千葉県市川市に住む飲食店の女性店員(47)ら親子5人と、千葉市稲毛区の母娘2人が、生協で購入した中国製冷凍ギョーザを食べて食中毒の症状を起こし、入院していたことが30日、分かった。
市川市の5人のうち、二女(5)は意識不明の重篤となっている。
市川保健所が調べたところ、ギョーザから有機リン系薬物「メタミドホス」が検出された。
千葉県警捜査1課は、殺人未遂容疑でギョーザの流通経路などの捜査を始めた。5人は22日夕に冷凍ギョーザを食べ、 嘔吐 ( おうと ) や下痢の症状を訴えた。
ギョーザは、ジェイティフーズ(東京都品川区)が輸入した「CO・OP冷凍食品 手作り餃子」で、千葉県は、絶対に食べないように呼びかけている。
また、兵庫県警は30日、中国製の冷凍ギョーザを食べた同県高砂市の自営業の男性(51)と家族2人が、嘔吐や下痢などの食中毒症状を起こしていたと発表した。
パッケージの内側から、有機リン系の農薬「メタミドホス」が検出されたため、県警は食品衛生法違反容疑などで捜査を始めた。
調べでは、「手包みひとくち餃子」。20個入りで、ジェイティフーズが中国から輸入して販売している。
高砂市の男性は今月5日午後6時50分ごろ、自宅で妻(47)と二男(18)の3人でこのギョーザを食べ、病院へ搬送された。3人は10~14日入院したが、現在は回復しているという。
―――中国製冷凍ギョーザで食中毒、千葉と兵庫で3家族10人(読売新聞)
中国産ギョーザで食中毒症状が起きた問題で、輸入した「ジェイティフーズ」と親会社のJTなどが30日午後、東京都内で記者会見し、警察の捜査で商品の一部から有機リン系殺虫剤が検出されたとして、謝罪するとともに、市販用・業務用合わせ23品目を自主回収すると表明した。
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自主回収の対象となった市販用商品は次の通り。
中華deごちそう ひとくち餃子
お弁当大人気!ミニロールキャベツ
お弁当大人気!豚肉のごぼう巻き
お弁当大人気!2種のソースのロールキャベツ
お弁当大人気!豚肉の3色野菜巻き
CO・OP本場中国肉餃子30個540g
CO・OP手作り餃子40個560g
CO・OPとろ~り煮込んだロールキャベツ2個×2袋入
―――中国製ギョーザ食中毒、JTなどが23品目を自主回収(読売新聞)
怖いですね。。
業務用でも流通しているとか。
今日の天気
2008.1.31追記
中国製冷凍ギョーザによる毒物中毒問題は、今後は農薬の混入経緯の解明が焦点となる。千葉県警と兵庫県警は輸入元などから事情を聴き、業務上過失傷害や食品衛生法違反容疑で調べる方針だ。両県警によると開封前に袋が破られたり、注射針で刺されたりした跡はなかったという。
厚生労働省の藤崎清道食品安全部長は30日夜、「通常の残留農薬では考えにくい急性症状が出ている」と述べ、発生件数が限られていることなどから、野菜などの生産段階で使用された農薬が中毒の原因となった可能性は低いとの見方を示した。
東京聖栄大食品学科の真木俊夫准教授(毒物学)によると、食品を通した有機リン系毒物による健康被害はきわめてまれ。「ギョーザであれば加熱により有害物質はある程度、分解されたはず。それでも重体者が出たことから、相当高濃度だったことが考えられる」と指摘する。
農林水産省農薬対策室によると、農薬の国際的な安全性評価では、メタミドホスを一度に摂取した場合に健康に大きな影響を与えないとされる上限は体重1キロ当たり0.01ミリグラム。体重60キロの人間だと0.6ミリグラムとなる。
真木准教授は混入の経緯について「ギョーザの具や皮の原材料に残留農薬があったとしても、ここまでの影響は考えにくい」といい、兵庫県警などの調査でメタミドホスが包装物からも出ていることを挙げ「工場での製造の過程で混入した可能性が高いのではないか」と話す。
中国内で日本向け加工肉食品を製造している会社経営者によると、メタミドホスは工場内に侵入してくる虫を除去するための殺虫剤で使われることがあり、ギョーザ工場で過って原料に混入した可能性もあるという。
製造元の天洋食品廠公司の職員は朝日新聞の電話取材に「責任者がいないので、詳しいことはわからない」と述べた。
―――「農薬、相当な高濃度」専門家指摘 ギョーザ中毒問題(朝日新聞)
ジェイティフーズの親会社のJTと、商品を販売した日本生活協同組合連合会(生協)は30日夕、東京都内で記者会見を開いた。
冒頭、JTの岩井睦雄取締役が「多大なご迷惑をかけておわび申し上げます」と述べて陳謝。岩井取締役によると、国内に届いた商品のサンプルについて、細菌検査と試食は行っていたものの、農薬について調べる薬品検査は行っていないといい、中断をはさんで4時間以上に及んだ会見で、「農薬とは思い至らなかった」と弁明に終始した。ギョーザの原材料を対象にした薬品検査は中国の工場側が年に1、2回行っていたという。
兵庫県の食中毒事故の後、回収措置を取れなかったのかと問われると、岩井取締役は5秒ほど沈黙して「(事案の概要を)調べるだけにとどまってしまった」と表情をこわばらせた。
今後の対応についても「どういう形で防げるかをきちんと検討したい」と答えるにとどまった。
―――JT「農薬とは思い至らなかった」…ギョーザ食中毒で会見(読売新聞)
中国の残留農薬問題がこれだけ話題になっているご時世なので、たとえコストがかかってしまうとしても、顧客を守る為には輸入元での農薬等の検査も必要なんじゃないかな。会見見た感想は、「ちょっと無責任」。
そして、生協。
「個人宅配」が便利だからと利用している人も中にはいるのだろうけれど、「生協だから安心」という理由で生協を利用している人だって多いはず。
少なくとも、他のスーパーより消費者目線であるはずなのに、なぜ防ぐことができなかったんだろう?ここ数年は、あまりよろしくない事で「生協」を聞くことが多くなってきたように思える。