田園 里山 野鳥そしてアルプスの山々

日進市と近隣の里山、春から秋にはアルプスの山々を歩いて感じたこと、考えたことなど・・・

紅葉の白鳥庭園

2013年11月30日 | 季節

11月23日夕方、2人で名古屋市熱田区の白鳥(しろとり)庭園を訪れました。この庭園は1989年、名古屋市制100周年を記念して開かれた世界デザイン博をひとつの契機として整備された庭園。23日は年に1度の無料公開。この日から1週間、紅葉の庭園がライトアップされるとあって多くの人で賑わっていました。

                    日没前の白鳥庭園

池泉回遊式」の日本庭園にはいくつかの池がつながり、御嶽山と木曽川を模した築山と水の流れにカエデなどの紅葉が映り、鮮やかです。

                       日没前の庭園 

                  カルガモが遊んでいます

夕暮れの池にはカルガモが3羽、ゆったりと泳いだり、じっと座ったり、遊んでいます。

日が沈むと、次第に暗さを増す庭園に、ライトアップされた紅葉の木々が浮かび上がります。

      ライトアップされた紅葉の木々とあずまやが水面に姿を映す

足元に気を配りながら、池を巡る道をたどると、茶室の入り口のカエデ、岩の間を落ちる白い水の流れ、竹林の緑などが暗い空を背景に次々と浮かびます。

                 茶室へのくぐり戸とカエデ

          水の流れは御嶽山から流れ下る木曽川を模しています

                    竹林とナンテン

         ライトアップされたカエデ。池の対岸にはあずまやが。

紅葉に加えて、雪つりがされている木々が名古屋では珍しく、暗くなるにつれ、紅葉の木々とともに夜空に浮かび上がる姿が印象的でした。

            雪つりの木々も水面に優美な姿を落とす

日没の前から2時間ほど散策し、池畔の汐入亭で里芋カレーの軽い夕食をとり、庭園をあとにしました。

    


四季桜と紅葉の競演 -豊田市小原村

2013年11月23日 | 季節

この季節、旧小原村付近では四季桜と紅葉が重なり、競演を楽しむことができます。なかでも川見町の薬師寺と田代川周辺ではこの数年、四季桜の植樹と遊歩道の整備が進み、大変美しい景観が見られます。

    国道419号線から田代川を見下ろす  手前に紅葉 その奥に四季桜

薬師寺の前に駐車場が有り、22日は週日にもかかわらず朝から満車となっていました。

              薬師寺入り口付近の紅葉と四季桜

車を置いて、右手の遊歩道を登っていくと、青空をバックに素晴らしい景観が広がります。

                   薬師寺右手の遊歩道

今年は四季桜の開花が遅いようでまだ満開とは言えない木もありましたが、紅葉はちょうど盛りを迎えていました。

            四季桜とカエデが並んで美しさを競っています

四季桜はソメイヨシノなどと比べると少し小ぶりで、白っぽい花を枝一面に咲かせます。

                      四季桜のアップ

                四季桜  ・・・青空をバックに

四季桜とカエデは、あるいは隣どうしにに並びたち、あるいは枝を重ね合って美しさを競っています。

               桜とモミジが重なり合って・・・

              遊歩道から国道方面を振り返る

         白い四季桜、赤いカエデ、青空に緑の木も彩を添える

四季桜の里の遊歩道は年々整備が進み、薬師寺裏手の丘奥深くまで続いています。

              遊歩道から見下ろす四季桜の里

遊歩道から見下ろす四季桜の里の眺めには、いちだんと素晴らしものがあります

            田代川沿いの道  柿の実も競演に参加

遊歩道を下り、国道を渡って田代川左岸の道を下ります。木の間ごしに流れを垣間見ながら下っていくと、咲き残ったアジサイが彩りを添えています。

                 田代川左岸の遊歩道より

               咲き残ったアジサイも彩を添える

対岸の国道に戻って右岸を歩き、薬師寺前に戻ります。国道から見る対岸の桜と紅葉も見事なもので、大勢のアマチュアカメラマンが三脚を据えて撮影していました。

                          黄色も鮮やか

           国道419号線から田代川向こう岸を見る

         国道419号線から田代川の流れを見下ろす

1時間半ほどの散策で、今年も四季桜と紅葉を十分に味わうことができました。このあと、土岐市方面に向かい、曾木公園と瀬戸市の岩屋堂を訪れました。

動画はYouTube  http://youtu.be/ux4iNi1CIjA で。

    


