田園 里山 野鳥そしてアルプスの山々

日進市と近隣の里山、春から秋にはアルプスの山々を歩いて感じたこと、考えたことなど・・・

千曲川源流から甲武信ヶ岳へ

2013年11月04日 | 山歩き

甲武信ヶ岳の名前は甲州(山梨)、武州(埼玉)、信州(長野)の3県にまたがるところから来ていると言われています。日本海に注ぐ日本最長の信濃川、関東平野を通って東京湾に注ぐ荒川、日本第一の急流と言われ駿河湾に注ぐ富士川の分水嶺でもあります。

甲武信ヶ岳への道はいくつかありますが、今回は長野県川上村の毛木平から千曲川の水源へとたどり、甲武信小屋に1泊して十文字峠経由で毛木平と戻る周回コースをとりました。

前夜1泊した蓼科のホテルを31日朝7時過ぎに出発、毛木平(標高1433m)に着いたのは9時でした。15分ほどで準備を終え、信濃川の上流、千曲川の西沢沿いの道を登ります。渓流沿いの道はよく整備され、特に急なところもなく、途中休憩を挟んで中盤のナメ滝には11時20分到着。ここで昼食をとりました。

  

    西沢遊歩道の半ば ナメ滝             上流に行くにつれ 細くなる流れ

登るにつれ、谷は分岐を繰り返し流れは次第に細くなっていきます。13時15分、源流に着くと、岩の間から浅い流れが落ち葉を濡らして流れ出ています。

  

        千曲川源流                         源流の碑

この近くで下山する6名のグループと5組のカップルとすれ違いました。6名は諏訪在住の皆さん。毛木平から山頂の日帰りピストン山行とのことでした。登山口から山頂まで、すれちがったのはほかに単独行2人と5組のカップル。週日とはいえ、静かな山道です。源流からは山腹の急な坂を20分少々で秩父連峰主脈縦走路にでます。尾根伝いにさらに30分ほど登り、14時10分、甲武信ヶ岳山頂に着きました。この日は午後から曇ってきて、山頂からの眺望はいまひとつ。早々に甲武信小屋に入りました。

小屋の同宿者は私をいれて7名。ほとんどが東京、埼玉方面からの人たちです。私も若いころは東京にいて、奥多摩、秩父の山を歩いていたので、関東の山の話に花が咲きました。

翌朝、朝食をすませると、7人、あい前後してヘッドランプ頼りに山頂に向かいます。主脈縦走の2人と私は荷物を持ち、山梨県側に下る4人は空身です。日の出を見るには頂上より数10メートル手前の岩場が最適。天気は上々で、甲府盆地を覆う薄い雲の上に富士の姿が雄大です。

                     甲武信ヶ岳山頂の日の出

6時10分、日が昇り始めると、富士山頂付近の雪と空の雲が金色に染まりました。富士山と主な山々の姿は昨日のブログをご覧下さい。以下は昨日載せなかった御嶽山の写真です。

           甲武信ヶ岳山頂から御嶽山を望む 手前は小川山

素晴らしい眺望を楽しんだ後、7時10分、北に道を下って三宝山に向かいました。30分少々で三宝山頂上に着き、露岩から振り返ると少し手前に三宝岩が見えます。縦走路を少し戻り、三宝岩から望む甲武信岳と富士の姿です。

         甲武信岳の右に浮かぶ富士山、右下は乾徳山(左奥)と黒金山(右)

 三宝山付近から見た奥秩父主脈、手前に破風山、雁坂嶺、彼方に飛龍山と雲取山も見える

8時10分、三宝岩をあとにして、再び北へ向かいます。この尾根道には、武信白岩山(2288m)、大山(2225m)の2つの岩峰があり、その付近には岩場や鎖場があります。それ以外は比較的緩やかな上り下りの尾根道で、奥秩父特有のコメツガを主とする原生林の間に苔むした岩が点在しています。

            十文字峠への縦走路 甲武信ヶ岳と三宝山の中間

                      武信白岩山の岩峰

9時30分、武信白岩山付近に着きましたが、山頂は危険防止のため立入り禁止となっています。さらに下り、大山へと鎖場を登りきると、ここの眺めも素晴らしいものがあります。

    大山頂上から歩いて来た道を振り返る 右端は三宝山 中央に武信白岩山

振り返れば歩いてきた県境の尾根の向こうに、丸い頭の三宝山がひときわ大きく見えます。

   大山頂上から東方を望む 中央右に白石山 左遠方の小さな三角形は武甲山

東方を望むと、白石山(和名倉山)、遠方はるかには武甲山と大持山、子持山の懐かしい姿も確認できました。

正午に十文字峠を通過。ひと休みしてコーヒーを一杯、と思いましたが、あいにく小屋番の方は荷揚げのために下山中。”1日午後には戻る”との書置きがありました。峠からは毛木平に向かって緩く下ります。八丁坂の急な下りの途中で、大きな荷を背負ったふたり組に会いました。甲武信小屋のオーナーと十文字小屋のおかみさんです。昨日の甲武信小屋や今朝の山頂の様子などを聞かれ、少しの間立ち話をして別れました。

             十文字峠からの下り 毛木平に近い林道

毛木平に近づくと道幅も広くなり、渓流に沿ってゆるやかに下って行きます。毛木平には午後2時少し前に着きました。

この下りで出会ったのは先ほどのお二人以外に3人。途中で追い抜かれた一人は若い男性で、けさ早く毛木平を発ち、私が2日かけて歩いた道を日帰りでクリアーするということでした。

                       川上村の天狗山

車で川上村の県道を野辺山に向かって走っていると、右手に目立つ岩山が見えます。標高1882mの天狗山と思われます。

甲武信ヶ岳は学生時代、登りそこなった山のひとつで、かねてから訪れたい山でしたが、幸い天候に恵まれ、40数年ぶりに秩父の山に再会でき、よい山旅ができました。

前半の千曲川水源、11日朝の日の出の様子を動画にして YouTube に投稿しました。

   http://youtu.be/LaxKBV7dkG0

         


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