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備忘録

新たな事故鑑定 その2

2011-03-07 06:08:58 | 雑記録

新たな事故鑑定 その2

 
 以下 欠陥交通・・いや月刊交通2011年1月号(東京法令出版)に掲載された山崎氏の高知白バイ事件の解説を同雑誌より転載します。
 
 はじめに
 
 二輪車事故の解析における衝突角度及び飛び出し角度については2010年4月号と5月号(以下前回と言う)で詳しく解説した。本稿では前回で詳細に述べた二輪車事故解析のポイントをおさらいした上で。その事例として高知で起きた白バイとスクールバスの衝突事故について解説する。
 
 1、前回の二輪車事故解析のポイント
 
 (1) 衝突形態について
 
 前回の二輪車事故解析は右折する乗用車に直進する二輪車が衝突するものであった。写真1は、衝突状況を表す。
 
イメージ 1
 
 図1は二輪車と乗用車の衝突位置。図2は停止位置を図化したものである。
 
 
イメージ 2
 
(2) 飛び出し角度
 
①二輪車と衝突した後の自動車の飛び出し角度は衝突地点の二輪車のタイヤ痕から求める。二輪車が制動して衝突すれば二輪車のタイヤ痕が衝突地点前に印象されることは容易に理解される。
 
②一般的に、二輪車は制動痕を印象することなく衝突することが多い。したがって、二輪車の前輪は回転して接触するが、乗用車と接触して回転が止まる。
 
③二輪車はある速度で衝突するから乗用車を押し出す。乗用車を押し出しながら、二輪車のタイヤ痕が二輪車の進行方向に印象する。その長さは長いものでなく15cm程度のものである。
 
④乗用車は二輪車と衝突後、変形し、変形終了後二輪車に押され、移動を開始する。
 
⑤この時、二輪車の前輪タイヤは乗用車に密着しているから、乗用車の移動方向に二輪車前輪のタイヤ痕が印象される。つまり、二輪車のタイヤ痕は衝突後、第一に二輪車の進行方向に印象し、第2に乗用車の進行方向に屈曲したタイヤ痕を印象する。
 
⑥したがって、屈曲したタイヤ痕が乗用車の飛び出し角度を意味する。二輪車の衝突速度解析には大変重要なポイントである。
 
 写真2は衝突地点の二輪車のタイヤ痕を示す。
 
 
イメージ 3
 
 図3は飛び出し角度を図化したものである
 
 
イメージ 4
 
⑦乗用車の飛び出し角度は図3に示したように、二輪車の衝突後のスリップ痕を元に二輪車に押された乗用車の向きを図に示し、変化した乗用車の重心位置を結んで飛び出し角度とする。
 
⑧二輪車の飛び出し角度は、二輪車のタイヤ痕を前輪において、その車両の移動を図化する。二輪車の移動状況から二輪車の重心の移動を求め、飛び出し角度とする。
 
                                     以上
 
 
注意事項 改行や文章前の①~⑥等の番号はlmが、後の引用に備えて記入したもの。また、太字部分は原文のまま記載した。
 
 山崎氏はバスは動いていたという鑑定=片岡有罪という結果を月刊交通で書かれている。片岡さん本人は無罪である=バスは停止中という主張を行っており、本件事件は高知地裁に再審請求中であるのはご存知のことと思います。
 この状況の中、このような鑑定が多くの警察関係者が執筆する『権威ある雑誌』に掲載され、多くの司法関係者の目に触れることは、再審請求に与える影響は小さくはないと判断しました。よって私は片岡さんの了承のもと、この鑑定の矛盾点や疑問点を加えることで片岡さんになり代わり、片岡さんの権利を守り、事実を訴えて、片岡さんの無罪主張の防衛手段として鑑定内容の全文を転載していきます。
 
 さて、次回より高知白バイ事故に触れていきます。
 
 見出しだけ転載しておきます。
 
 2 高知の白バイ事故
 (1)事故の概要
 (2)警察の捜査
 (3)検察の対応
 (4)弁護側の主張
 (5)争点
 (6)判決
 (7)争点の検証
    おわりに
 
 ここから先は 山崎氏の鑑定意見について各見出し事に私と片岡さんの意見を掲載していく予定です。
 ネットでは掲載されたことのない科捜研資料も山崎氏の鑑定に登場してきます。東京から高知地検にまで出向いて入手したものでしょう。その資料は手元にあって丁度再審材料に使おうと準備をしていたので、幸いです。
 
 また、山崎氏は高知新聞記事を複数回鑑定に引用しています。マスコミの報道が冤罪と無関係でないことの現われかと感じた次第です。
 
 久しぶりに腹が立って眠れネェよ。
 
  
 「SP 革命篇」劇場予告編  
    http://www.youtube.com/watch?v=vCyY3_zk5rg&feature=related               

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