Blackwater (19.09.07)

2007-09-26 10:24:54 | Fishing in Ireland
Blackwater 3日目。

夜の間にまとまった雨が降ることを期待していたが、予報よりもはるかに少ないお湿り程度。朝になってからは、霧雨状の雨に加えて強烈な風が上流側から吹き始めていた。しっかり踏ん張っていないとバランスを崩しそうになる位の突風も時折吹くという悪コンディション下での修行モードになった。

今日のビートは、Beat 8 - Ballyhooly Bridge

雨も水位が上がる位の量がまとまって降れば歓迎できるが、小雨でしかも横殴りに降ってくるので求められる忍耐のグレードが上がる。唯一の救いは、かなりの強風の中で、風の合間を見計らってシングルスペイでアンカーを打つ位置を工夫しながら対処する練習ができたことぐらい。(一応、ダブルスペイ・リバースにも挑戦してみたが、流石にこれは右手の動きが難しく、へなちょこループしか形成できず、すぐに断念。)

雨は降ったり止んだりだったが、強風は一貫して上流から吹いてくる中、各ポイントを一通り流すも反応無し。有望そうだったのは最下流部の落ち込み付近だったので、そこに集中して攻めるも全く反応無し。この日は魚のハネを見ることもなく、昼過ぎの時点でBozeの気配が濃厚に。

午後からは、キャスティング練習のつもりで、繰り返し最下流ポイントと橋下のポイントを行ったり来たりしてカバーするが、予想通りこつりとも当りが無いまま、夕方になって雨が少し強くなってきたため、「この雨が数日後には河口から鮭を呼び寄せるのかも」などと恨めしく思いながら、5時には納竿とした。

丸々3日やって1テイクのみ。初めての鮭釣行でドラマは起きなかった。
ロッジに滞在した期間中、毎日10人以上の釣人(半分位が餌釣り)が川に出撃していたが、釣果は2~3匹/日という状態だった様子。ロッジのおやじさんによると、8月後半からの少雨の影響で夏場のローウォーター状態のまま推移していて9月にしては異例に釣果が乏しい状態とのことだった。

釣れなかったのは、まあ想定の範囲内として、思った以上にスペイキャストが楽にできるようになったので、何とか1匹仕留めるべく来春はスプリンガー狙いでどっかに行こうと決意を新たにした。やっぱ、実績のMoerrumsでしょうか。

Blackwater (18.09.07)

2007-09-25 15:50:48 | Fishing in Ireland
Blackwaterの2日目。

割り当てられたビートは、Beat 6 - Lower Kilmurryと、Beat 7 - Upper Kilmurry

今日は午前中の2時間を使って、キャスティングのレッスンを受けることにしていた。2つのビートの中間地点にキャスティング台が設けられていてジャンプロール、シングルスペイ、ダブルスペイ等を基本動作を実際にやりながら、矯正すべきポイントを指摘して貰った。自分が予想していた以上にそこそこのキャストできるようになり、ミスキャストした時にも何が悪かったか大体は理解できるようになったので大変良かった。

レッスン終了後、11時頃から上流側のビートで実釣を開始。キャスティングの先生をしてくれたおばさんから、#14前後のアイリッシュパターンのシュリンプをいくつか渡されて、ティップはフローティングを使うようにアドバイスされた。昨日はシンキング&チューブフライで1テイクあったので、フローティングしかも極小のシュリンプで釣れるのかとの疑念が拭えなかったが、実際のビートを見て、アドバイスの理由が分かった。50m以上の川幅で単調な浅い流れが続き、しかも底には水草が青々と茂っていた。なるほど、こういう川を攻略するために小さいアイリッシュパターンは考えられたのかと納得した。沈み石等の分かり易いポイントも無く、確かにシンキングではとても釣りになりそうに無い。
昨日の経験からとにかく最初のカバーに集中しようと思い、対岸に向けて出来るだけ遠投して広い範囲を丁寧にカバーしてみるが反応は全~く無し。魚のハネも全く見えない。

上流側を一通りカバーし終えたが、全く釣れる気配がせず、2回目を流す気にならなかったので、下流側ビートに移動。

こちらの最下流部には小さな中洲で分流が出来ており、その左岸側が程よい落ち込みポイントを形成していた。ティップを交換しながら探る層を変えつつ何度も流すが、こちらでも反応は全く無し。鮭のハネを2度見かけたがそれのみ。魚のストックが少ないようにも感じられ、天気も下降気味になってきたこともあり、昨日のチャンスを確実にものにしておかねばならなかったとの思いを新たにした。

