休日は風を切って

休日は自転車に乗って風を切って、そんな生活をずっと続けていけたらと思っています・・・

痛い一日 (宮城県センチュリーライド)

2009年06月08日 | イベント
(2009.6.7 宮城県センチュリーライド、雨の原町会場)

いよいよ今日はセンチュリーライド参加の日です。



午前4時29分、安達太良には低く垂れ込めた雲がかかっています。天気予報は曇りのち晴れ。でも万が一ということもありますから、カッパだけは持っていくことにしました。



午前4時46分、人っ子一人いない三春町内を抜け・・・



船引町内に入るころには雨。でも会場となる浜通はまさか雨ではないでしょうし、万が一降っていたとしてもスタートするまでには、きっと止んでしまっていることでしょう。なにしろ天気予報は『曇りのち晴れ』なんですから。



午前5時3分、常葉町。雲に明かりが差してきました。このまま雨は上がってしまうのでしょうか。



日本の“ヘソ”(日本標準時電波信号の送信所がある)田村市都路町を通過。以前として弱い雨が降り続いています。



午前5時55分、双葉町の通称“せんだん通り”を通過。『栴檀は双葉より芳し』のことわざにあやかってセンダンが双葉町のシンボルになっているのでしょうね。



センダンは今ちょうど花盛り。センダンの花はアップで見るととても綺麗なんです。以前“TOSSYさん”の“花日記「今日の花」(センダン)”で鈴なりの実や花を見たことがあります。と、ここまでは至って順調だったのです。

“せんだん通り”の先にはJR双葉駅があります。双葉駅はとても綺麗な駅舎なんです。そこでトイレ休憩をしていくことにしました。駅前に車を停め、階段を二三段トントンと上がると駅舎とトイレの間に全面タイル貼りの綺麗なアプローチがあります。
「トイレ、トイレと・・・ああ、あった」
トイレに向かって歩き出した途端、雨に濡れたタイルはツルツルでスケートリンクみたいになっていました。おそらく履いてきたサンダルと相性が悪いのでしょう。気をつけてツルツル進みました。もうあと2~3メートルでトイレの入り口というところでまで来たとき、『ツルッ!』

それはものの見事に転倒しました。咄嗟に手はついたようなのですが『バキンッ!』(といった様な気がした)という音を立てて頭をしたたか打ち付けてしまいました。脳震盪は起こしませんでしたが、鼻腔の奥で“キナ臭い”ような感じがしました。これはただ事でない感じがしました。頭蓋骨が陥没してはいないか、おそるおそる手を当ててみました。なんだかよく分かりませんが、手にはベットリと血が付いてきました。

いったい額はどんななのか、トイレのカガミで見てみようと、再びトイレに向かって歩きだそうとしたのですが、ツルツルのタイルでまた転びそうになりました。仕方がないので、慎重に乗用車へ戻りました。バックミラーを覗いて傷を確認しました。大きなたんこぶに血が付いていて良く分からないので、自転車のバッグから救急セットを出し、アルコールガーゼでそっと拭いてみました。

でっかい“たんこぶ”には擦り傷、その上下には小さな切り傷があり、その傷口から血が噴き出していたようでした。何度か拭き取っているうちに、出血は大分収まってきました。したたか頭を打ち付けたので、心配なのは脳内の出血ですが、こんなところに停めた、雨降りの“乗用車の中でなんか絶対に死にたくない”と思いました。

傷当てパッドが有るのですが、額に貼るには大きすぎて目が隠れてしまいます。手で引きちぎろうとしたのですが、これは無理でした。ここで手も痛いことに気が付きました。咄嗟にかばった右手の親指の付け根がひどく痛いんです。センチュリーライドの気分が少し萎えました。

そのまま少し休んでいましたが、気を失ったり頭の中がズキズキ痛むなんていうことも無いので、とりあえずどこかのコンビニまでと思って走り出しました。セブンイレブンで念願のトイレットタイム。そのあと“ハサミ”と傷を拭くための水を購入しました。車に戻って傷当てパッドを傷の形に合わせ、出来るだけ小さくなるようにハサミで形を整えました。



午前7時すぎ、“ENDLESSのみなさん”と会場で合流。リーダー“HIDEさん”はじめ、みなさんに「どうしたの?」なんて、ご心配をかけてしまいました。“ENDLESSのみなさん”や“ピナ男さん”の顔を見たら、さっきまでの萎えた気分も吹き飛んでしまいました。



