昨夜、40年前にカウンセリングをはじめた頃、お世話になった先輩と東中野で一杯やった。
帰路、新宿に下車、高島屋買い物をしたあと、一人で(思い出横丁)に立ち寄った。
新宿西口に降りて右側の方に、戦後そのままの飲食店が並んでいる一角がある。
それぞれのお店にトイレもなく、共同トイレがあるだけだ。
昔は、トイレの臭いがしたせいか、(しょうべん横丁)と呼んでいた。
その横町の中央に、(ささもと)という繁盛しているお店がある。
このお店を教えてくれたのは、先の先輩である。
先輩と一緒に、週に2・3度出かけたであろうか。40年も前のことになる。
無口で頑固な親爺だった。気心のあった客には、(おしんこ)を出してくれた。
焼酎の梅割と煮込みが美味であった。
この数年立ち寄ったことはない。
横町の名前も(思い出横丁)になっていたのも知らなかった。
その(ささもと)であるが、代もかわり息子が店に立っている。
伝統の煮込みは今も健在であるが、その他の食べ物は随分若者向けになっていた。
隣の席に、中国人の家族が(父母と子供二人)坐った。
日本が分からないようで、ガイドブックを片手に店主と交渉していた。
ふっと、自分のヨーロッパ旅行の姿と重なった。
私も、出かけた先々の都市の、庶民的なお店が好きで、辞書を片手に良く出かけたものだ。
思い出横町は、幅1㍍位の路地のひしめく飲食街だが、若い女性と外国人が多いのにはびっくり。
昔は、この一角は、何となく素人が入って行くのが怖い感じで、女性などは水商売風の人だけだったし外国人を見ることもなかった。
時代は変わった。