コーマーのコンシャス的ライフ

意識することによって、見えなかったものが見えてくることがあります。

雑草からのメッセージ

2009年04月06日 17時38分01秒 | 
4月になり花見も見終わって、春本番というところですが。
たまたまウチにあった本『ラジオ深夜便』のある記事に目が留まりました。
「雑草からのメッセージ」という片野学さんのインタビュー記事でした。
興味深い内容をまとめますと

・ある年、岩手県がひどい冷害に見舞われて、農家がイネが実らない「青立ち」やイモチ病被害が深刻で作況指数が60!というなか、ある自然農法実践農家(無農薬、無化学肥料、有機質肥料も入れない)はほぼ平年並みにイネが育ち、イモチ病の被害もほとんどなかった。

・土が弱っている土地は葉の形がとがっていて、地中深くまで根を張る草が生えてくる。この草達が、硬い土を砕いて柔らかくするという働きをする。その代表がスギナで酸性土壌を好む植物でもあり、その葉や根に一種のカルシウムを作り出して、スギナが枯れるとそのカルシウムで酸性の土を中和する。

・土が柔らかくなると、土を砕く必要がないので、ハコベラのような広葉の草が生えてくる。これらの草は根の量も少なくて、土の中に深く入ってこない。このような植物が生えている土はかなり状態が良くなった土である。

・「生きている土」とは軟らかく、あったかく、適度の湿り気を持った土である。
自然農法の田んぼを温度計で計ると、慣行栽培の田んぼに比べて1~3度高い。自然農法の田や畑は周辺の田畑より早く雪が解ける。

・食味の比較
田んぼを9つに分け、条件を異なるように実験。
1区はイネの切り株(稲株)だけ。
2区は硫安、過リン酸石灰、塩化カリを混合した化学肥料を与え。
3区は稲かぶ、稲わらだけ。
4区は稲わら、2区と同じ化学肥料。
5区には米ぬか、油かす、魚かすなどを土着菌で発酵させた「ボカシ」をいれた肥料。
6区は5区のボカシをEM菌で発酵させたもの。
7区2区と同じ化学肥料を入れる回数を多くしている。
8区牛糞堆肥。
9区は牛糞堆肥と化学肥料。
このなかで最高品質の米が採れるのは、1区と3区。
お米はタンパク含量が低いものほどおいしいとされ、この2つの区で育ったお米が最もタンパク含量が少なかった。

・土が肥料によって肥過ぎていると、取れども取れども雑草が生えてくる。これは肥満になった土をシェイプアップするという働きである。

・土が弱り過ぎていると、生えてくる草の種類は極めて少ない。

・自然農法の田んぼでは雑草は拾う程度で、生態系の土壌断面と同じ状態になっている。雑草が少ないだけではなく、イネの出来がものすごくいい。〝出来のいい〟イネとは美しい姿をしていて、葉っぱの色、登熟期(モミが膨らんでくる時期)の姿、黄金色に熟した穂の色がずばぬけて美しい。


以上、雑草を敵としない自然農法のことが取り上げられていましたが、自然というのは人間がおもう以上に理に適っていると。
このような自然の力を活かしたものが、農業に生かされていけばいいですよね。


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