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東武佐野線沿線CITY-GUIDE 〔カテゴリーからお入り下さい〕

こならの森 94号

2008-04-21 | 創刊~100号
       ■こならの森94号■1996.2発行
表紙 田中重光さん 冬

C・o・n・t・e・n・t・s

■こならの森3月号■

おぞねとしこのポエム…みつばち………3p
その他の情報…/猫バス18……4p
知らんの5つの市/福山=…5p
創作童話 4回………6p
結婚…鈴木宏規さん&朋美さん…96/1/21
JC・JOURNAL………8-9p
夢の架け橋………10-18p
野良犬先生………19p
インフォメーション95………20-23p
海棠市子の映画評……………24
書評・絵本紹介………………24
現代国語………26
占う………27p
協賛店マップ………28-29p
新・こならの森から…………………30p

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【本文抜粋記事】

インタビュー

橋上駅構想

PROFILE:
佐野商工会議所青年部 副会長
(株)ウインズワールド代表取締役
根 本 佳 英さん
 昭和24年栃木市生まれ。4才より佐野市へ移住。仕事柄海外渡航が多いが、印象に残っている場所は、スペインとか。日本に似ている所があるそうだ。旅行以外には、ルアーフィッシングや渓流釣りが好きという。

●今回の橋上駅構想の発端は?
 商工会議所に青年部が出来上がったときから、わりと自由な発想をしていた。その中に城山の利用があり、その研究と対策に取り組もうということになった。そこで出て来たのが、城山公園が何とか活用できないか、ということです。そこに跨線橋を作るといくらかかるのか、などいろいろな考えが膨らんだ。
 以前から城山公園の利用は少ない。それに両毛線の中の市政をしいている町で、両側に改札がないのは佐野だけなんですね。足利も出来ました。『やはり佐野は両毛の谷間なんだ。』という話になるんですよ。それではとりあえず、渡線橋だけでもつくろう。これは俗に言う歩道橋と同じシステムになりますから、ただ線路をまたいで作ればいい。どこかに、橋げただけを降ろさせていただければすむわけで、さほど規制にも引っかからないし大丈夫だろう。一億円ぐらいで出来るのではないか。一億ぐらいだったらもしかして市の財政を頼りにしてもそれほど迷惑をかけずに、あるいは我々の力で、寄付を仰いでという形で出来てしまうだろう。
 ということで取り掛かったんです。当時は、長竹さんという駅長さんだったのですが、こんな話があるんだと言いましたら、それだったならば橋の上に駅舎を乗せてみたら、という話になったんです。俗に言う橋上駅。初めてそういう名前がある事を知ったんです。
 単なる渡線橋はあちこちにありますが、そういった駅もたくさんある。駅舎とは別に単に渡るだけのもの。学生さんなどは向こう側に駐輪場があり、渡線橋を渡って駅舎に入っていくんですね。
 わりと埼玉県に多いんです。信越線とか上越線とか、東武線の駅などにも多い。改札が下になく、上に駅舎が乗っていてそこに改札がある。この近辺では、久喜駅がそうです。それを作ろう、そのほうが効率的にいいだろう。
 今の駅舎は明治21年に出来ました。もう、立て替えの時期に来ている。
●JRからも補助が出るのですか。
 基本的には市の財政を仰ぐしかないでしょうね。民間がそれにどのくらい後押しが出来るかということです。
 JR時代の慣習がそのまま引き継がれていまして、各自治体がやってください。それで駅舎については所有権の移転ということで処理する。今までは、市の持ち物だったのを、日本国有鉄道という官庁から官庁へという形で移転したので非常に簡単だったんです。運輸省へ所有権の移転をする訳ですね。
 そういった、お金かけたものを、所有権の移転という形でやる訳ですから、地方自治体の方は非常な負担になる訳です。自分の資産として残らないですからね。JRが株式会社になってもそのスタンスは変わらないんですね。それから、駅舎の善し悪しでJRの収入が増える訳ではないんですね。駅舎がきれいになったからみんなで、電車に乗ろうという訳ではない。
●そこがデパートとは違うところですね。
 今までに、いろいろな駅を見させていただきましたが、その中に自由通路部分というのがある。通るのは自由で、電車に乗る人は改札口へ行く。この自由通路部分は市の管理、所有物で、駅舎の部分だけJRの方に移転するというやり方が多いみたいですね。
 発想自体はわりと柔軟に考えられる話です。例えば、熊谷駅は市の管理の中にデパートを持っているんです。さらに、駐車場から直接駅舎に入れるようになっている。かなり大きい駐車場です。もちろん駐輪場などもしっかり持っていますので、すばらしい駅になっている訳です。篭原駅についても橋上駅になっている。そして自由通路が長い、普通の駅の倍くらいありますね。本庄駅などは市の管理で多目的ホールを持っている。広い空間を持っている。そこで、いろいろな催事をする訳なんです。駅に来ながらコンサートも聞けるし、絵画も見られるという状況になる訳ですね。市民が自由に使えますし、インフォメーションコーナーなどは、恐らくボランティアの方だと思うのですが、本庄で降りた方で、どこかおもしろい所を探している、という人がいたら案内してあげる。そうした自由な発想をしています。 これには割りと夢がありましてね、例えば新幹線の湯沢駅、上諏訪駅は、なんと温泉を持っているのです。わたらせ溪谷鉄道などは、完全なヘルスセンターです。サウナ付きのお風呂があって、露天風呂が二つもある。入浴料は500円でしたけれどもね………。お風呂に入ってちょっと行くともうホームに出てしまう訳です。
