ゼネラル・モーターズ(GM)と日産自動車・ルノー連合の提携交渉が決裂した背景には、世界最大手として業界をリードしてきたGMの自主再建へのこだわりがある。資本提携などに踏み込めば「救済色」が強まるため、部分的な提携にとどめようとするGM経営陣の意思は固かった。
業績悪化に業を煮やしたGM大株主の提案で頭越しに始まった交渉は、当初から双方の認識の食い違いがあった。
GMのワゴナー会長は4日の会見で、日産・ルノー側が、時価での株式買い取りや他社との提携交渉禁止などGM側に不利な条件を求めたことを明かし、不満をにじませた。「事業ごとの提携にこそGMや株主に利益があると感じていた」と述べ、日産・ルノーが意欲的だった包括提携には当初から否定的だったこともうかがわせた。
GMは3万人を超える人員削減を柱とした大規模リストラを進め、北米事業の赤字も縮小し始め、ワゴナー会長は「事業立て直しは順調」と繰り返していた。業界では、再建への自信の芽生えが包括提携の決断を鈍らせたとの指摘もある。
だが、北米での退職者の医療費負担や高コスト体質などの問題は解消していない。販売不振の打開策も見えず、経営再建の前途はなお厳しい。
提携交渉を促した大株主のカーク・カーコリアン氏率いる投資会社トラシンダは4日、取締役会の決定に「残念だ」と不満を表明した。低迷打開の「切り札」と見られた提携交渉の打ち切りで、株価が今後下落すれば、抜本的な再建策を求める株主の圧力がさらに強まる可能性がある。
―――GMに最大手のこだわり 「救済」は飲めず(朝日新聞)
提携協議を続けてきた米ゼネラル・モーターズ(GM)と日産自動車・仏ルノー連合は4日、協議を打ち切ることで合意したと発表した。協議はGMの大株主、カーク・カーコリアン氏の提案で7月に始まったが、提携内容や効果をめぐる隔たりは埋まらず、日米欧をまたぐ巨大自動車連合は実現に至らなかった。
カルロス・ゴーン社長=写真=とGMのリック・ワゴナー会長が4日朝、電話で協議し、約2カ月にわたった協議の打ち切りで合意。「提携効果の重要性は双方で認識したが、全体の試算と利益の分配で合意できなかった」とする声明を発表した。
GMのワゴナー会長は4日の会見で提携協議は「日産・ルノーに有利でGM株主の利益向上につながらない」と指摘。ゴーン氏が資本提携にこだわったことが、協議の障害になったことを示唆した。
資本提携まで踏み込む広範囲な提携を模索する日産・ルノーに対し、GMは終始、慎重姿勢を崩さなかった。「他企業との提携機会が排除される」として埋め合わせの補償金まで要求したため、日産・ルノー側は「提携の精神に反する」と支払いを拒否し、交渉期限の今月15日を前に破談となった。
GMは従業員削減や生産台数の縮小など昨年末に打ち出した大規模リストラを続け、ワゴナー会長の指揮の下、独自再建を目指す考え。
日産・ルノーは引き続き北米自動車メーカーとの提携を模索しており、業績不振が続く米フォード・モーターに協議を呼びかけるとの観測も浮上している。
カーコリアン氏が運営する投資会社トラシンダは4日、「経営陣が提携について独自の評価を得るに至らず残念だ」との談話を発表した。
◇
日産自動車とルノー両社の社長をつとめるカルロス・ゴーン氏が、「成長戦略へ向けたチャンス」と位置づけた米ゼネラル・モーターズ(GM)との提携協議の決裂で、3極での巨大連合を目指したゴーン戦略の第一幕は不調におわった。日産・ルノー連合は、今後早急に北米事業のてこ入れや環境技術の開発など、中長期的な課題への対策の練り直しを迫られることになった。