晩秋の奥日光

2013年11月14日 | 旅日記

日光の2日目、車を借りて二人で奥日光へと旅しました。すでに紅葉は終わって晩秋の雰囲気。風も強く、時にみぞれがちらつくほどでしたが、ところどころ残る紅葉が秋の名残を伝えていました。

いろは坂を明智平へ。しかし霧で風景は見えず、ロープウェイをあきらめて中禅寺湖へと向かいます。

                  中禅寺湖のほとりに残る紅葉

冷たい季節風に湖面は波立ち、わずかに残る紅葉の木々も寒さに震えているようです。戦場ヶ原も枯野の風情で人影も少なく、冬を待つ姿。

                       戦場ヶ原

戦場ヶ原のさらに奥、晩秋の山々に囲まれ、湯ノ湖が静かな湖面を見せています。数羽のマガモがやってきていて、一足早い冬の訪れを告げているかのようです。

                          湯ノ湖

            オスのマガモ ゆっくりと湖面を横切っていく

横谷峡以来、少しばかり ”滝” づいている感もしますが、日光と言えば多くの名瀑を外すことができません。まずは湯ノ湖から流れ落ちる湯滝。

 

      湯滝の落ち口付近                滝壷から見上げる湯滝

湯滝を見るのは初めてのような気がしますが、末広がりの姿とスケールの大きさはなかなかのものです。滝つぼから落ち口まで遊歩道もあります。落ち口の雰囲気も風情があります。

次は竜頭の滝。ゆるい傾斜を流れ落ちる水量は多く、なかなかの迫力です。中禅寺湖から近く、結構賑わっていました。

 

     竜頭ノ滝の最下段              名前の由来となった岩・竜の頭

最後はやはり華厳の滝。この日の水量は毎秒2トン。1日17万トンという勘定になりますがそんな膨大な量が循環している自然の大きさにいつもながら驚かされます。

          華厳の滝  -エレベーター上側の展望台より

日光3名瀑というのがあるそうで、それは華厳の滝の他には霧降ノ滝、裏見ノ滝とのこと。今回はそこまで足を伸ばせませんでしたが竜頭ノ滝、湯滝も立派な名瀑です。ただ、これらはシリーズ(直列)なので3名瀑になっていないということなのでしょうか?

     スカイラインからの中禅寺湖と男体山 左下に八丁出島が見える

中禅寺湖からいろは坂の下りにかかる手前に”半月山展望台”の道標があり、どんなところかと思って行ってみました。中禅寺湖スカイラインという行きどまりの自動車道で、ここから眺める中禅寺湖と男体山の眺めは大変よさそうです。

というのはこの道を走っている間は霧が出てきてみぞれまじりの雨になり、霧の晴れ間に少しだけ良い景色を望むことができたのですが、晴れていれば中禅寺湖と反対側の山並みも素晴らしいことが垣間見られました。

             JR日光駅(右手)と雪をつけた日光の山々

いろは坂を下り、昨日見逃した改修中の三仏堂を見学してJR日光駅に着くと、ようやく青空が広がり、レトロな駅舎と交番の向こうに新雪を被った女峰山と赤薙山の姿が美しく、旅の終わりを飾ってくれました。

今回訪れた”三名瀑”の風景をYouTubeに投稿しました。

   http://youtu.be/e7z-KNKEglI

      


