人は若い間の心がけのいかんにより、後にずいぶん差の生ずるものである。
もし若い時代に自己実力の養成に励まず、修養に努めなかったならば、必ず後年、後悔するときがくると思う。
しかるに若い人の間で、「この仕事は自分の性分に合わない、あの主任の下ではどうも働き甲斐がない」と、
不足をもらす人がある。これは自己中心の物の考え方の弊害であろう。
真に自己の適所を見出すまでには、いろいろな経験を積まなければならない。
また性格、意見の異なった指導者の下で自己を磨くことによってこそ、
かえってよりよく修養が得られるものであることを、深く知らなければならないと思う。
※松下幸之助【一日一話】より