山道をよくドライブする。
山を走っていると当然川も目にする。
ドライブコースにある川は有名な河童伝説があった。
欄干の親柱には可愛い河童の像まで設えられているくらいだ。
現代でも目撃情報を見聞きするが、通る度に期待はするものの見たためしがない。
先日、夕暮れにこの橋を走った。
真ん中あたりで奇妙なものが落ちていることに気付く。
千切れた手首の先のようなものだ。人のものにしては小さく細過ぎるが獣のものではない気もする。似ているものをしいて上げれば水鳥の足っぽいが、質感は鳥のそれではなく蛙の肌に似ているような――
考えている間にそのまま通過してしまった。
戻ってまで確認するほどでもないとそのまま数キロ前進したが、やはり気になり、結局橋の上に戻ってきた。
だが、その場所には小さな血溜まりがあるだけで、もう何もなかった。
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