ようやく映画『英国王のスピーチ』を観た。震災前に前売券を買い求め、いつでも観に行けるよう財布の中に入れていたのだが、いつものようについつい行きそびれてしまっていた。
平日ではあるが、自分も含め休みの人は多いだろうから、少し早めに映画館に向かった。上映時間の45分前に着いて整理券をもらうと、投資番号は「60」だった。ある程度の想像はついたが、用事を済ませ映画館に着いた時には「満席」というアナウンスがされていた。
用事を済ませ(というか、全て済ませられなかったが)入場開始となる「上映10分前」に映画館に戻ると、ロビーには大勢の人が集まっていた。それでも何とかいつもと同じようなポジションを確保して、上映開始を待った。
映画が始まると、すんなりとその世界に入り込むことができた。それも今年度アカデミー作品賞を獲得した理由なのだろうか、最後まで意識が途切れることはなかった。
王になる可能性はあったが、王になるとは思っていなかった男が抱えた苦悩と、その彼を何とか救おうとするスピーチ矯正専門家の男、そして彼らを支える女…王の妻の物語が、ウィットに富んだセリフに織り上げられて進んでいく。その中で、僕もその男と同じように、王を一人の男として見ていた。
そして迎えたラストのスピーチのシーン。僕は、王位を継承した男を支えた人物たちと同じ気持ちで彼を見守り、そして、彼が本当の意味で「王」となった瞬間に立ち会った…気分だった。
人は、人によって悩み苦しみ、そして、人によって救われる。人生はその繰り返しだが、僕は人を支え、支えられているのだろうか。それは、誰かの心に届いているのだろうか。一人で歩いていると思っている僕は、そのことにただ気付いていないだけなのか、それとも、誰かときちんと向き合っていないのか。
そんなことを考えながら、明日も歩いていくのだろう。
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