結局、雨はここでも降っていました。受付を済ませてカッパを着ました。ヘルメットを被ればもう額の傷も見えないし、ヘルメットに当たるんじゃないかと心配した“たんこぶ”も全然OKでした。ただハンドルを持つ右手が少し痛いのです。



そろそろスタートの午前8時30分です。気合いが入る“ENDLESSのみなさん”です。わたしも負けてはいられません。と、原町会場をスタートしました。ここからはもう雨の中の疾走ですから写真は無しなのです。走り出してしまえば、もう転んだことなんかこれっぽっちも関係無くなってしまいました。

ところが、きょうは思ったように足が回りません。20キロも走っていないというのに足が攣りだしたのです。なんとか誤魔化しながら走りましたが、“ENDLESSのみなさん”にはとても付いて行けそうにありません。チェックポイントに着くたびに“ENDLESSのみなさん”が待っていてくださるのですが、調子が悪いので気にしないで行ってくれるように話しました。

松川浦を通過するころには雨もあがっていました。参加者がもう誰もいない道路脇のベンチでカッパを脱ごうとしているとき、また足が攣りました。足にエアサロンパスを噴いてやりました。そうそう、右の手のひらにも噴いてやりました。冷たくてとても気持ちが良く、また走れそうな気がしました。そうこうしていると名取スタートの方たちがポロリポロリと通過して行きました。「早すぎねェ!?」



次の磯浜のチェックポイントで“ENDLESSのみなさん”に追いつきました。というか待っていて下さったのだと思います。ここではちょうど名取スタート組と原町スタート組が一緒になったようで、多くの参加者が休憩中でした。わたしが渡されたバナナとチョコレートを食べながら休み始めたころには休憩所にもめっきり人が少なくなっていました。

そこですぐに“ENDLESSのみなさん”を追いかけました。ところが走り出して1キロも行かないうちに、また足が攣り出しました。脇道に入って歩いたり、ストレッチをしたりしながら休憩をしました。そうしながら、名取スタートの方々が次々と通過して行くのをただ見送りました。(どうしっちまったんだろう、この足・・・)



亘理大橋までもうチョットというところのセブンイレブンで“ENDLESSのみなさん”に追いつきました。このころには大分足は良くなってきていました。栄養補給したあと、再び走り始めました。どうにか足は復旧したようでした。



亘理大橋の上流、信じられないような大きさの阿武隈川。ようやく、とても気持ちよく走れるようになってきました。亘理大橋のたもとでチェックを受け名取サイクルスポーツセンターへと向かいます。



そうそう、名取CSCまでの自転車道にはこんな危なっかしいところがあるのです。これは凄いと思いました。名取CSCで折り返しのチェックを受けて、原町のゴール目指してまた走り出しました。



『貞山堀』で記念撮影。



“HIDEさん”が途中のコンビニに“TOBIさん”を発見。ENDLESSのメンバー“TOBIさん”は本日は名取スタートでの参加でした。



ずっと海辺を走ったのに、本日はこの写真がたった一枚の海の写真でした。時間はどんどん押してきていて、リミットの午後4時30分ゴールが誠にビミョーな状況なんです。残りの距離と時間を計算をしながら走っているんです。それでも途中で休憩しながらおいしいソフトクリームも食べました。

ゴールがだんだん近づくにつれて、タイムリミットも刻々と迫っています。午後4時を回り、4時10分を回り、4時20分を回り・・・行ける!猛然とダッシュをかけました。ゴールの原町火発の煙突が見えています。計算通り間に合う!計算通りだ。ゴールタイムは午後4時28分か29分。制限時間8時間にスレスレの7時間58分か59分、これは劇的なゴールだ!