GMとの協議でゴーン社長の描いた戦略は、1999年からの日産・ルノーの資本提携の成功体験の再現だったとみられる。「グローバル企業同士の大型提携のお手本」(日産首脳)と自負する両社の提携の理念は、「両社のブランドを尊重しつつ、共通の目標を掲げ相乗効果を追求する」。そのためには、今回も資本提携をつくることでGMと日産・ルノーの3社間の信頼関係を強固にする必要があるとの思いが強かった。
ただ、7月の協議の初期段階で、自主再建にこだわるGMのリック・ワゴナー会長が資本提携に強い難色を示したことで、日産・ルノー側は大きく軌道修正を迫られた。
ワゴナー氏が打ち出した大規模なリストラを伴う「ターンアラウンド(再建計画)」では、北米の生産設備に余剰が生まれる。このため、増産を計画する日産車の生産委託や、トヨタ自動車やホンダが先行する燃料電池車の共同開発など、北米事業の強化と環境技術開発で相乗効果を見いだそうとしたとされる。
先月末のパリで、日産・ルノー側は3社で最大年間100億ドル(約1兆1800億円)の提携効果がでるとの試算を示したのに対し、GM側は部品の共同購買などを例に挙げ、提携による効果は日産・ルノー側の方が大きいとして対立したという。結局、3社は交渉期限を待たずに破談を発表した。
そもそも、GMとの交渉は、GM大株主の提案に端を発したもので、日産・ルノー側は当初から、「提携が成立しなくても失うものはない」(日産首脳)と冷静を装っていた。
ただ、世界戦略をすすめるうえで、3極での強固な生産、販売体制を築くことが今後の課題として残り、ゴーン氏は北米事業強化や環境技術開発に向け新戦略の構築を迫られている。
日産幹部は今後のフォード・モーターとの提携についてはコメントを避けたが、ゴーン戦略にはフォードという選択肢も含まれている可能性が高いとされる。低燃費車や小型車の投入から浸透までには時間がかかるとみられ、新たなゴーン戦略は時間との競争になってきた。
―――GMと日産・ルノー破談 ゴーン戦略不発(産経新聞)
破局した、GM VS 日産&ルノー。
やっぱりプライドが許さなかったのかしらん?
個人的にはGMは趣味ではありません。
今日の天気
業績悪化に業を煮やしたGM大株主の提案で頭越しに始まった交渉は、当初から双方の認識の食い違いがあった。
GMのワゴナー会長は4日の会見で、日産・ルノー側が、時価での株式買い取りや他社との提携交渉禁止などGM側に不利な条件を求めたことを明かし、不満をにじませた。「事業ごとの提携にこそGMや株主に利益があると感じていた」と述べ、日産・ルノーが意欲的だった包括提携には当初から否定的だったこともうかがわせた。
GMは3万人を超える人員削減を柱とした大規模リストラを進め、北米事業の赤字も縮小し始め、ワゴナー会長は「事業立て直しは順調」と繰り返していた。業界では、再建への自信の芽生えが包括提携の決断を鈍らせたとの指摘もある。
だが、北米での退職者の医療費負担や高コスト体質などの問題は解消していない。販売不振の打開策も見えず、経営再建の前途はなお厳しい。
提携交渉を促した大株主のカーク・カーコリアン氏率いる投資会社トラシンダは4日、取締役会の決定に「残念だ」と不満を表明した。低迷打開の「切り札」と見られた提携交渉の打ち切りで、株価が今後下落すれば、抜本的な再建策を求める株主の圧力がさらに強まる可能性がある。
―――GMに最大手のこだわり 「救済」は飲めず(朝日新聞)
提携協議を続けてきた米ゼネラル・モーターズ(GM)と日産自動車・仏ルノー連合は4日、協議を打ち切ることで合意したと発表した。協議はGMの大株主、カーク・カーコリアン氏の提案で7月に始まったが、提携内容や効果をめぐる隔たりは埋まらず、日米欧をまたぐ巨大自動車連合は実現に至らなかった。