日光東照宮

2013年11月13日 | 旅日記

東京へ出たついでにおよそ50年ぶりで日光を訪れました。神橋近くに宿をとり、早速参道を東照宮へと向かいます。

                     大谷川と神橋

神橋下の大谷川ではミソサザイが水浴びをしています。

                   大谷川に遊ぶミソサザイ

参道を振り返ると杉の木立の間に紅葉した木々が彩りを添え、向かいの山が霧に煙っていました。

                 東照宮へと向かう参道を振り返る

東照宮へ入り、まず目に付くのは三神庫と呼ばれる3つの建物。5月に行われる百物揃千人行列の装束が納められているそうで、校倉造風に朱と金の装飾が美しい建物です。

    三神庫の一番奥にある上神庫 妻にある像の彫刻(左下に拡大)が有名

その左手奥の陽明門は平成の大修理が始まったばかりで残念ながら見ることができませんでしたが、その奥の唐門と左右に広がる透塀は見事です。

              白い胡粉が美しい唐門と左右の透塀

門の左右に昇竜と降り竜。透塀の井桁を挟んで上には花鳥、下に魚が隙間なく彫られ、極彩色に彩られています。

                  透塀と上下の彫刻

その右手の坂下門から奥宮への石段を往復するのですが、入口の長押の上に有名な眠り猫があります。

  

               注意を促す看板(左)と眠り猫

看板がなかったら見過ごしてしまいそうな小さな像ですが、人々はみな立ち止まって写真に収めています。

ここからは長い石段を奥宮へと往復します。この日は混み合っていて、往復には30分近くかかりました。

 

 奥宮にある宝塔 家康の神柩を納める  久能山・東照宮の神廟(2011年10月に撮影)

奥宮は拝殿・石の間・本殿からなる権現造り。その奥に家康の遺骨を納めた宝塔があります。家康は自らの遺骨を久能山に納め、1年後に日光に小堂を立て勧請することを命じたとのことですが、遺骨がどちらにあるのかは今でも謎のようです。

奥宮から戻り、陽明門の内にある小さな神輿社を覗くと天井には”日本一の美人天女”が描かれています。

             神輿社天井に描かれた天女舞楽の図

陽明門を出ると鳴竜で有名な本地堂があり、案内の僧侶が拍子木をたたいて鳴竜の声を聞かせてくれます。

三神庫の広場に戻ってくると、向かいには神厩舎がありますが、これは極彩色に彩られたほかの建物と異なり、白木のままの素朴な姿をしています。

                    素木造りの神厩舎

この欄間にあるのがこれも有名な”見ざる・言わざる・聞かざる”の三猿の彫刻です。8枚の絵で人の生涯のありようを描いた彫刻の2番目が三猿で、純真で影響を受けやすい幼児期に、悪いことを見聞きしたり、悪い言葉を話すことなく育つように、という意味が込められているのだそうです。

           ”見ざる・言わざる・聞かざる” 三猿の彫刻

彩り鮮やかな建物を見続けてきた目には、白木の建物と人生訓を含んだ素朴な彫刻の物語が何か新鮮に響いてきました。

昼食をとり、その後東照宮の大改装を行った三代将軍家光を祀る輪王寺大猷院へと向かいました。

      


千曲川源流から甲武信ヶ岳へ

2013年11月04日 | 山歩き

甲武信ヶ岳の名前は甲州(山梨)、武州(埼玉)、信州(長野)の3県にまたがるところから来ていると言われています。日本海に注ぐ日本最長の信濃川、関東平野を通って東京湾に注ぐ荒川、日本第一の急流と言われ駿河湾に注ぐ富士川の分水嶺でもあります。

甲武信ヶ岳への道はいくつかありますが、今回は長野県川上村の毛木平から千曲川の水源へとたどり、甲武信小屋に1泊して十文字峠経由で毛木平と戻る周回コースをとりました。

前夜1泊した蓼科のホテルを31日朝7時過ぎに出発、毛木平(標高1433m)に着いたのは9時でした。15分ほどで準備を終え、信濃川の上流、千曲川の西沢沿いの道を登ります。渓流沿いの道はよく整備され、特に急なところもなく、途中休憩を挟んで中盤のナメ滝には11時20分到着。ここで昼食をとりました。

  

    西沢遊歩道の半ば ナメ滝             上流に行くにつれ 細くなる流れ

登るにつれ、谷は分岐を繰り返し流れは次第に細くなっていきます。13時15分、源流に着くと、岩の間から浅い流れが落ち葉を濡らして流れ出ています。

  

        千曲川源流                         源流の碑

この近くで下山する6名のグループと5組のカップルとすれ違いました。6名は諏訪在住の皆さん。毛木平から山頂の日帰りピストン山行とのことでした。登山口から山頂まで、すれちがったのはほかに単独行2人と5組のカップル。週日とはいえ、静かな山道です。源流からは山腹の急な坂を20分少々で秩父連峰主脈縦走路にでます。尾根伝いにさらに30分ほど登り、14時10分、甲武信ヶ岳山頂に着きました。この日は午後から曇ってきて、山頂からの眺望はいまひとつ。早々に甲武信小屋に入りました。

