ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

狐のわざ

2018-06-22 03:20:18 | 資料

今日は島崎藤村をあげてみる。


狐のわざ

庭にかくるる小狐の
人なきときに夜いでて
秋の葡萄の樹の影に
しのびてぬすむつゆのふさ

恋は狐にあらねども
君は葡萄にあらねども
人しれずこそ忍びいで
君をぬすめる吾心


ういういしい恋の思いが伝わってくる。

つゆのふさ、という五は艶をおびてみずみずしい。

若年の心におよびいでぬ妄想を呼びそうだ。


はつこひのあはくみだれし夢をとき君をとはむといでし朝かな    揺之






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