「ほど」という了見

若手の歌舞伎役者がお酒を呑みに行って大ケガをしました。





これをもって「酒はやっぱりよくない」と言う意見も多いようです。

でも、本当に悪いのは、お酒じゃないと思うのです。





体調不良を理由に仕事を休んでるのに、夜中まで何件もハシゴをする非常識が、まず悪い。

そして、人に因縁をつけて大ケガさせるような性根は、そもそも極悪です。

こういう連中は、シラフだって悪いことしてるに違いないのです。

お酒のせいにしちゃ、いけませんよ。





古今亭志ん朝は、つねに言っていたものです。

「人でいちばん大事なのは、何でもやっぱり『ほど』ですナ」

志ん朝もお父さんの志ん生も酒豪でしたが、多くの人に愛された大名人でした。





けっしてお酒は悪くないんだ。

「ほど」という了見を知らないから、悪いことをするんだ。





…ということを、言ってみたい夜。















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