 佐野でもいろいろな発想が出来ることは間違いありません。もう一つの物産会館を併設することも出来れば、多目的ホールを作ることも可能ですし、城山の利用もすばらしいものになって来ますね。これは、手前みそ
になりますけれども、困る人はほとんどいないと思います。
●具体的な構想は。
 その辺のところで動き方も変わって来ます。市の方でも私たちと同じで自由通路を考えていたらしいんですね。
 どうせ造るならいいものを造ってほしい。おそらく旧渡線橋はそのまま利用して、新しい駅舎
を造る。自由通路の出口は城山の一段山と城東のテニスコート
にぶつかるのではないか、一番お金のかかる方法にはなります。 いろいろな問題が出てくると思います。北側の道が狭すぎる。新駅舎が造られれば駅前広場がほしい。南側は今の10倍くらいの広場ができることに決まりましたが、反対側にも広場の整備をやらなければいけない。空間を作らなければいけない。
●そのメリットは。
 一番のメリットは佐野の市民
として誇れる駅ができる。駅に行くのがうれしい。近所のお年寄りがどこぞかに集まるのではなくて、駅に集まる。駅に集まって世間話をする。集える駅。夢のようですが、そんな駅が出来上がったらすばらしい。それが最大のメリットではないでしょうか。
 佐野の駅は小さな駅で寂しい、この町でこれから過ごさなければいけないのか。最初に降りて駅舎を振り返って見たら涙が出た、という人も多いんですね。これから10万都市を目指すというのに………。
 商工会議所の3階から回りを見回しても高い建物は数えるほどです。また休みの日にどこかへ出掛けようと思っても、何もやっていませんものね。文化会館でもそうですよ、たまにいい出し物でもあるのならいいんですがやっぱりパッとしませんね。見たいなと思うようなものがなかなかない。
 だんだんに、こんなことをやりながら佐野の町もよくなって行けばいいと思います。
●完成はいつ頃になるのでしょうか。
 平成9年度に着工、建設に約1年ということですから、平成10年までにはできるのではないでしょうか。
 土地区画事業で道がどんと抜
けた最終点に駅舎ができますので、実に目立ついい駅になると思います。それともう一つは現駅舎なんです。壊すことが決まってしまった訳なんですが、愛着があるんですよね。
 夜などに行ってみるとあの駅は、いかにも田舎の駅で寂しさがあり哀調をおびていていいんです。何か別の形で何とか残せないかなという感じもあります。 駅舎というのは外壁などに使っているものは、スレートなどで余りたいしたものは使っていないんです。たださすがに何百トンという列車が走りますから、基礎とか建物の構造体は頑丈にできています。どこの駅舎もそうですが、並の振動ではありませんので、そういう点では、しっかりした建物ですから、引きずって引きずれない事はない。今そんな事を言うと裏腹の事をいうことになってしまいますが………、ちょっと惜しいという気がない訳でもないですね。
●一つぐらいシンボルになるものを残すということは、いいことかも知れませんね。栃木駅なども歴史的な建物ですね。
 栃木駅はなんと高架事業が決まりましたので、桐生駅と同じに高い駅になる。
●佐野もそんな話がありました。
 佐野駅と違いまして、栃木駅はちょうど南側がたんぼになっているんですよ。ですからそういう事業がやりやすいんですね。線路を迂回させておいて、交換してから線路をもう一度乗せ上げるという事が可能なんですよ。佐野はそれができない。やるとなると事業費が650億位かかると言われています。周辺の踏切から全部高架にして行くんですからね。
 それで佐野駅が頂上になってビルの5階くらいになりますか。桐生駅を思い出していただければ、そうとう高いと思いますよ。あれも曲がりながら列車が上って行きますよね。佐野ではとてもできません。もしやるなら、今の駅舎をやめてしまって、富岡なり伊勢山まで持って行ってそこでやる。駅はあっちなんだと、そういうくらいにしかならない。これにはものすごい反対が出るでしょう。
●かなりいろいろな駅を見て来たようですね。
 そうですね。駅長さんや助役さんにお会いできたところもあれば、そうでなかったところもありました。
●橋上駅の費用はどのくらいなのですか。
 はっきりしたことは分かりま
せん。設計図ができている訳ではないんです。見積に掛かった訳ではないが、議会の方へご報告ということで話しているのは、まず10億以上かかる。おそらく15億以内だと思います。
●内容やデザイン等これからも提案して行くと言うことですか。
 もちろんです。おそらく委員会ができると思います。そこに青年部からもスタッフを出したいと思っています。私共ではなくて、デザイン関係の事業を行っている人に出てもらおうかと考えています。
 何人かいますので、そうすれば発言の迫力も違って来ます。 大事なお客様を佐野駅にお迎えに伺うことだってあるんです。寂しいですよね。それが立派な駅になれば、ああ佐野駅は立派な駅なんですね、と言われる。
●完成後は、お祭りなどの行事も変わっていくでしょうね。
 春にはさくらまつりをやっていますが、あれも盛大になるだろう。それから秀郷まつりのメイン会場の一つになるのではないだろうか。何か他でやっていたものを持って行くことは可能ですね。
●ロックコンサートとか盆踊りなどですね。