最後の信号は赤。そこで時間があったのがまずかった。『こないだはこの信号を曲がったけれど、今日の本番はこのルートでいいんだろうか?』背ポケットから地図を出してみた。『違う!スタート方面から進入だ!』信号が青になり、猛ダッシュ!(これは少し計算違いだったかもしれない・・・)

ゴール!
「時間は?」
「8時間4分」と計測係の女性の声。
タイムオーバー・・・。
ゴールにいた先着組の“ENDLESメンバー”に「“HIDEさん”もこれから来ます」というと、
「リーダーならリミット30秒前にゴールしました。今そっちで休んでいます」
何だかキツネにつままれたような話に、
「えっ、“HIDEさん”は俺のうしろなんだよ」

この謎はすぐに解けました。わたしはゴールの泉崎海浜総合公園へのアプローチを誤って2キロも遠回りしてしまったのでした。そのうちに“HIDEさん”は正規のルートで無事ゴールしたということのようでした。リミット30秒前の劇的ゴールはまんまと“HIDEさん”に持って行かれてしまいました。

痛恨のミスコース・・・。頭はぶつける、足は攣る、本日三度目の“痛い目”に遭ってしまいました。



そして、わたしと同じくツキの無かった“ピナ男さん”はパンクという悪魔に魅入られてタイムロスをしてしまったようでした。



最後に全員で記念撮影。(足の方に血液が流れたせいか“たんこぶ”の腫れもひけ、傷当てパッドも外せました。)


(きょうになったら手首の方まで出てきたアザ)        (転んだ双葉駅)

ツイてない日は何処までもツイてない・・・本日の走行距離163.47 走行時間6:23 平均速度25.5 最高速度48.8

家に帰ってみんなに、駅で転んてしまった話や、2キロオーバーして失格するために160キロも走ったことや、4分オーバーして失格するために8時間も走ったことなどを話してあげました。家族は額の傷を見ながらそんなわたしを心配してくれました。そして今日“6月7日”がわたしの誕生日だったことも、みんながちゃんと覚えていてくれてました。なんだか今までで一番想い出に残る誕生日になったような気がしました。


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27 コメント

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痛そう・・・ (へばな)
2009-06-08 22:41:41
大変な一日でしたね。
 でも、打ったのが後頭部でなくてよかったですね。 後頭部だったら、今頃は・・・
 タイムオーバーは残念でしたが、その体で完走出来ただけでも「よし」としなければ。
 写真を見ると「宇600」のコースなので、なつかしいです。
 「怪我」、お大事にしてくださいね。 それから「誕生日」おめでとうございます
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“へばなさん” (koji)
2009-06-08 22:57:41
“へばなさん”ありがとうございます。
やさしい家族からは「年を取るとすぐには出ないで、一月後とかに出る場合もあるんだってよ。」なんておどかされています。
でも当日も走ることには全く影響が無かったので良かったです。あれが元で走れなかったりしたら、何のために朝早くそんなところまで行ったかわからなくなってしまいます。多くの参加者の中で走ることはブルベ同様とても面白いことですね。
600は名取折り返しですから、自転車道や貞山堀が懐かしかったでしょうか。
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お疲れさまでした、大丈夫でしょうか?  (mattoshi)
2009-06-08 23:50:57
kojiさん、お疲れさまでした~。大丈夫でしたか?? 
頭を打たれたというので心配しましたが、どうやら大丈夫なようですね、、、でもなにか症状があったらすぐにお医者に行ってくださいね。しかし、危ない駅なんですね、、双葉駅。 手の痛みもまだ完治しませんよね。お大事にされてください。しかし、さすがにタフですね~、さすがkojiさんです。 最後の最後で惜しかったですが、でも完走されただけでもスゴいですし、それに不十分な体調でそれだけ走れちゃうのは、やっぱしスゴいです! ENDLESS の方々ともども、ほんとうにスゴいですよ、、、尊敬します。
体、ゆっくり休めて、体調を回復してください。お疲れさまでした、、、

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お疲れ様でした。(^^) (Endless toshi)
2009-06-09 06:37:52
当日は、大変お世話になりました。
頭の方は、如何でしょうか?お大事にしてください。

初めての長い距離でしたが、何とか完走できて、良かったです。
他の皆さんは、日々練習で走っている距離の様で、ペースが速かったですね。
往路は、30km/h位のトレインに付いて、楽しかったです。良いトレーニングになりました。