カルロス・ゴーン社長=写真=とGMのリック・ワゴナー会長が4日朝、電話で協議し、約2カ月にわたった協議の打ち切りで合意。「提携効果の重要性は双方で認識したが、全体の試算と利益の分配で合意できなかった」とする声明を発表した。
GMのワゴナー会長は4日の会見で提携協議は「日産・ルノーに有利でGM株主の利益向上につながらない」と指摘。ゴーン氏が資本提携にこだわったことが、協議の障害になったことを示唆した。
資本提携まで踏み込む広範囲な提携を模索する日産・ルノーに対し、GMは終始、慎重姿勢を崩さなかった。「他企業との提携機会が排除される」として埋め合わせの補償金まで要求したため、日産・ルノー側は「提携の精神に反する」と支払いを拒否し、交渉期限の今月15日を前に破談となった。
GMは従業員削減や生産台数の縮小など昨年末に打ち出した大規模リストラを続け、ワゴナー会長の指揮の下、独自再建を目指す考え。
日産・ルノーは引き続き北米自動車メーカーとの提携を模索しており、業績不振が続く米フォード・モーターに協議を呼びかけるとの観測も浮上している。
カーコリアン氏が運営する投資会社トラシンダは4日、「経営陣が提携について独自の評価を得るに至らず残念だ」との談話を発表した。
◇
日産自動車とルノー両社の社長をつとめるカルロス・ゴーン氏が、「成長戦略へ向けたチャンス」と位置づけた米ゼネラル・モーターズ(GM)との提携協議の決裂で、3極での巨大連合を目指したゴーン戦略の第一幕は不調におわった。日産・ルノー連合は、今後早急に北米事業のてこ入れや環境技術の開発など、中長期的な課題への対策の練り直しを迫られることになった。
GMとの協議でゴーン社長の描いた戦略は、1999年からの日産・ルノーの資本提携の成功体験の再現だったとみられる。「グローバル企業同士の大型提携のお手本」(日産首脳)と自負する両社の提携の理念は、「両社のブランドを尊重しつつ、共通の目標を掲げ相乗効果を追求する」。そのためには、今回も資本提携をつくることでGMと日産・ルノーの3社間の信頼関係を強固にする必要があるとの思いが強かった。
ただ、7月の協議の初期段階で、自主再建にこだわるGMのリック・ワゴナー会長が資本提携に強い難色を示したことで、日産・ルノー側は大きく軌道修正を迫られた。
ワゴナー氏が打ち出した大規模なリストラを伴う「ターンアラウンド(再建計画)」では、北米の生産設備に余剰が生まれる。このため、増産を計画する日産車の生産委託や、トヨタ自動車やホンダが先行する燃料電池車の共同開発など、北米事業の強化と環境技術開発で相乗効果を見いだそうとしたとされる。
先月末のパリで、日産・ルノー側は3社で最大年間100億ドル(約1兆1800億円)の提携効果がでるとの試算を示したのに対し、GM側は部品の共同購買などを例に挙げ、提携による効果は日産・ルノー側の方が大きいとして対立したという。結局、3社は交渉期限を待たずに破談を発表した。
そもそも、GMとの交渉は、GM大株主の提案に端を発したもので、日産・ルノー側は当初から、「提携が成立しなくても失うものはない」(日産首脳)と冷静を装っていた。
ただ、世界戦略をすすめるうえで、3極での強固な生産、販売体制を築くことが今後の課題として残り、ゴーン氏は北米事業強化や環境技術開発に向け新戦略の構築を迫られている。
日産幹部は今後のフォード・モーターとの提携についてはコメントを避けたが、ゴーン戦略にはフォードという選択肢も含まれている可能性が高いとされる。低燃費車や小型車の投入から浸透までには時間がかかるとみられ、新たなゴーン戦略は時間との競争になってきた。
―――GMと日産・ルノー破談 ゴーン戦略不発(産経新聞)
破局した、GM VS 日産&ルノー。
やっぱりプライドが許さなかったのかしらん?
個人的にはGMは趣味ではありません。
今日の天気