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備忘録

ABSを知らなかった?「運動量保存則による計算」

2010-02-17 08:04:54 | 雑記録

2010年2月17日

ABSを知らなかった?「運動量保存則による計算」

支援者さんのエントリーで科捜研算定書のコピーがアップされています。
   ◆ --> こちら
読みずらい部分もあり、体裁を整えてみました。
undoryoHozon.gif

パッと見にはアカデミックっぽく作られています。図もありもっともらしい計算式もあります。
なにを根拠に算定書が作られ、法廷に証拠としてだされたかを解きほぐさないと反論もできません。
さっそく見ていきます。

ざっと見て分かることは、まず答えが先にあって、それへの理屈付けがされているということです。前提条件を決め、それに沿った衝突ストーリーを考えてこの算定書が作られています。求めたい結果、言い換えれば、警察が描いたストーリになるように前提条件を決め、ストーリーが作られているのが見て取れます。

というのは、真っ先に「運動量保存の法則」がでてきていることです。衝突の瞬間から大破もせず2台が合体したまま最終停止地点まで進んだという黒岩前交通部長も力説した警察・検察ストーリーをもっとらしくしする必要があったからです。どうしても理論付けをしなければならないという内部事情があったわけです。
それにピッタンコなのが「運動量保存の法則」ですね。

実際の事故状況が2台が合体してすすみ、3m進んでところでおもむろに砕け散ったというなら「運動量保存の法則」も一部は適応されます。が、その論理は綻びだらけであり、すでに破綻しています。
百歩譲ってその理論で先に進めたとしても、バスと白バイが大破したことの理論的な説明を要求すれば全く答えられないはずです。このような計算式まで使って事故状況を説明するからには、大破したことも同じように計算式を使って説明できなくてはオカシイですね。
まぁ、計算式でなくとも物理用語を使えば文字だけでも十分に説明できますから、それでももちろんOKです。是非とも科捜研の技官に説明してもらいたいものです。

 支援者さんのエントリー にアップされてる写真
busTaiha_s.jpg

私もいろいろ調べてきましたが、裁判でもその他の説明の場でもこの視点はでてきていません。ここに突っ込まれたら窮するのは明らかであり、グーの音もでないはずです。すでにストーリーが破綻しているのですから当然といえば当然ですが。

交通事故といえども単なる物理現象ですから、大きく壊れるにはそれなりの理由づけができるはずです。が、警察がそこに立ち入ろうとしてこなかったことで、実は白状しているということと同じだということを理解しているだろうか。

ところで、科捜研でこの算定書をつくった技官の人なら次の書き込みの意味は勿論わかるでしょう。秀逸な書き込みです。思い切り皮肉ってますが・・・
内容もさることながらその日付です。きっこの日記で全国に知れ渡ることになってわずか3ヶ月です。当時はいまほど情報がでていなかった時点だったですが、実に適確に事故状況を検証しています。脱帽です。名前がわかれば是非とも会って話が聞きたいお方です。

11 :名無しピーポ君:2008/01/01(火) 12:54:30
バスは車道に入る手前で一旦停止した
その時、右をちらっと見ただけで車道に出た
その時、白バイは16.7km/h×5秒の83.5m先を60km/hで走っていた
バスが6.5メールを5秒かけて進んだ時には人が早足で歩くぐらいのスピードが出ていた
その地点で、右手から来た白バイをはねた
その瞬間東に3.9メートル吉岡隊員がはね飛ばされた
白バイは1.7メートルバスにくっついて立ったまま人の歩く程度の速度で進んだ
または、白バイは浮き上がったまま人の歩く速度で空中を移動した
バスは1.7メートル空走後、急ブレーキがかかった
その証拠が1~1.2メートルのブレーキ痕

バイクはバスに急ブレーキが掛かり始めた地点で斜めにバスの下に潜り込んだ
その証拠がレ形のタイヤ痕やバンパーなどの擦過痕

バイクはゆっくりと約3メートル引きずられた
うち1.2メートル引きずられた跡が残った
バスがゆっくり停止してから、急に部品が砕け散った
停止してから急にラジエーターの液体が噴出した

