イマコト

ありのまま きままに 日々の中での あれこれ

権限の委譲

2012-03-25 01:13:52 | 一日一話(松下幸之助)

一人の人間の力というものはどうしても限りがある。
その限りある力以上のことをしたり、させたりすれば往々にして失敗する。

力にあった適正な範囲で事を行うのが一番よいのであって、その事が力に余るようであれば、
それを分割して何人かの力によって行わせることが望ましい。

指導者としては、仕事を適切な大きさに分け、その分野については責任と権限を委譲して、
各人の力に応じた仕事を徹底してもらうことを考えなくてはならないと思う。

それぞれの責任範囲をはっきりさせることによって、仕事にムダがなくなり、
能率もあがるようになるのである。

※松下幸之助【一日一話】より

 


協調性を持つ

2012-03-24 01:06:37 | 一日一話(松下幸之助)

みなさんが、それぞれの会社の社員である以上は、
多数の同僚と相接して仕事をしなければならないということになりますから、
人の立場を重んじない、いわゆる協調性の少ない人は困ると思うのです。

自分はこう思うが、あの人はああ思うのだな、それも一つの考え方だろうな、
というように人の言葉に耳を傾ける、というところに協調性が成り立つのです。

もちろん、自己というものを卑屈にして協調せよというのではありません。
けれども自己にとらわれた主張は協調性を欠きます。

この点は、どのような立場にいようと考えなければならない、
非常に大事な問題ではないかと思います。

※松下幸之助【一日一話】より

 


即断即行

2012-03-23 00:55:47 | 一日一話(松下幸之助)

昔から「兵は神速を貴ぶ」という言葉がある。
一瞬の勝機を的確につかむかどうかに勝敗の帰趨がかかっている場合がある。

そういうときにいたずらに躊躇逡巡していたのでは機会は永遠に去ってしまう。
だから大将たる者は、即断、即行ということがきわめて大事である。

これは何も戦にかぎらず、一国の運営、会社も同じである。
情勢は刻々にうつり変わっていく。

だから一日の遅れが一年の遅れを生むというような場合も少なくない。
もちろんきわめて慎重に時間を運ぶことが必要な場合もある。

しかし大事にあたって即断、即行できる見識と機敏な実行力は指導者に不可欠の要件だと言えよう。

※松下幸之助【一日一話】より

 


迷いと判断

2012-03-22 00:47:57 | 一日一話(松下幸之助)

私は極小の商売から今日までの間、たとえば”新しい仕事をすべきか否か”を決める場合、
全部自分一人で決断してきたかというと、決してそうではありません。

自分はやりたいと思うけれども、それだけの力があるかどうか自分で判断つかないというときも実際ありました。

そういうときにはどうしたかというと、第三者にすっかり打ち明けて、
「いまこういうことで迷っているんだ、君ならどう思うか」と尋ねました。

「それは松下君、あかんで」「きみの力やったらやれる」といろいろ言ってくれる。
迷ったときには、私は得心のいくまで他人の意見を聞いてみるということをやりながらだんだん大きくなってきたのです。

※松下幸之助【一日一話】より

 


春を楽しむ心

2012-03-21 00:40:52 | 一日一話(松下幸之助)

草木は芽を出し、蕾はほころびて伸び伸びと成長する春の季節、
春はまさに万物成長のときと言えるでしょう。

私たちもこんな春を迎えて、大いにこれを楽しみ、大いに成長していかなければならないと思います。
春を楽しむ心は、人生を楽しむ心に通じます。

長い人生には、ときには不愉快なこともあり、面白くないときもありますが、
春を楽しむようにそよ風のように、心もやわらいで、生き甲斐も感じられてきます。

そして野山の樹々が一年一年と年輪を加えていく如く、お互いの心も、
去年よりも今年、今年よりも来年と一年一年成長していくと思うのです。

※松下幸之助【一日一話】より

 


まず自分から

2012-03-20 00:32:25 | 一日一話(松下幸之助)

反省を求める者には反省を求める、また自分たちにおいて反省すべき点があれば、
大いに反省し協力体制をとってゆく。

そういうことを誰かが言い出し、誰かがやらねばならないのに、誰もが非常な安易感に浸ってしまって、
成りゆきまかせ、他人まかせになってしまっている。それが日本の現状でしょう。

これでは物事は好転していきません。きょう一日が過ぎれば、
あすはあすの風がふくだろうというようならば、事なかれ主義はいつか行き詰ります。

お互いに全体として考え直そうという行き方を、”誰か”ではなく、
まず自分が生み出さなくてはならないことを深く自覚すべきと思うのです。

※松下幸之助【一日一話】より

 


日本の資源は人

2012-03-19 00:25:10 | 一日一話(松下幸之助)

日本の資源は人そのものです。いま日本から人を五千万人も取ったら、日本はまいってしまいます。
人が多いのは資源の多い姿です。

しかも、普通の資源であったらじっとしていますが、人間は動きます。
一方で費やすという点もありますけれど、やはりそれ以上のものをつくり出すものを持っています。

われわれは、この人間が資源であるということをはっきりと認識することが大事だと思います。
また人間という無限の資源を持っているのだということをもっと教えなければいけないと思います。

もちろん人が多いというだけではダメで、その資源をよくすることが必要なのは言うまでもありません。

※松下幸之助【一日一話】より

 


年功序列と抜擢

2012-03-18 00:15:28 | 一日一話(松下幸之助)

それぞれ長短のある年功序列、抜擢をどのように行っていくかということは、
それぞれの企業の実態、情況により一概には言えないと思うが、私自身について言えば、
だいたい年功序列七十%、抜擢三十%というような感じでやってきた。

これが反対に年功序列三十%、抜擢七十%になると非常に面白いと思うのだが、
それはやはりまだ先のことで、今日の日本においては、年功序列を主体としつつ、
そこに適度に抜擢を加味していくことが無理のない姿だと思う。

しかし考えてみれば、抜擢の何十%かは賭けである。
だが、ときにはあえてその冒険をおかす勇気を持つことが、
企業発展の上で求められている時代であると思う。

※松下幸之助【一日一話】より

 

 


修養に場所を選ぶな

2012-03-17 00:05:15 | 一日一話(松下幸之助)

人は若い間の心がけのいかんにより、後にずいぶん差の生ずるものである。
もし若い時代に自己実力の養成に励まず、修養に努めなかったならば、必ず後年、後悔するときがくると思う。

しかるに若い人の間で、「この仕事は自分の性分に合わない、あの主任の下ではどうも働き甲斐がない」と、
不足をもらす人がある。これは自己中心の物の考え方の弊害であろう。

真に自己の適所を見出すまでには、いろいろな経験を積まなければならない。
また性格、意見の異なった指導者の下で自己を磨くことによってこそ、
かえってよりよく修養が得られるものであることを、深く知らなければならないと思う。

※松下幸之助【一日一話】より

 


六十%の可能性があれば

2012-03-16 00:56:15 | 一日一話(松下幸之助)

ある仕事をある人にしてもらう場合、その人が適任かどうかということはきわめて重要ですが、
実際には、それはなかなかわかりません。

それではどうするかということですが、この人だったらまあ六十%ぐらいはいけそうだなと思ったら、
もう適任者として決めてしまうのです。

八十点までの人を求めるということも不可能ではないでしょうが、
しかしそれには非常に時間と手数がかかります。

だから、これならまあ六十点ぐらいはあるなと思ったらもう、
「君大いにそれをやってくれ」というようにするわけです。するとたいていうまくいくのです。

全部が全部ではありませんが、中には百点満点ということもあります。

※松下幸之助【一日一話】より