小屋の同宿者は私をいれて7名。ほとんどが東京、埼玉方面からの人たちです。私も若いころは東京にいて、奥多摩、秩父の山を歩いていたので、関東の山の話に花が咲きました。

翌朝、朝食をすませると、7人、あい前後してヘッドランプ頼りに山頂に向かいます。主脈縦走の2人と私は荷物を持ち、山梨県側に下る4人は空身です。日の出を見るには頂上より数10メートル手前の岩場が最適。天気は上々で、甲府盆地を覆う薄い雲の上に富士の姿が雄大です。

                     甲武信ヶ岳山頂の日の出

6時10分、日が昇り始めると、富士山頂付近の雪と空の雲が金色に染まりました。富士山と主な山々の姿は昨日のブログをご覧下さい。以下は昨日載せなかった御嶽山の写真です。

           甲武信ヶ岳山頂から御嶽山を望む 手前は小川山

素晴らしい眺望を楽しんだ後、7時10分、北に道を下って三宝山に向かいました。30分少々で三宝山頂上に着き、露岩から振り返ると少し手前に三宝岩が見えます。縦走路を少し戻り、三宝岩から望む甲武信岳と富士の姿です。

         甲武信岳の右に浮かぶ富士山、右下は乾徳山(左奥)と黒金山(右)

 三宝山付近から見た奥秩父主脈、手前に破風山、雁坂嶺、彼方に飛龍山と雲取山も見える

8時10分、三宝岩をあとにして、再び北へ向かいます。この尾根道には、武信白岩山(2288m)、大山(2225m)の2つの岩峰があり、その付近には岩場や鎖場があります。それ以外は比較的緩やかな上り下りの尾根道で、奥秩父特有のコメツガを主とする原生林の間に苔むした岩が点在しています。

            十文字峠への縦走路 甲武信ヶ岳と三宝山の中間

                      武信白岩山の岩峰

9時30分、武信白岩山付近に着きましたが、山頂は危険防止のため立入り禁止となっています。さらに下り、大山へと鎖場を登りきると、ここの眺めも素晴らしいものがあります。

    大山頂上から歩いて来た道を振り返る 右端は三宝山 中央に武信白岩山

振り返れば歩いてきた県境の尾根の向こうに、丸い頭の三宝山がひときわ大きく見えます。

   大山頂上から東方を望む 中央右に白石山 左遠方の小さな三角形は武甲山

東方を望むと、白石山(和名倉山)、遠方はるかには武甲山と大持山、子持山の懐かしい姿も確認できました。

正午に十文字峠を通過。ひと休みしてコーヒーを一杯、と思いましたが、あいにく小屋番の方は荷揚げのために下山中。”1日午後には戻る”との書置きがありました。峠からは毛木平に向かって緩く下ります。八丁坂の急な下りの途中で、大きな荷を背負ったふたり組に会いました。甲武信小屋のオーナーと十文字小屋のおかみさんです。昨日の甲武信小屋や今朝の山頂の様子などを聞かれ、少しの間立ち話をして別れました。

             十文字峠からの下り 毛木平に近い林道

毛木平に近づくと道幅も広くなり、渓流に沿ってゆるやかに下って行きます。毛木平には午後2時少し前に着きました。

この下りで出会ったのは先ほどのお二人以外に3人。途中で追い抜かれた一人は若い男性で、けさ早く毛木平を発ち、私が2日かけて歩いた道を日帰りでクリアーするということでした。

                       川上村の天狗山

車で川上村の県道を野辺山に向かって走っていると、右手に目立つ岩山が見えます。標高1882mの天狗山と思われます。

甲武信ヶ岳は学生時代、登りそこなった山のひとつで、かねてから訪れたい山でしたが、幸い天候に恵まれ、40数年ぶりに秩父の山に再会でき、よい山旅ができました。

前半の千曲川水源、11日朝の日の出の様子を動画にして YouTube に投稿しました。

   http://youtu.be/LaxKBV7dkG0