日時 : 2010年8月14日(土)
場所 : 埼玉県日高市 (最寄駅:狭山市)
参加者:コーマーさん、もとこさん、あカズキんさん、りぼんさん、ながさん、ひろこさん、ちひろさん、てつやさん、ひろみさん、まりさん、なおさん、ゆみこさん、すずなさん、はちべえ(記録) 全14名
1.前置き
久しぶりに参加させていただきました。何人かの顔見知りの人には、「あれ、今日来るんだったの?」といわれてしまいましたが、そもそも参加表明したのが、前日の夕方だったので、当然ですね。
数ヶ月にわたって続いた里山長屋作りの土壁ワークショップ※1や土日に仕事が入ることが多く、こちらにはしばらく参加できなかったこともあって、今日参加して観察したことは何らかの形で記録にとどめておきたいと思っていました。実際の農作業に入ってしまうと、なかなかゆっくりも観察できないので、少し早めに現地にいこうと心に決めていました。
智光山公園ゆきのバスに乗り終点から20分ほど歩く途中、智光山公園のコナラの若いドングリで待ち構えるハラビロカマキリの亜成体を見つけたりしてそれなりに楽しみましたが、沿道に車からのポイ捨てごみの多さにはちょっとうんざりしましたけど。
2.除草作業前に観察した畑の生き物たち
畑に着くとそこはミニジャングル化していた感じでした。作物、雑草、昆虫などの写真を撮影したり(去年に引き続き猛烈に繁茂していたのがメヒシバで、なんとかその合間に里芋と枝豆が確認できた状況です(メヒシバの中に何とか生育している里芋と枝豆)。
ただ、幸いにしてメヒシバは一部を除き開花前で結実していなかったので、来シーズンのことも考えた除草には今のうちがチャンスです。メヒシバは1年草なので種子が熟した後に刈り取っても翌シーズンにはすでにこぼれ落ちてしまった無数の種子がまた発芽してしまうからです。確か去年草刈した9/12は、数多くのメヒシバが結実した後に刈り取ったので(
こちら参照)、今年このようにメヒシバに覆われてしまったと考えられます。でも今年はタイミングよい草刈によって、来年の今頃は少なくともメヒシバに覆われてしまうことはないでしょう。代わって別の雑草に覆われる可能性も大いにありますが・・・
<畑の雑草や昆虫たち>
マリーゴールド(トマトやジャガイモ、マメ科などの生育を助ける)の花の蜜を吸うヒメアカタテハ。幼虫の食草はヨモギやハハコグサ等キク科植物のため、幼虫はマリーゴールドも食害するかも?
トマトの害虫※2オオニジュウヤホシテントウ。ナス科植物を食べるため、ジャガイモやピーマンも食害します。近縁種のニジュウヤホシテントウの例ですが、トマトよりも同じナス科で雑草のイヌホオズキの方が好きなので、近くにわざとイヌホオズキを植えるとトマトの被害が減るという話もあるようですね。
オスより一回り以上大きいショウリョウバッタのメス。主にイネ科植物の葉を食べるので、とりあえず畑では害虫ではない(トウモロコシとかなかったですよね)。
畑近くに生えるヤブガラシの花を食べるマメコガネ。幼虫は植物の根を食べ、成虫は様々な植物の花や葉を食するので、畑ではあまり歓迎されていません。日本在来種なのですがアメリカでは農産物に被害をもたらす帰化昆虫として嫌がられているそうな。
アメリカセンダングサの葉に止まるイチモンジセセリ。幼虫はイネ科、カヤツリグサ科植物を食べるので、水田では害虫扱い。
秋になると大量の「引っ付き虫」の種がつくコセンダングサ(アメリカセンダングサも同じ)。これも繁殖力が大きい厄介な雑草。開花前の今が除草チャンス。
最も幅をきかせていたのがメヒシバで、こちらはちょっと早めに穂が出ていた株。時には穂がグニャグニャ曲がるこんな奇形もみられました。これを除草剤の影響を疑う人もいますが実際にはよくわかりません。この畑は一切の農薬を使っていないはずですが。
