さて、08総評の3回目は打撃編です。 すいぶん時間空きましたけどね。。。
では最初に、パシフィックリーグ全体のチーム打撃成績をみてみましょうか。
パシフィックリーグ全体で観てみると、マリーンズの打撃成績は結構多くのファンが感じているほど悪くはないことがわかります。
チーム打率3位(.268)、得点数2位(662点)、打点数2位(640点)、四死球数1位(515)、三振数(少ない方から)2位(955)。
十分に安打も打っているし、得点・打点も多く、四死球もしっかり選び三振数も実は少ない。 案外しっかり球を見極めて対応しているということが、特に四死球数の多さと三振数の少なさに表れています。
三振数がダントツに少ないのはGイーグルスであり、Gイーグルスは打率でも1位。 四死球も2位、犠打も多くきっちりランナーを進めているはずなのに、得点・打点ともに4位まで落ちてしまっているのとは対称的です。 チームの勝敗における順位は4位と5位でしたが、少なくとも得点を多く奪うという意味での『攻撃力』には格段の差があった、と言っていいでしょう。
でも、実際には効率的な攻めができていなかったんじゃないの?、という話もあるかもしれません。
でもやはりいろいろ見ていくと、決して効率が悪い攻めではないんですよね。
表1) 打席数÷得点
表1)は、得点を1点取るのに何打席数(何人の打者)が必要か、という数値です。 つまり、数値が低ければ低いほど、少ない打者で点数が取れるのですから、効率が良い、ということになります。
優勝したライオンズがやはりダントツで唯一の7人台。 とは言いながらも、マリーンズも8.1人台の2位ですから、決して悪い数値じゃありません。 非効率な攻撃をしていたわけではない、ということがわかります。
でも、これだと試合数は同じなのだし総得点が多いチームが必然的に低い数値になりやすいだけでしょ?、と思うかもしれません。 たしかにそういう一面もあります。
では次の表をみてもらいましょう。
表2) 安打数÷得点
表2)は、1得点挙げるために何本のヒットを要するか、ということを示しています。 これも低い数値であればあるほど、効率的に点数を挙げている、ということになります。
もし、送りバントを多用するチームが効率良い攻めが出来ている、とすれば、少ない安打数でも点数が取れる、ということになるのですから、効率的な攻撃であれば低い数値が出る可能性があるはずです。
しかし、ここでもマリーンズが低い数値を示し、リーグ2位です。
犠打数が多いのは、上からファイターズ(205)・バファローズ(165)・Gイーグルス(162)です。 しかし、この中で表2の数値で上位に来ているのは、バファローズ(3位)だけです。 バファローズは安打数が5位で犠打数が2位。 表1・2)とも3位なので、実は一番効率良い攻撃をしていたチームだったのかもしれません。 ライオンズの場合、ホームランの一発ですからね。 ちょっと効率的な得点、というのとはちょっと違うかもしれません。
話をマリーンズに戻すと、1点取るのにヒット2本も必要なくとれるわけですから、十分に効率良い攻撃ができていたということがわかります。 ノーアウトで1塁などにランナーが出たあと送りバントで送るよりも、やはりヒットエンドランなどの攻撃をしかけた方が得点効率が高いということ。
なぜマリーンズがこのように得点効率が高くなったのか、というと、かなり長打が多かった、ということが挙げられるのではないでしょうか?
三塁打が1位(32)。 まあ、三塁打はかなり運的要素がないと難しいので、ある意味おまけみたいなものなのですので除外したとしても、二塁打数も1位(280)なんですよ。 ホームランは打てないけれども、外野の間や頭の上を越す長打力がある、ということでしょう。 ホームラン連発するような大砲ではなく、中距離打者が非常に多いということなのでしょう。
どれだけ中距離打者が多いか、ということについては、改めて次回書いてみたいと思います。
チーム全体としての攻撃力は、今年もかなり高かった。 でも4位だった。
投手→守備→攻撃と総評を進めてみると、あらためて投手力、中でも先発陣の崩壊が非常に大きく影響してしまったことが浮き彫りになってしまいました。
次回は、もう少し個人に落とし込んで、攻撃編に関する総評をまとめてみたいと思います。
今日もお読みいただきありがとうございました。
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