定時で帰る彼が、「残業だー」と前のめりに宣言するのです。
(ちなみに、病気の子供のために定時に上がらなければならない理由があり、
 その後会社に戻って仕事をしていた)
キャラが崩壊しているとの意見もあったようですが、軽部さんはもともと熱いものを持ってますよ。
それこそ、正真正銘のエンジニアです。
徳重さんの演技力は素晴らしく、無関心に見せながらエンジニアとしてのプライドを持っている
軽部を演じきっていたように思います。
これ、本当に難しかったと思いますよ。

過去、似たようなエンジニアの方とお仕事を一緒にさせていただいた経験もあるので
そういった部分がとても上手に演じられていると感じました。
ま、こちらも脚色はふんだんにありますがw


みんなで深夜まで残って仕事をして。
とても一致団結してるようにも見えれば、そんな時間まで働かせるなんてという
ブラック企業のようにも見て取れますよね。
あれが毎日だったら、まあ問題あるでしょうが。
ある時期、どうしてもやらなきゃいけないことがあり、それを乗り越せるために
やっているのだから、僕はありだと思います。
何でもかんでも残業は悪ではないと思います。
やらなきゃいかん時は、やらなきゃいかんのですよ。
やらなきゃいかん時に、やれるまでやり通すことができる佃製作所は、技術者にとって
良い環境があるといってもいいのではないかと思います。


そんなわけで、僕はとても楽しくこのドラマを観させてもらいました。
このドラマが日本の企業の実態だなんて思いませんが、
技術に携わる者の魂は、素直に心を揺さぶるなと感じます。
誰かの幸せのために、今日もどこかで技術は磨かれている。
そう思うと、小さな部品一つにも、また違った見え方がうまれるのではないでしょうか。

技術に技術で返す。
この先の未来にも、日本にはモノづくりを磨いていってほしいと、僕は思います。
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