戦後三十年間、政治の仕組み、教育のあり方、またお互いのものの考え方、
生活態度の中に、知らず知らず、いろいろなムダや非能率が生まれ増大してきた。
それがつもりつもって物価をジリジリと押しあげ、とうとう今日の実態を招来したのである。
お互いに考えるべきことを考えず、改善するべきことを改善してこなかった、
長年のたまりたまったツケがまわってきたのである。
だれが悪い、かれが悪いと責めあっているときではない。
そのツケはそれぞれの分に応じて払わなくてはならない。
その覚悟を真剣に持つことができるかどうか。
そこがきわめて大切な点だと思うのである。
※松下幸之助【一日一話】より