田園 里山 野鳥そしてアルプスの山々

日進市と近隣の里山、春から秋にはアルプスの山々を歩いて感じたこと、考えたことなど・・・

八高山からの富士山

2013年02月27日 | 山歩き

名古屋からは富士山が見えません。岡崎―豊橋―浜名湖の間にある低い山々に隠されてしまうのです。浜名湖の西岸、湖西連峰まで行くとようやく富士山の姿を見ることができます。もう少し大きな富士を、それもすそ野の広がった雄大な姿をみるには?と探していて見つけたのが、大井川西岸の八高山(標高832m)です。2月25日、移動性高気圧がやってくる好天を狙って登りました。

第二東名の島田金谷インターを下りて20分ほどで大井川鉄道の福用駅に着きます。ここが出発点。白光神社向かって左わきから尾根道に取り付き登り始めます。

     大井川鉄道 福用駅 ここの駐車場に車を置かせてもらいました

しばらく急な登りが続きますが、1時間ほど登ると勾配は緩くなり、やがて小文に下りる道が左に分かれる分岐点に至ります。分岐点付近では植林された杉の林を縫って気持ちの良い道を歩きます。

                  杉の植林を縫う快適な山道

少し進むと林道に出会い、これを10分ほど歩くと馬王平という開けたところに出ます。三つの林道が交差しており、ここで初めて富士山の姿に出会います。

    馬王平 頂上への登山道が左下白い看板之脇から切り開かれた斜面を登る

                    馬王平からの富士山

ここから頂上までは1時間弱の急な登りです。頂上は東西方向が刈り取られていて、富士山、南アルプス、掛川から磐田市街と太平洋がよく見えます。

         八高山山頂 ここでお湯を沸かし、昼食とコーヒーで大休止

年配のご夫婦が先着しておられましたが、地元島田市の方。年に数回は来られるそうです。しばらくすると若い男性二人組も到着。こちらは御前崎から。ここで食事をとり、コーヒーを飲みながら、ゆっくり展望を楽しみました。風はほとんどなく、ひだまりで暖かい絶好の日よりでした。

             山頂からの富士山 少し雲が出てきました

                    南アルプスと大無間山

       南アルプスのズームアップ 左から兔岳、聖岳、赤石岳、上河内岳

頂上からのパノラマはYouTubeの動画 http://youtu.be/Jfppmi-VWyU をご覧下さい。

  反対側の掛川市、磐田市方面 中央にジュビロ磐田の本拠地のサッカー場が見える

頂上を後にして馬王平を過ぎ、分岐を右にとって小文に向かいました。1時間弱で登山口に着き、ここからは茶畑のなかを福用駅に向かって村道歩き。ときどき近道があります。

                        小文の茶畑

                 茶畑の中を下って福用駅へ

途中、ミカンの樹や咲き始めの白梅が山里に彩りを添えています。のんびりと昼過ぎののどかな風景を楽しみながら30分ほどで福用駅に戻りました。

                 白い梅の花は開花し始めたばかり

 富士山、南アルプスの展望、中腹の杉林、山麓の茶畑と里の風景、魅力にあふれた早春の山旅を楽しむことができました。

   


折戸川のカワセミ -大きなザリガニを飲み込む

2013年02月22日 | 野鳥

22日の朝は、時おり雪がちらついていましたが、風は弱く、冷え込みはそれほどでもありませんでした。

天白川ではコガモが今日も元気に遊んでいます。1羽のカワセミが羽を休めていました。

    

    

天白川から折戸川に向かう道で日の出を迎えました。

帰り道、折戸川で大きなザリガニを口にくわえているカワセミを見かけました。石の上にとまって何度もザリガニを足元に叩きつけては飲み込もうとしています。

1~2分ほどがんばって何とか丸飲みしました。下の写真は飲み込み終わった後の満足顔です。

 たたきつけて飲み込む様子は YouTube の動画で。 http://youtu.be/x4ioE_lDXkI

獲物が動かなくなっているのにあんなに繰り返したたくのは何故でしょうか? ザリガニの場合、カラが固いのでそのままでは飲み込みにくいのかもしれません。確かに最後の頃は尻尾がぶらぶらするほどになって、飲み込んだ後もおなかに納まりやすいように見えました。

動画には”苦労して”と書いたけれど、本人はそれほどでもないかもしれませんね。思えば全国で何百(何千?)のカワセミが毎日同じことを繰り返しているのでしょう。

   


愛知用水とサイフォン(その2)

