次の文章を読んで後の問いに答えなさい。
自家用ジェット機で世界中を行き来し、世界中に家があり、世界中にビジネスネットワークがあるので「自分の祖国が地上から消えても、自分の祖国の言語や宗教や食文化や生活習慣が失われても、私は別に困らない」と言い切れる人間たちが「最強」に格付けされるということなのです。
もちろんそんな非人間的なまでにタフな人間は現実にはまず存在しません。でも、それが「高速機動性人格」の無限消失点であり、グローバル社会における格付けの原基であることに変わりはありません。 あるグローバル企業の経営者が望ましい「グローバル人材」の条件として「英語が話せて、外国人とタフなビジネスネゴシエーションができて、外国の生活習慣にすぐ慣れて、辞令一本で翌日海外に飛べる人間」という定義を下したことがありました。まことに簡にして要を得た定義だと思います。これは言い換えると、その人がいなくなると困る人がまわりに1人もいない人間ということです。
「グローバル人材」であるためには、その人を頼りにしている親族を持ってはならないし、その人を欠かすことのできないメンバーに含んでいる共同体や 組織に属してもならない。つまり、その人が明日いなくなっても誰も困らないような人間になるべく自己陶冶の努力をしたものが、グローバル企業の歓迎する「グローバル人材」たりうるわけです。
問 「ローカルな人材」な人材とはどのような人間か。
【解答例】
親族に頼られたり、欠かすことのできない存在として共同体や組織に属したりする上に祖国の文化、生活習慣、母語を重視するために機動性が低い人間。
※基本的に「グローバル人材」の条件として「英語が話せて、外国人とタフなビジネスネゴシエーションができて、外国の生活習慣にすぐ慣れて、辞令一本で翌日海外に飛べる人間」という定義があり、その反対の内容になる。
※「英語」は「グローバル人材」の条件なので「母語・国語・言語」系統の表現・単語もほしいところ。
※「機動性の低い人間」がなんいやだという人は「特定の場所に住んでいる人間」のような内容ならいいよ。