道路の勾配に沿って流れた
タイヤの下にバイクから漏れたラジエーター液か、オイルか、体液が溜まった
停止してからサイドボックスのフタが開いた

あびすけさんのブログで盛んに書き込みがされていて、そこにおじゃま虫で横槍を入れたときのコメントです。 --> こちら
どの位置で大破したのか
大破した結果は明確に残っているのにどの地点で大破に至る大きな衝撃力が発生したかに踏み込まないのはあり得ないでしょう。
大きな衝撃力が発生するには短い時間に大きな加速度が生じる必要があります。そしてその短い時間というのは100ms、これはヤマハ発動機にて止まっている車にバイクを衝突させ、運転者の胸部に受ける衝撃力や、加速度が詳細に記録されています。わずか0.1秒で衝突のほとんどが終わっているのが、最大のポイントです。
   ■ 衝突の瞬間を検証してみる --> こちら

大破が起きた以上、この視点からの検証は外せないということです。
そして真の衝突地点がどこだったかも必然的にあぶり出されます。この視点で事故状況を検証すると、上の書き込みの意味もおのずとわかってくると思います。

  http://hachiman-kumori.blog.so-net.ne.jp/2008-11-19

コメント欄を全部まで拝見していませんで、議論が進んでいたことも知りませんでした。
0.1秒の話がされていて、目がとまりました。大きな衝撃が発生する時間についての議論は巨大掲示板でも、ほかのサイトでも見かけませんでしたのが、なんかお仲間が増えたようで新鮮な感じがします。(笑)
それはさておき、

白バイ本体の運動エネルギーと隊員の運動エネルギーが「白バイがバスに接触し双方の破壊が進み、白バイが停止するまでの時間」でゼロになるという基本的な理解がまず必要だと思います。
あびすけさんはそれを理解されて説明されていますね。お節介のようで恐縮ですが、まだ理解に至ってない?ひと向けに能書きをたれてみますね。

衝突の瞬間から、動いていた物体の運動エネルギーはどんどん消費されていきますね。やがてゼロになります。
(この際、道路はほぼ水平だとして位置エネルギーの変化はないものと仮定しておきます。)
バスの屈強なバンパーをへし曲げフェンダーも壊し、白バイの左側面が大破し、隊員も損傷(プロテクタも破損)を受け、路面での摩擦や削り・・などにすべての運動エネルギーが消費されて、ついには白バイも隊員も停止します。

その中で一番多くのエネルギーが使われたのが「バスのバンパー・フェンダーの破損と白バイ左側の破損」だと見るのが合理的だと思います。
それは破損の大きさから判断しています。

となるとその大破がおきるには大きな衝撃力が発生しなければなりません。ある速度(60kmと認定されているがそれ以上だったと推定される)で突っ込んできて、ほぼ壁状のところに衝突した状況であり、そこでマイナスの加速度(この場合は衝突なのでマイナスの加速度)が生じたはずです。
おおきな衝撃力となるにはおおきな加速度が生じなければならず、その大きな加速度が生ずるには短時間で速度がゼロにならなければなりません。
その衝突実験をヤマハ発動機がやっていました。また衝突シミュレーションソフトでもほぼ同じ結果になっていますがあびすけさんが指摘されているように0.1秒の間で大部分の運動エネルギーが消費されるということですね。

逆にいえば、ダラダラと1秒~もかけて運動エネルギーが消費されたとしても加速度がおおきくならずおおきな衝撃力にならず、結局、大きな破壊にはいたらないということですね。

「ダラダラと1秒~」これは裁判で認定された警察が主張する衝突ストーリですね。衝突した瞬間から合体して3mほど進んで、停止したと主張してますから1秒じゃ足りないかもしれません。
そして速度が人の駆け足くらいの速さからゼロになる地点のほんの手前の地点でおもむろに大破壊がおきたというんでしょうね。(皮肉ってます)
実は裁判でも警察・検察ストーリーでもなぜか、この議論はまったくでてきません。不思議です。
ここに立ち入ったら衝突地点が焙りだされてしまうので意図的に避けているのだと理解していますがどうなんでしょうか。
最後になって恐縮ですが、
このエントリの主題である「バス正面の凹損」ですが、隊員の頭部(ヘルメット)だと推定しています。

長々と妄想が過ぎ、失礼しました。

by Goodbyeです (2009-09-22 17:03)

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投稿者 hal : 00:34 | コメント (0)


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