一人の人間の力というものはどうしても限りがある。
その限りある力以上のことをしたり、させたりすれば往々にして失敗する。
力にあった適正な範囲で事を行うのが一番よいのであって、その事が力に余るようであれば、
それを分割して何人かの力によって行わせることが望ましい。
指導者としては、仕事を適切な大きさに分け、その分野については責任と権限を委譲して、
各人の力に応じた仕事を徹底してもらうことを考えなくてはならないと思う。
それぞれの責任範囲をはっきりさせることによって、仕事にムダがなくなり、
能率もあがるようになるのである。
※松下幸之助【一日一話】より