2013年02月19日 | 日進・東郷・三好
2月16日、ブログを始めてちょうど1年が経ちました。ブログでは個々の記事のアクセス回数まではわからないのですが、同時並行で始めたYouTube(投稿総数106本)ではそれぞれの動画ごとに視聴回数がわかります。この1年間のトップは”ツキノワグマ親子”。しかし、たかだか736回で大した数にはなっていません。第2位が金環日食ですが、アクセスが集中したのは短い期間でした。少し興味深かったのは“愛知用水とサイフォン”のベストテン入りでした。少しずつですが年間を通してアクセスがあったようです。1年前に投稿したブログとYouTubeのエントリーを記しておきます。
 
16日朝、“サイホン”の入口から出口にかけて、GPSを持って歩いてみました。 下は Google map にGPSでとった歩行軌跡を書き込んだものです。この付近の愛知用水にはサイホンが2つあり、写真の右手の、細い道の下を通る距離の短いものが和合第一サイホン、入口と出口の間に県道218号が通り、距離が250m ほどのものが和合第二サイホンとされています。 
 
この日、赤、青の軌跡の線に沿って矢印方向、すなわちサイホン入口から出口に向かって歩きました。、下左にGPSの標高測定データをグラフにしてみました。
 
マップの青い軌跡部分の相対的な標高の変化がグラフの黒い実線です。絶対値を知るために、国土地理院ポータルサイトで、より正確な標高値を調べてみました。(図中3つの丸印)。サイフォンの入り口と出口は47.9m、中間の県道218号線あたりは34.4mとのことです。GPSデータは気圧測定から求めた相対変化、国土地理院のデータは航空機とレーザーから相対変化を求め、基準点と照合した絶対値、両者がそこそこあっていることがわかります。もちろん地面自体のでこぼこもありますし、小数点以下一桁の精度はないと思います。また、水面の標高や通水管の軸の最低点も不明です。しかし、それらを考慮しても、水面の最低~最高点の標高差は少なくとも10m以上はありそうです。
 
ついでですが、国土地理院のサイト(下記)で自宅の標高も簡単に知ることができます。津波が心配な方など、便利かもしれません。
http://saigai.gsi.go.jp/2012demwork/checkheight/index.html
 
グラフの右に、いわゆるサイフォンと”逆サイフォン”の概念図を描いておきました。愛知用水などで用いられているのは下の形で、土木工学分野ではこれを”逆サイフォン”と呼んでいるそうです。本来のサイフォンとちがって、この場合は標高差が10m以上あっても、出口が1cmでも低ければ単に水を流すだけで上流から下流に通水できるはずです。というか、流れを下流でせき止めた状態で、上下流の水面の高さは等しく、用水路の縁の高さまで上昇し縁の低い方から溢れることになります。
 
”サイフォン”をどのように定義するかについては議論があり、分野によって違うのかもしれません。言葉は生き物で、元の意味から離れても広く使われていればそれでよい、という考え方もあります。しかし、”逆サイホン”では水がただ重力にしたがって「高きから低きに流れる」、というだけで面白味がありません。気体圧力の関与を考えないとその不思議さが理解できない本来のサイフォンとはおおいに違っているように思われます。
 
難しい話はこれくらいにして第二サイホン出入り口付近で撮った写真を以下に並べておきます。
 
             第二サイホン入口 ここから水が流入する
            第二サイホン入口から出口(円内)を望む
           第二サイホン出口から入口(円内)を望む
          第二サイホン出口 ここから水がこんこんと湧き出る
 
  最初のマップ、A地点から矢印方向を見た写真 出口は10数メートルの崖上にある
 
そもそもこの話は、上の写真の崖の上から、突然大量の水流がこんこんと湧きだしているのを”発見”し、感動を覚えたことに始まっています。その点からはサイホンという言葉の定義はどうでもよいとも言えるのですが・・・。
 
ブログ1周年を記念して、もう一度この話題を取り上げてみました。
 
   
 

雪の瓢ヶ岳 (標高 1163 m)

2013年02月17日 | 山歩き

2月14日は移動性高気圧が昼過ぎにかけて本州上空にやってくるとの予報。いつもは朝早く自宅を出るのですが午後の好天を狙って遅めに出発。奥美濃林道の登山口到着は午前10時少し前になりました。

          瓢の森付近の林道 登山口は向かって右後方にある

林道の積雪はそこそこあったものの、気温が高いこともあって、登山口までは今回難なく着くことができました。冬の瓢ヶ岳は3度目ですが、これまで2回は朝早いせいもあって林道が凍結し、登山口まで車で来られず、1時間前後の林道歩きをさせられていました。

ここから稜線上の骨ヶ平までは谷沿いの道。今回はこの道の積雪が多く、下の写真のように踏み跡のない雪道を登ったこともあって結構時間を食い、いつもは1時間そこそこで登れるところを2時間以上かかってしまいました。