ENDLESSはビギナーの集まりですが、少しづつレベルアップしてきているのではと思います。
今回の160kmという距離の完走も自信になりました。
又ご一緒できる日を楽しみにしております。
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大変でしたね。 (oyajiライダー)
2009-06-09 06:56:07
スタート前に味噌がついてしまったのでしょうか、25Km/hオーバーのペースなのにタイムアウト、残念でしたね。その後怪我のほうはいかがですか?
来月予定している銚子センチュリーは、距離はちょっと長いですが制限時間は規定の8時間ではなく10時間になっていて、「焦らずに走ってください」という感じです。速い人は途中の犬吠崎で地の魚などをゆっくり食べたり観光したりしているようです。
私達夫婦も昨年は9時間かけて、のんびり楽しみました。
そういえばkojiさん、私も同じ6月7日が誕生日なんですが、kojiさんが頑張っているその時、私達は近所の海でカンカン照りのなか昼寝してました(笑)
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“mattoshiさん” (koji)
2009-06-09 07:18:29
いやはや、わたしらしい結末と言えばそれまでなのですが、事前に一応渡された地図でルートを確認はしていたのですが、なぜかゴールのコースだけは全く見落としていたのです。今度はコースは完璧に覚えましたから、来年は絶対大丈夫です。
頭の方は大丈夫ですが、よほどヒドイカッコウで転んだのでしょうね。当日走っているときには首がむち打ちみたいでした。昨日と今日はもうすっかり良くて、右手に痛みが残る程度です。でもね“mattoshiさん”、双葉駅で転んだのはわたしぐらいなのでしょうかね。ザアザア雨ならタイルの表面のホコリも流してしまいますが、当日は細い雨でしたから表面のホコリが雨で潤滑剤のようになっていたのかもしれませんね。そこを底のすり減ったようなサンダルで歩いたのですから悪い条件が重なったんだとは思いますが、履き物の悪い人は要注意です。ハハハ・・・って双葉駅はもうキライです。
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“toshiさん” (koji)
2009-06-09 07:25:34
痛かったですが、“ENDLESSのみなさん”と走った一日は楽しかったです。ありがとうございました。今回の160km“toshiさん”が初めては知る距離だなんて全く信じられないほど、気持ちよく走っておられましたね。わたしの目に、それはもう本当に頼もしく写りました。わたしの足が前半調子が悪くて、文字通り皆さんの足を引っ張ることになってしまわないかと心配しましたが、しっかり時間内完走できて良かったと思いました。ありがとうございました。
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“oyajiライダーさん” (koji)
2009-06-09 07:46:51
朝から転倒、しかも雨降りで、少し意気消沈したのは事実なのですが、会場まで行って参加者の姿を見たら、もうそんなことはすっかり忘れてしまいました。初めてカッパを着て走る経験も出来ましたし、調子の悪い足を経験することも出来ました。出だしからマイペースで行こうと決めていましたから、スタートと供にダッシュする皆さんに次々とパスされながらも決して焦りなどは無かったのです。足が攣って休憩ばかりしていました。ちっとも疲れていないのに足がダメというのは、これは悔しかったです。でも後半はとても気持ちよく走れました。ゴール直前に「間に合う!」って思ったときは本当に嬉しかったのですが、ミスコースで4分オーバーというのが皮肉でした。
“oyajiライダーさん”も6月7日でしたか!わたしはまた“赤いちゃんちゃんこ”に近づいてしまいました。還暦祝いに“赤いちゃりんこ”なんていいなあと思います。ハハハ
“oyajiライダーさん”は日々お仕事で神経をすり減らすこともさぞや多いことと思います。自転車でのんびり走ったり、気持ちのいい海辺で昼寝をしたり、そんなリフレッシュはいいですよね。
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大変でしたネ (PaNTaH)
2009-06-09 10:40:11
スタート前から、転倒~ケガ

そしてスタート後も、脚の不調~痛恨のロストコース~まさかのタイムオーバー。

不慮の事故やら、体調不良やら…と厳しい一日でしたね。
お疲れ様でした。

それでもなにはともあれ、逆境にもメげず全コースを走りぬいたことは『あっぱれ』です

それにご帰宅されてからのご家族のコトバ。
これには、読んでいて思わず涙が出そうになりました

ある意味、忘れられない最高の誕生日を迎えられたと思います。
Happy Birthday
そして
これからも
Enjoy Cyclingです
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P.S. (PaNTaH)
2009-06-09 10:42:57
ちなみに
仙台湾自転車道の切り株は、今年の春までは大木がそのまま立ってました。

この春に松の木を伐採して整備しました。

だいぶ走りやすくなったんですよ~。

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