野にありて高き月夜を見上げつつとほきに去りし人をぞ思ふ 揺之
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月光る空の真下に身をおきて清きもの知る人のうれしさ
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日を浴びてひとり野をゆく君の背にたれにもいはぬ悲しみを見る
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過ぎゆきてかへりみもせずみちのべにけふさく花をうしなひにけり
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悲しみの石をまろめてかひのごと玉とせむとて胸に秘めにき
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闇夜には心の星を目印として進みゆく人生の道
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夏葛の絶えぬ涙のもとたぐり胸にせつなき君への思ひ
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高空を飛ぶ鳥のごととほきゆく君の背をおふわが心かな
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