  骨ヶ平への登山道 足跡はなく、薄いトレールとテープの道しるべ頼りでルート探し

アイゼンに着いた雪が団子になり、あまり役には立ちません。雪はそこそこ固くなっているのですが、膝上までもぐることもしばしばです。

                   沢沿いの登山路 

ただ気温は高く、手袋が要らぬ状態でした。骨ヶ平の状態は下左の写真。下右は昨年7月です。

 

    骨ヶ平 左が今回 道標は首まで雪の中 南岳方面を見る、右は昨年7月

これを見ると積雪はここで約 50 cm ほど。笹はすっかり雪の下に隠れ、その点では歩きやすい状況です。

ここから尾根通しに頂上まで。これもいつもより少し時間を使い、登山口からの正味歩行時間は約3時間でした。

頂上に着くころにはすっかり晴れて大展望が待っていました。以下、高賀山方面から順に時計回りで紹介します。

                   高賀山とその左に能郷白山

となりの高賀山を挟んで、左には能郷白山、右に加賀白山が姿を見せています。高賀山手前に奥美濃林道が雪に埋もれています。

                        白山方面

         北アルプス 薬師岳、黒部五郎岳、笠ヶ岳、槍ヶ岳

白山から右に目を移すと、薬師岳から笠、槍、穂高へと続く北アルプス連峰が見えます。

                   槍、穂高連峰と乗鞍岳

その右には間近に御嶽山の雄大な姿が・・・。さらに小秀山の右には中央アルプスが見えるのですが、上に雲がかかって見えたり見えなかったり。

 

                    御嶽山とその右手前の小秀山

さらに右には南アルプスと恵那山が。この山頂は何回か来ていますが、南アルプスと恵那山がこんなにはっきりと見えたのは今回が初めてです。

    恵那山とその左に南アルプス 小河内岳左に雲がかかるのが中央アルプス南部

   笠ヶ岳と槍ヶ岳を結ぶあたりをズームアップしてみました。

 

              笠ヶ岳(左)と槍ヶ岳のズームアップ

頂上では、よくここに来るという、地元の年配の男性と会いました。この日あったのはこの方だけ。その方の話でも、この日は登りにいつもより時間がかかったとのことでした。

一昨年の今頃にもここは登っているのですが、今回は登山口から骨ヶ平の間の積雪が特に多かったように思います。若干苦労させられましたが、頂上での素晴らしい眺望に満足し、4時半過ぎには登山口に戻りました。

   


諏訪湖周辺の冬景色

2013年02月15日 | 旅日記

諏訪湖周辺には、冬ならではの雪景色がそこここに広がっています。その中からいくつかのポイントをひろってみました。

          ホテルの窓から諏訪湖越しに穂高、槍を見る

まずは穂高と槍ヶ岳。琵琶湖から富士が見えることは知っていましたが、やり、穂高が見えることは知りませんでした。しかも泊まったホテルの部屋の窓からです。上の写真でははっきりしませんが、西側の、山が一番低くなったところに奥穂高から来た穂高にかけての白い峰頭がみられます。その右は手前の山に隠されるのですが、槍の穂先だけが空に突き出して見えます。

                立石展望台からの諏訪湖全景

上諏訪駅の裏から車で10分ほど登ると、立石展望台です。ここからは諏訪湖の全景が見渡せます。白い凍結した部分と、水面がちょっとした味付けを施しています。ここからは穂高の一部と、木曾駒ヶ岳、甲斐駒ケ岳が見えます。

諏訪湖畔を離れる前に、湖岸の間欠泉が吹き上がるところを見学しました。今は人間にコントロールされていて、1日5回、ほぼ1時間半おきにお湯が吹き上がるのを見ることができます。

       

                     湖畔の間欠泉

”コントロールされている”のは何だか間欠泉らしくありませんが・・・。

その後車を南東に走らせ、原村に向かいました。八ヶ岳総合博物館のそばを通り、畑の中の道をたどって、県道17号線に抜けるあたり、ところどころ雪に覆われた田畑の向こうに八ヶ岳が雄大な姿を見せています。うっかりして、メインのカメラの電池切れを起こしてしまい、古い携帯のカメラで撮ったものを張り合わせたのが下の写真です。

            原村、県道17号線付近から見る八ヶ岳連峰

このあたりからは南アルプスの前衛の山々と甲斐駒ケ岳も見ることができます。

                      同じく甲斐駒ヶ岳

諏訪湖の近くをこれまで通り過ぎることが多かったのですが、今回湖畔に宿泊してゆっくり周辺をまわることができました。諏訪湖の良さ、特に冬景色の素晴らしさがよくわかった気がします。