7月14日付で記した昨年7月の蝶ヶ岳-常念岳山旅の続きです。
2日目は常念乗越に下りて常念小屋に一泊。蝶ヶ岳ヒュッテよりはだいぶ大きな小屋で、この日は4~50人ほどが泊っていました。夕食後小屋の前に出て、槍・穂高連峰の方角に落ちる夕日を見ていました。
日没直後の槍ヶ岳方面 -常念小屋前にて
太陽と反対の東側は霧に閉ざされていましたが、ここでブロッケンを久しぶりに見ることができました。テント場にいた若い人たちに知らせて一緒にしばし眺めました。ブロッケンが見られたのは束の間のことで、大部分の人たちは小屋の中にいて気がつかなかったようです。
2日目夕刻、小屋の前で見られたブロッケン
常念小屋には皇太子が泊ったことがあり、ラウンジの壁にその時の新聞の切り抜きが貼ってありました。常念岳は深田久弥の選んだ百名山のひとつですが、皇太子も百名山を意識しているようで、「半分の50をめざしたい」との談話が載っていました。
翌朝、この日も朝4時起床。日の出前に小屋の前に出て、夜明けの空気をいっぱいに吸いこみました。幕営場にはいく張りかのテントがあり、若い人たちが朝食の支度をしています。この日もきれいな御来光が見られました。ここでは日の出と反対側にカメラを向け、槍ヶ岳と連なる峰々が次第に赤く染まる様子を撮影しました。
左から大キレット、南岳、大喰岳、中岳、槍ヶ岳 ・・・ 日の出前後の色の変化
上の写真、上は日の出前、下は日が出た後で、この間およそ10分間です。この10分間を 1/10 に短縮したビデオを
http://youtu.be/VZlQguzRwmM
にアップしました。
雲海上の太陽と四阿山
東に目を転ずると、朝日が雲海を黄金色に染めています。今朝も四阿山(あずまやさん)のピラミッドが雲海の上にくっきりと見えます。
雲海上の蓼科山、北八ヶ岳、南八ヶ岳
やや離れて右には蓼科山から北八ヶ岳、南八ヶ岳と続く峰々が見られます。
小屋に戻り、6:30 からの朝食をすませ、7時前に頂上に向けて出発。このころには日はすっかり上り、真っ白な雲海に遠く浅間山が浮かんで見えました。
雲海上の浅間山
写真を撮りながら、昨日下った標高差 400m を登り返し、山頂に着いたのは8時を過ぎていました。頂上付近からは昨日見えなかった立山、後立山の山々も見え、この日も前日と劣らぬ大展望を満喫。頂上には9時半まで居てのんびりと景色を楽しみましたが、この間入れ替わりたち替わり、2~30人の人々が頂上にやってきます。
単独行のイケメンの若者に会いました。東京から夜間の中央高速を走り三股登山口に到着、暗いうちに三股を発ち、前常念経由で今山頂に着いたとのこと。これから蝶ヶ岳まで縦走し、日帰りで三股へ下り、あすは槍ヶ岳目指して上高地に移動だそうです。私が3日かかって歩いた逆コースをなんと1日で歩いてしまう・・・。彼は左手の親指と人差し指を縦に開き、槍の穂先をつまんだ記念写真を、居合わせた別の単独行のおじさんに頼んで撮ってもらっていました。
常念岳山頂から白馬岳方面を望む
上は2月17日付ブログにも掲載した、常念山頂からの写真です。鹿島槍の2つのピークのちょうど真中に白馬岳が見えるのです。
常念岳山頂から立山方面を望む
大キレットに白山の頭がのぞく
槍と穂高の間にある大キレットの向こうに、白山も頭を出しています。
9:30 、頂上をあとに前常念に向かって下山を開始しました。山道の脇にはにはチングルマの集落も見られます。
チングルマ
少し下りて振り向くと、たっぷり「雪を抱いた尾根越しに、槍ヶ岳の最後の姿を見ることができました
尾根ごしの槍ヶ岳
三股から前常念の登りは結構長大にしてきついようで、下山の途中、岩の上に仰向けに伸びている人を何人か目にしました。ゆっくり下って1時半少し前に三股の駐車場に到着。天候に恵まれた3日間の充実した北アルプスの旅を終えました。
常念乗越の朝の様子と常念岳山頂付近からの眺望をYouTubeにもアップしました。
http://youtu.be/3ezlc6Ox_N4