同じビートの中程の深場を釣っていた餌釣り師たちも釣果が上がらないようで、5時過ぎに帰ったのに合わせ、この日は6時前に納竿とした。予想されたこととは言え、やはり鮭釣りは忍耐・修行の積み重ねが必要だなと感じ始めていた。
この日の夜は少しまとまった雨が降る予報になっていると宿のおやじが言っていたので、水位が少しでも上がって状況が変わることを祈りつつ2日目終了。(3日目に続く)

Blackwater (17.09.07)

2007-09-24 22:05:41 | Fishing in Ireland
サーモン・プロジェクトを開始した。
手始めとして先週17日~19日の3日間、アイルランド西部のBlackwaterに単独釣行した。DHロッドを川で使うのは初めて、スペイは入門本を読んでイメージトレーニングしただけというど素人状態での挑戦に踏み切ったのは、残り1~2年と思われる欧州滞在中に、何とか大西洋鮭を仕留めたいためだ。

宿は広い範囲に及ぶビートを管理しているBlackwater Lodge。朝食とランチボックス以外は食事・酒類の提供を止めたとのことで、限りなくセルフ・ケータリング方式に近いが、逆に食事の時間等を気にせずに夜まで釣りができるので気楽といえば気楽だった。今回はギリーも無しで、キャスティング練習もかねて自己流でやることに決めていた。

1日目。
割り当てられてたのは、Beat15 Ballincurrig。宿の主人からはビート上流に集中すべしとのアドバイスがあった。現場を実際に見てみると、上流部で大きく川がカーブする前後で川幅が半分位に狭まって落ち込みが形成され、流れの中に複数の沈み石があり、素人目にもいかにも鮭が休んでいそうな怪しげな好ポイントを形成していた。
右岸からなのでダブルスペイ、風は少し強いが上流側から吹いているので問題なし。結構釣りやすい状況だったこともあり予想外に最初からそこそこのループが形成出来た。川幅が狭いので、シューティングせずにヘッド分だけ打ちかえすので丁度良い感じだった。
シンクティップにアルミチューブのウィリーガンをセットし開始。時たま根がかりするのできちんと底付近を流せていることを確認し釣り下り始めた。

まあ、今回は初日だし練習だ位の気持ちで、キャスティングに集中しタイミング等を微修正しながら10分程釣り下り、流芯脇にある大きな沈石がある一級ポイントの横を丁度フライが通過した瞬間だった。コツッコツッという感じでラインの動きが止まった。
底石に根がかりしたかと思いつつも、「絶対に合わせるべからず」という鮭釣りの定石に従い、とりあえずラインをそのまま放置して様子を見ていると、なんと、

ぐぐっー、ジジー、ジジー

とラインが引き出され始めた。俄かには信じられず、フックが根がかりしラインが水流で押されているのではと最初思ったが、明らかにラインの先に不規則な生命反応が感じられた時点で、一気にアドレナリンが脳を刺激する。
「鮭が止まるまではラインを送り込むべし。」
じっーと我慢。10m程だったかラインが出た後で動きが止まった。理屈の上では、この段階で「水流がラインにかける負荷によりフッキングしている」、はずである。

が、鮭釣りが素人の自分には当然ながら確信が持てない。

・・・合わせを入れるか? いや待て待て、合わせは禁物のはずだ。

が、このまま待ち続けて何とかなるのだろうか?

・・・そういえば、「秋になれば鮭の口の皮も固くなり合わせてもOK」ということが書いてある本もあったよなあ。

色々な考えが瞬時に頭に過ぎった。

待っていたのは、多分そんなに長い時間では無かったと思うのだが、待ちきれずにラインを数㎝引っ張って合わせを入れる決断をした。

せーの、ピッ!

・・・・スカッ・・・・★○△?!・・・

フックが鮭の口を切り裂いた(と思えるような)一瞬の感触を残し、ラインからテンションが消えた。

人生最初の鮭釣りで、しかも最初のカバーでランディングするという夢を一瞬見させてもらったが、やはり現実はそれ程甘くは無かった。

この後、夜7時頃までロッドをひたすら振り続けたが、この1テイク以外は何の当りも無し。ただ、日中、鮭がジャンプする姿を6~7回は見たので、かなりの魚がこのビートにストックされていたのは確かなようだった。
あと2日あるので、何とかなるかもという希望を持ちながら初日を終了した。(2日目へ続く)