爺さんが伝えたいこと

寡黙に生きて来た爺さんが、一つの言葉ででも若い人達の役に立つならば、幸いです。

マニュアルに頼らない

2022-04-10 15:52:16 | 日記
孔子は言う。「君子は質のみ」と。

「質」とは本質である。

人は世間とか生命とか、あらゆるモノの上辺だけを、軽く知って生きて行くよりも、もっと深い本質を理解して生きた方が、より人生を楽しめる…と言う事だ。

何よりも、まずは自分が今ここにこうして、生きている事の深い本質を味わいたい。

草や木に花が咲く。「まあ、美しい」と感嘆する。

それだけでは、足りないのだ。

この草や木に美しい花を咲かせるのに、その根っこは明るい太陽をのがれ、真っ黒でじめじめした大地に埋もれて、土から間断なく栄養を取ってくれている。

この本質的な事実が、草木の成長と見事な開花のエネルギー源である事を、しみじみと観想する事が大切なのだ。

上辺だけでなく、あらゆる生命の本質を知れば、人生はもっと美しく、もっと尊く、もっと有り難くなる。

その時、人はあらゆる苦悩から、脱出出来る。

いま流行のマニュアルに合わせて生活すると、便利で能率的かも知れないが、深い本質が見えにくくなる。

名門の和菓子屋さんで「このお菓子は、和三盆を使っていますか」と聞いた。

とっさの質問を受けた女店員は「ハイ、それはマニュアルには書いてありませんから…」と答えてきた。

「和三盆ていうのは、上等のお砂糖なんだけど…このお菓子の甘味がとても上品だから、聞いたんですよ」と付け足すと、その女店員さんは店長さんに言った。

「店長、お菓子の材料についてのマニュアルは、無いですよね」。

店長は「あ?、無いよ」とあっさり顔。

マニュアルばかりで生きていると、誠意が失くなり、機転が利かなくなって、本質の分からない、表面だけの世間になる。




仕事が趣味では

2022-04-07 16:39:06 | 日記
まず、目の前の仕事をはかどらせよ!
与えられた課題を、着実に成し遂げろよ。

全ての人が、働く喜びに目覚める事だ。

働く喜びの無い人には、いろいろな例を示して、労働の真の喜びを伝えよ。

一歩ずつ目標を達成して行けば、働く喜びは必ず実体験出来る。

働く喜びは、実体験に依ってしか味わえない。

だから、働け!懸命に働き続けろ!

そんな、リーダーの忠告を素直に受け実践して、どこかに人生の安らぎが有ったのか。

そんな汗だくの人生に、満足感が有ったのか。

働くばかりの人生のどこに、幸福が有ったのであろう。

修身・修行をせず、趣味の一つも持たず、お金ばかりを追いかけて、身も心も病み、疲れ果てて終焉するのは、醜い。

最先端の科学技術を以てしても、科学者たちは、たった一つの生命を生み出せない。

貴方の尊い生命は、宇宙の力に依って生まれ、生かされている。

この生成の力に感謝し、人を思いやり、人を愛して労働した人生こそ、美しい。

孔子は言う。「仁に里るを美と為す」ーー人生を笑って楽しく幸福に生きるには、決して人を思いやる心を失ってはいけない…と。

定年退職をすると、同窓会での話題が変わる。

かつては、営利、営業の話ばかりしていたのに、突然「僕はあそこの霊園に入れた。海が見えて眺めは良いが、金が掛かった」「僕は子供の頃遊んだ故郷の寺に墓を採ったから、金は掛からない」となる。

手には仏教書を持っているが、心底では死を怖がっている。

死んだらどうなる?

これを元気に働いている時に、しっかり自覚して、お互いに今を生きている宇宙の命の大切さを知り、人を深く思いやって生きていれば、死は怖くない。



バカ正直にならない

2022-04-05 19:18:54 | 日記
自分の意見を、正直に堂々と話すことが、何故悪いのだ…。

まったく仰せの通りである

正直一途は結構な事だが、バカ正直な人は、周りの人に不快と迷惑を掛けている事がある。

もしガンを患っている人に「あんたはガンだったそうじゃないか。うへぇ、やっぱりガンだったんだね」と、平気で言う人がいたとしたら、無礼千万だし、不躾でもあろう。

まさか、そんな事を言う人が、いる訳ではないであろうが、これに類する一直線の無礼な正直者が、最近甚だ多い。

女性に「私ちょっと皺が増えたわ」と言われて、「ああ、そうだね」はない。

「でも、君の目は前よりも、もっと素敵だよ」と…。

バカ正直な人の言動は、人を責める事が急で、相手を思いやる事をしない。

孔子は「直にして礼無ければ、則ち絞す」と言う。

絞すとは、首を締めて人を殺す事だ。

二年ぶりに同窓会に行った処、ある会社を経営している社長が、この不況に対して、社員が「生き甲斐」を持って、活気に満ちた仕事をしてくれれば、何とか乗りきれるのだが、皆んなをしぶしぶと会社に出てくる。

仕事に打ち込んでいない。

「生き甲斐」を持つには、情熱なんだ。

仕事をは、はつらつとこなす事なんだと、喋りまくってきた。

「でも、生き甲斐と情熱を持てる会社にするには、社長さんの仕事ではない のかなあ」と、ちょっと口を挟んだら、異常な勢いで、社員の悪口ばかりをぶち出した。

嫌悪を感じ、友だちは皆んな散って行った。



互いの価値を認め合う

2022-04-02 20:56:14 | 日記
目には見えず、これと言って手に掴む事は出来ないが、私たちの生命活動の大本は、宇宙の生成力(徳)の偉大で不思議な力である。

人は決して、一人で生きているのではなく、皆んなが同じ偉大な宇宙の生成力で、生きている。

貴方の生命も、私の生命も、考え方は違っても、その根元はまったく同じであった。

この同じ生命の大本である「徳」の力は、しっかりと自覚する時間が欲しい。

それが、まさしく「道徳」の時間である。

偉大なる宇宙の徳を感じて歩く道…。

皆んなの生命の根元は一つだから、広く皆んなを愛して生きよう。

目の前にいる人を、心から思いやって、仲良く生きていこう。

弱肉強食の競争をして、一人勝ちして威張るような格好の悪い生き方は、止めようじゃないか。

一人勝ちして威張ってみても、そこには孤独で冷たい人生しかない。

宇宙の心と一緒になって、人を愛し思いやって生きていけば、人間として貴方はどんどん成長できる。

孔子は「広く衆を愛して仁に親しむ」と言っている。

「衆」とは沢山の人という意味だから、広く沢山の人たちを愛して、お互いに思いやって生きることが、最高の生き甲斐になる…と。

もちろん、あまりにも他人との距離が近すぎてしまうと、お互いにちょっとしたことで腹を立てたり、衝突してしまうこともあろうから、親しみ思いやると言っても、やはり他人との間に適当な距離を置くことは、肝心なことだ。

とにかく、競争をして勝つことばかり考えないで、お互いに価値を認め合い、思いやって生きることだ。