一般な畑には代表的な1年草のシロザ。若葉はゆでて食用、生葉の搾り汁は毒虫に刺されたときに効くといいます。
色々な花に集まり、花粉や蜜を食べるコアオハナムグリ。
雑草ですが、雑穀のアマランサスの仲間のアオゲイトウ。
クルマバッタモドキ。イネ科の植物の葉を食べます。
田んぼにもたくさんいたコバネイナゴで、イネ科植物を食べるので田んぼでは害虫ですが、佃煮として食用(重要なタンパク源)にもされてきました。
ホソヘリカメムシ?だとすれば、枝豆の汁を吸ってしまう。
1年草のコゴメガヤツリ。茎は3稜形(3角柱)になっています。
1年草のエノキグサ。葉の付け根に見られる小さなむしろの中にある小さな玉が雌花。ここに実がなります。
以上は参加者の皆様がこられる前の観察事項です。
3.田んぼでの作業と生き物たち
畑の生き物観察が終わった段階で、拠点のハウスへ。初めてお会いする人が全体の2/3くらいだったと思います。牧師さんとか、学生さんとか、オリジナルメンバー以外、久しぶりに参加させていただいたため、相当若返った印象でした。一通り自己紹介と近況報告、今回の作業の説明が済むと、まずは水田へ。
この日は夏休み最後の除草作業。慣行農法の田んぼとは違い、イネの生育を極度に阻害しない限り、根こそぎ抜いてしまうようなことをしなくてもいいので、思い思いの方法で草刈りを行いました。鎌で丁寧に刈る人、ただ踏みつけるだけの人。
僕はデジカメで生き物写真をたくさん撮りながらだったので、ひたすらイネと稲の間に茂っていた雑草をひたすら踏み続けていました。
ところで、一般的な慣行農法の田んぼ(写真左)とアルファの田んぼ(写真右)の違いは写真を見れば歴然。慣行農法の田んぼではイネ以外ほとんど植物が生えていませんが、アルファの田んぼは雑草の中からイネが伸びている感じですね。
では実際にどんな生き物がいるか見てみましょう。
最もたくさん見られたのがこちらのミゾソバ。食べるソバの仲間(タデ科)で、若葉をゆでて食べたりできるほか、葉をもんで止血剤になるそうです。
何人かの方には味わっていただきましたが、こちらはヤナギタデ。「蓼食う虫も好き好き」というあの蓼です。刺身と一緒についてくる赤い小さな双葉がこのタデの新芽で、刺身の毒消しの効果があるそうです。
線香花火をひっくり返したような穂のつく植物、これはチゴザサです。葉がササの葉に似ていて小さいためです(残念ながらチゴザサの葉はほとんど写っていません)。同じイネ科ではありますが、ササの仲間とはだいぶ異なります。なお、周辺に見える矢じり型の葉はミゾソバやヤナギタデと同じタデ科のアキノウナギツカミという種類です。
畑にもいたコバネイナゴです。稲の葉を食べてしまいます。
ただ、イナゴよりもスズメの被害のほうがはるかに大きいと思いました。100mほど離れた別の方の田んぼでは、既にイネが実りはじめていたにもかかわらず、スズメよけのテープ張りを行っていなかったので、100羽近くが入れ替わり立ち代り若い稲穂をついばんでいました。
タマガヤツリという湿地性の種類です。畑にあったコゴメガヤツリと同じカヤツリグサの仲間なので、葉が3角柱です。
春の七草の筆頭、セリの花。来年の田植え前には多少セリ摘みができるかもしれません。
アオウキクサ。水田の水面のいたるところにあります。
畑にもあったコゴメガヤツリ。適応範囲が広い雑草。
タイヌビエ。イネとそっくりで水田でイネにカモフラージュすることで、ここまで増えることができました。しかし茎と葉の分岐部をみると、間違いなく識別できます。
