■こならの森86号■1995.6発行
C・o・n・t・e・n・t・s
■こならの森7月号■
おぞねとしこのポエム…くちなし………3p
その他の情報…/猫バス……4p
知らんの5つの市/ディスク=…5p
海棠市子の映画評……………6p
書評・絵本紹介………………7p
創作童話第1回………8p
結婚しました…落合幸一さん&一江さん…95/5/7=9p
JC・JOURNAL………………
不思議ランド「赤見」12-18p
トピックス………サントリー=19p
インフォメーション94………20-25p
現代国語/カクテル………26p
杜 @皇が占う今月の運勢…………
協賛店マップ
新・こならの森から…………………30p
■■■■■■■■■■■
【本文抜粋記事】
特集
不思議ランド「赤見」
幻の滝?を追って
始まりは一つの、ハイキング案内だった。その地図には、なんと「佐野にも滝がある、」と書いてあった。かつてこならの森では、『〃安佐〃の滝を見にいく』という、企画を組んだことがあったが、安佐のうちの佐野市だけは、それから外れていた。無いと思っていたのだ。しかし、佐野市内に滝があっても不思議はない。三毳山にも、小さなクリーク(小川)があり、かつてはサワガニも生息していた。探せば、ちょっとした〃タキ〃があるところもあるのではないかと思っていたからだ。
あいにくの雨
何事も、初めのアプローチは、トキメキだらけである。
こならの森編集室ご一行様が訪れたときは、午前中はモツだろうといわれた天気予報にもれず、あいにくの雨模様。(雨でめげてしまった)連絡係の二名を出発点に残し、編集長と(将来?)有望な編集部員の2名による、ミニ探索が始まった。
先に示した、案内図によれば、その幻の滝までは、ほんのちょっと、(五分ぐらい)で到達できるものと思った。しかし、そんなにすぐに幻の滝、「佐野にも滝があった」の滝に出くわしてしまったら、何のことは無い。
やはり、思った通りの長い?(個人差があるが)山道を行くことになった。それでも、数十分の話だった。なんだか悪いのではないか。こんなに早く、幻の佐野の滝に巡り会ってしまって………。
そんな後ろめたさも何のその、帰り道では、来るんじゃ無かった。どこが、滝なんだよ~。と思う一念にさいなまれていた。念のため滝の上流らしきところまで、さらに川を上ってみたのだがそれらしきものは何も無かった。今になって冷静に考えてみれば、標高が300メートル前後のところに、落差数十メートル位の滝が存在するわけがない。何のためにここまで来たのだ………。しかし、弁護する訳ではけして無いが、今時は大変水量が少ない時期。その点を考慮願いたい………。
……本当に、回りの地形からして、最盛期に訪れたなら、きっと素晴らしい滝が出現するのではないかと、期待して今回はこの企画を一時終了します。その後、追加取材ができれば、きっと優美な景観の写真をお披露目できると思います。………
弁天様
以前から、赤見の弁天様は知っていたが上まで(見晴らし台?)登ったことは今までなかった。あまりに近くにあり過ぎたのかもしれない。 はじめて、階段を一歩一歩上ってみると、下から見上げたよりもかなりきつい道程だった。息が切れる。だが、そこからの眺望は、そのことをすぐに忘れさせてくれた。平日ということもあってか、辺りには誰もいない。しかし、この楼は、あきらかに明け方から来客者をじっと待っていた。
誰もいない空間なのにどこまでも人の気配を感じさせる。そして、外へ開かれた展望。まさに、ここは地上から遥か彼方の天空に突き出したバルコニー(縁台)のようであった。
ここから最上階へつづく階段があった。狭く急である。人間の体内に誘うような錯覚にさえ陥る。それは、ある種の考え抜かれた演出にも思えた。また、この楼の他に、この山地一体がまとまった一つの空間であるとさえ思える。そのための回廊(散歩道)も巡っている。誘われるままに、一周するかのごとき回廊を回ってみる。さらに先へ。そして、ほどなくして頂上まで。
しかし、ここには何も無い。ちょっとした鳥居と祠、休憩用の施設だけである。拍子抜けさせられたが、これも何らかの演出のひとつだろうか?
