ルイス・キャロルに興味を持ってみた。
ぼくについてる妖精が
眠っちゃいけないって言うんです
あるとき怪我して叫んだら
「泣いたりしてはいけません」
つい楽しくてニヤリとすれば
笑っちゃいけないって言うんです
あるときジンが飲みたくなると
「ものを飲んではいけません」
あるときご飯が食べたくなると
「ものを食べてはいけません」
勇んでいく打に馳せ参じたら
「喧嘩をしてはいけません」
悩み疲れてぼくは訊く
「していいこと なにかあるの?」
妖精しずかに答えていわく
「質問してはいけません」
キャロルの世界は数学のガラクタのようだ。
秩序だって当然の数学の居城をめちゃくちゃにしてしまう。
世間の嘘の牙城をばらばらにしてしまいたいという、欲求があるのだろう。
いつはりの数式を解く春弥生走る兎の時計もくるふ 揺之