アメリカアゼナ。水田の代表的な在来種の雑草のアゼナによく似た帰化植物。最近除草剤の効かない系統のものが見られ始めたようです。
ジュズダマはハトムギの原種であるため、食べようと思えば種子を砕いて粉にすれば食べられるほか、リウマチ、神経痛、肩こりなどに効く薬草にもなるそうです。
畑に多くあったコセンダングサに近縁のアメリカセンダングサは、水田に多いようです。
カエルの仲間はトウキョウダルマガエル、アマガエルが、
トンボの仲間はアオモンイトトンボ(アジアイトトンボかも)の♀(写真左)と♂(写真右)、
ほかにもハグロトンボ、
ショウジョウトンボ(真っ赤な胴体のやつ)、シオカラトンボなどいろんなトンボがいました。
水田の収穫とは直接関係ありませんが、いろんなカエルやトンボを見ると、なんか得した気分になります。
イネ以外の植物を踏んだり、刈ったりして勢いを弱めることができたら、香りの高いハーブティーをいただきながら一服。
この後は畑の除草作業です。
4.田んぼから畑へ(ヤマカガシと除草剤)
畑に向かう途中、道路側溝にヤマカガシを見つけました。毒ヘビですが、毒腺がかなり奥のほうにあるので、滅多に被害に会うことはありません。道路の側溝にはまってしまい、なかなか抜け出せないでいたのが、ちょっとかわいそうでした。
集合場所、畑、自然農の田んぼを結ぶ通り道沿いには、普通の農地が広がっており、アルファの農地とは違った雑草との戦いの後が見受けられました。特に畑脇では様々な雑草の枯れた姿がありました。
最も多くの植物が茂るはずの真夏のこの時期に草が枯れている・・・これはほとんど除草剤を散布した結果といって間違いないでしょう。でもよくみると、中には青々とした、枯れていない草があります。そのひとつはこのスギナです。
スギナは除草剤に強いことで有名で、ある除草剤の場合、これを枯らすために通常の雑草の数倍の濃度が必要だそうです。あと、除草剤で枯れたと思われる雑草の中にぽつんとニラが元気に育っているのも見られました。少し調べてみたら、ニラが属するユリ科のネギ属の植物(アサツキ、ラッキョウ、ネギ、タマネギ、シャロット、ニンニク、ワケギ等)は除草剤耐性が高いということでした。除草剤といっても様々な種類があり、一概に危険とかいうことはできないと思いますし、人手不足、高齢化が進む農家の方々にとって大きな手助けとなっている面は見逃せません。私たちも直接、間接的にその「恩恵」を受けていると思います。ただ、本来求めていくべき理想的な食生活や生き物との関係を考えたとき、目的とする作物以外のほとんどを枯らしてしまうことは、やはり自然の仕組みから大きく逸脱する行為だと思います。アルファ農園に参加される方々は、そうした問題意識を持った方々なんでしょうね。
5.畑で
冒頭に書いたとおり、畑はメヒシバに覆われておりましたが、大人14人もの人数で除草作業を行ったので、大分はかどったのではないでしょうか?
それほど広くない面積の畑は見る見る除草が終わっていき、メヒシバに覆われたサトイモやサツマイモなどがくっきりと姿を見せるようになりました。
<注釈>
1ご興味のある方は
こちらご参照ください。連結した4件の長屋に暮らす予定の僕とは別のメンバーが書いています
2上記文章で便宜上害虫という呼び方もしましたが、害虫を食べる益虫にとってはなくてはならないもの。自然農では、害虫だからといって撲滅したりするようなことはしません。
ここまでお付き合いいたきありがとうございました。雑草や小動物の話題ばかりで退屈に感じた方、申し訳ありません。ただの生き物オタクなもんですから。
次回の作業は9/11(土) 、田んぼはスズメよけのテープ張りを行います。
(はちべえ)