回廊を下りしばらく行くと、思わず息を飲む光景に。辺り一面が霧に包まれかと思う程の幻想。それが、弁天池の陽炎だと気づくまでには、かなりの距離下らなければならなかった。突如として現れる、この光景はまさに蜃気楼と言っていいかもしれない。
回廊は、弁天池の湧水の吹き出し口まで続いている。すべての源。しかしこの水はどこから
来ているのか。更なる疑問は続く。
展望台から見ても、地上から見ても本当に水の湧き出るところ、水の町というイメージがさらに膨らんでくる。この水源からの湧き水をたよりに、辺りの水田は田植えを待つ。
新・旧トンネル
越床峠には、新しいトンネル工事が進行中だが、ここにはもともと越床トンネルと呼ばれた古いトンネルがある(古くは越所隧道と言った)。
近くにある、足利市と田沼町を結ぶ須花坂トンネルは明治十三年の竣工。長さ117メートル、明治二十五年完成。
越所トンネルは明治十二年起工、明治二十八年完成。長さ195メートル。
同じ時期に、同じ地域でトンネル工事が始まったことには、ある種の「トンネルブームでもあったのであろうか」と興味を引かれる。当時のトンネル工事は思うように行かなかったらしく、測量の不備から貫通しなかったり、資金難で、立ち往生したりと困難を極めたらしい。
そればかりではなく、越所トンネルは、昭和十三年にトンネル中央部で多量の落石が起き、その後も危険性ありということで現在は使用されなくなっている。須花坂トンネルとは違ってほとんど忘れさられた存在だ。その辺が〃幻〃と言われている所以である。
少し前にに入ってみたことことがあったが、ブキミなしずけさの中に滴れ落ちる水の音だけがしていて、トンネルというより洞窟という感じだったことを覚えている。
「『幻のトンネルを発見」ってそれ、旧越所トンネルのことじゃだったんじゃないですか。』「そうかもしれないね。だけど、きっとここには別の秘密の入り口があるのさ、タイムトンネルのようなね………。」
C・o・n・t・e・n・t・s
■こならの森7月号■
おぞねとしこのポエム…くちなし………3p
その他の情報…/猫バス……4p
知らんの5つの市/ディスク=…5p
海棠市子の映画評……………6p
書評・絵本紹介………………7p
創作童話第1回………8p
結婚しました…落合幸一さん&一江さん…95/5/7=9p
JC・JOURNAL………………
不思議ランド「赤見」12-18p
トピックス………サントリー=19p
インフォメーション94………20-25p
現代国語/カクテル………26p
杜 @皇が占う今月の運勢…………
協賛店マップ
新・こならの森から…………………30p
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【本文抜粋記事】
特集
不思議ランド「赤見」
幻の滝?を追って
始まりは一つの、ハイキング案内だった。その地図には、なんと「佐野にも滝がある、」と書いてあった。かつてこならの森では、『〃安佐〃の滝を見にいく』という、企画を組んだことがあったが、安佐のうちの佐野市だけは、それから外れていた。無いと思っていたのだ。しかし、佐野市内に滝があっても不思議はない。三毳山にも、小さなクリーク(小川)があり、かつてはサワガニも生息していた。探せば、ちょっとした〃タキ〃があるところもあるのではないかと思っていたからだ。
あいにくの雨
何事も、初めのアプローチは、トキメキだらけである。
こならの森編集室ご一行様が訪れたときは、午前中はモツだろうといわれた天気予報にもれず、あいにくの雨模様。(雨でめげてしまった)連絡係の二名を出発点に残し、編集長と(将来?)有望な編集部員の2名による、ミニ探索が始まった。
先に示した、案内図によれば、その幻の滝までは、ほんのちょっと、(五分ぐらい)で到達できるものと思った。しかし、そんなにすぐに幻の滝、「佐野にも滝があった」の滝に出くわしてしまったら、何のことは無い。
やはり、思った通りの長い?(個人差があるが)山道を行くことになった。それでも、数十分の話だった。なんだか悪いのではないか。こんなに早く、幻の佐野の滝に巡り会ってしまって………。
