夕方、予約の図書を受けとりに区立図書館出かけた。
雑誌コーナーで、『文藝春秋』11月号をパラパラと頁をめくる。
在イタリア在住の作家・塩野七生さんの『日本人へ・百十四 危機から好機へ』の文章が目にとまりコピーをした。
日本が直面している難題の北方四島・竹島・尖閣諸島に対する提言である。
この問題に対するアメリカの困惑とヨーロッパの冷淡さをイタリアで感じてしまっているそうだ。
その理由を二つあげている。
引文してみよう。
今では一国の例外もないくらい世界中を巻きこんだ感じの経済の暴風雨と、これまた暴風雨の如く荒れ狂っているイスラム世界といういう二大難問に直面しているというのに、なんでまた東アジアまでがめんどうを起こしてくれるのよ、という天を仰いで歎きたいくらいの思いがまず第一。
第二は、もはや領土をめぐって争う時代でもないでしょう、という、五百年間も領土をめぐって戦争ばかりしてきたがゆえにたどり着いた結論になっている、長い歳月にわたって先を進んできた者の持つ優越意識。
そして、竹島・尖閣問題で、日本人が狂的な暴力行為に走らなかったり失礼な暴言を吐かなかったことを先進諸国は評価していることを報告している。
さらに、これから日本が進む上で心することを二つあげている。
①早急な解決を期待しない。
②軍事力を脅しに使っての「押しくらまんじゅう」は、戦略戦術として利口なやりかたではな い。
わたしも、この二つの“心すること”に、大賛成である。
この頃、政治が混乱して政局がらみとなり、来る選挙の後は自民党が与党になるとのニュースも流れる。
その延長線上で、景気の良いドンパチ的な意見も聞かれる。
あぶない世の中になってきた。
塩野さんは、この文の中で、日本の将来について具体的な提言もしています。
ぜひ、ご一読をお勧めします。
【くりのみ会】で、コピーを回覧させてもらいます。
応援のクリックよろし。