 第二会場として機能すると思いますね。交通止めをする必要もないし、子どもたちも自由に遊べる。

●新駅舎と言っても通り一遍の駅ではなく、暖かみのある、佐野らしい駅だなと言われるといいと思います。

 佐野のキャッチフレーズは『水と緑と万葉の町』ですが、万葉の町と言ってもピンと来ない。それから緑と言ってもね、ただ水は良いと思っています。ですから水をふんだんに使った駅などはおもしろいと思います。 まさか屋根をラーメンで葺く訳にも行きません。いくらラーメンの町だからと言っても…。でもそういう発想がない訳ではないんです。ラーメンの屋台村とか、ただ個人的な利益に片寄る。本当はそれくらい思い切ったものを造った方がおもしろいんです。駅舎にお風呂だってできてしまうのですからね。そういう意味で、やろうと思えば何でもできる。それこそ日本中から注目される『佐野』になりますよ。
 若い人たちが駅の多目的ホールでロックコンサートを開く、それだっていいじゃないですか。
●町おこし、町づくりといってもいつも若者の声が聞こえない。
 最近はそうしたことが何かと話題になりますが、若者が騒ぐということが大切だと思っています。
 最初に動き出すのは、若い人たちです。この町だって、夜などは寂しくなってしまうが、これから若い人が頑張っていろいろなことをやっていけば、いい町になる。何もできないと思っていては、本当に何もできないですからね。
●今日は、どうもありがとうございました。



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