そんな後ろめたさも何のその、帰り道では、来るんじゃ無かった。どこが、滝なんだよ~。と思う一念にさいなまれていた。念のため滝の上流らしきところまで、さらに川を上ってみたのだがそれらしきものは何も無かった。今になって冷静に考えてみれば、標高が300メートル前後のところに、落差数十メートル位の滝が存在するわけがない。何のためにここまで来たのだ………。しかし、弁護する訳ではけして無いが、今時は大変水量が少ない時期。その点を考慮願いたい………。
……本当に、回りの地形からして、最盛期に訪れたなら、きっと素晴らしい滝が出現するのではないかと、期待して今回はこの企画を一時終了します。その後、追加取材ができれば、きっと優美な景観の写真をお披露目できると思います。………
弁天様
以前から、赤見の弁天様は知っていたが上まで(見晴らし台?)登ったことは今までなかった。あまりに近くにあり過ぎたのかもしれない。 はじめて、階段を一歩一歩上ってみると、下から見上げたよりもかなりきつい道程だった。息が切れる。だが、そこからの眺望は、そのことをすぐに忘れさせてくれた。平日ということもあってか、辺りには誰もいない。しかし、この楼は、あきらかに明け方から来客者をじっと待っていた。
誰もいない空間なのにどこまでも人の気配を感じさせる。そして、外へ開かれた展望。まさに、ここは地上から遥か彼方の天空に突き出したバルコニー(縁台)のようであった。
ここから最上階へつづく階段があった。狭く急である。人間の体内に誘うような錯覚にさえ陥る。それは、ある種の考え抜かれた演出にも思えた。また、この楼の他に、この山地一体がまとまった一つの空間であるとさえ思える。そのための回廊(散歩道)も巡っている。誘われるままに、一周するかのごとき回廊を回ってみる。さらに先へ。そして、ほどなくして頂上まで。
しかし、ここには何も無い。ちょっとした鳥居と祠、休憩用の施設だけである。拍子抜けさせられたが、これも何らかの演出のひとつだろうか?
回廊を下りしばらく行くと、思わず息を飲む光景に。辺り一面が霧に包まれかと思う程の幻想。それが、弁天池の陽炎だと気づくまでには、かなりの距離下らなければならなかった。突如として現れる、この光景はまさに蜃気楼と言っていいかもしれない。
回廊は、弁天池の湧水の吹き出し口まで続いている。すべての源。しかしこの水はどこから
来ているのか。更なる疑問は続く。
展望台から見ても、地上から見ても本当に水の湧き出るところ、水の町というイメージがさらに膨らんでくる。この水源からの湧き水をたよりに、辺りの水田は田植えを待つ。
新・旧トンネル
越床峠には、新しいトンネル工事が進行中だが、ここにはもともと越床トンネルと呼ばれた古いトンネルがある(古くは越所隧道と言った)。
近くにある、足利市と田沼町を結ぶ須花坂トンネルは明治十三年の竣工。長さ117メートル、明治二十五年完成。
越所トンネルは明治十二年起工、明治二十八年完成。長さ195メートル。
同じ時期に、同じ地域でトンネル工事が始まったことには、ある種の「トンネルブームでもあったのであろうか」と興味を引かれる。当時のトンネル工事は思うように行かなかったらしく、測量の不備から貫通しなかったり、資金難で、立ち往生したりと困難を極めたらしい。
そればかりではなく、越所トンネルは、昭和十三年にトンネル中央部で多量の落石が起き、その後も危険性ありということで現在は使用されなくなっている。須花坂トンネルとは違ってほとんど忘れさられた存在だ。その辺が〃幻〃と言われている所以である。
少し前にに入ってみたことことがあったが、ブキミなしずけさの中に滴れ落ちる水の音だけがしていて、トンネルというより洞窟という感じだったことを覚えている。
「『幻のトンネルを発見」ってそれ、旧越所トンネルのことじゃだったんじゃないですか。』「そうかもしれないね。だけど、きっとここには別の秘密の入り口があるのさ、タイムトンネルのようなね………。」
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