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「神戸大生採用したい」 業界・企業説明会の初日が終了 2月27日(月)まで開催

2023-02-21 22:08:18 | ニュース
 2月21日、神戸大学キャリアセンター主催の「神戸大学業界・企業説明会2023」の1日目が行われた。説明会は27日(月)まで行われる。23日(木)までは、鶴甲第1キャンパス体育館で対面開催。企業ブースが体育館にずらりと並ぶのはコロナ禍以降初。キャリアセンター長は、「今までの実績を考慮して選ばれた企業が参加している。業界を絞り込んでいる学生もいるだろうが、今一度広い視野をもってみてほしい」と話した。<笠本菜々美>


(写真:企業の説明を聞く学生。2023年2月21日午前、鶴甲第1キャンパス体育館で)

 2月21日(火)から27日(月)まで、神戸大学キャリアセンター主催で「神戸大学業界・企業説明会2023」が行われている。23日(木)までは、鶴甲第1キャンパス体育館で対面開催。予約不要で、145社が参加する。また、24日(金)、27日(月)の説明会はオンラインで行われ、参加企業は74社。WEB説明会に参加する場合は予約が必要だ。

【神戸大学 業界・企業説明会2023 の実施について/神戸大サイト】=
https://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/sub_student/2023_02_13_02.html

 対面開催初日の21日は、メーカーやインフラなど49社が参加した。午前は参加者が少なく、各企業のブースでは多くて3人ほどが説明を聞いていたが、午後からは人数が増え、満席になっている企業も見られた。
 受付では、大正製薬からのリポビタンDや大学からペンとメモとカイロが手渡された。また、多くの企業のブースでは、参加者にグッズなどが渡された。

 3月からの採用解禁に向けて就活に本腰を入れようという学生から、大学院への進学と就職を迷っていて、判断材料として説明会に参加しようという学生など、参加者の気持ちは様々だった。
 就活に焦りを感じてきたという学生(国人・3)は、「まだぴんと来ていないことも多いが、企業の説明会を聞いて、具体的な仕事内容が分かった」と話した。また、「自分が志望していない業界の説明を聞いてみて、改めて『違うかな』と思った」と、自分の適性を再認識した学生もいた。さらに、大学院進学を考えているという学生(農・3)は、「大学院進学の前に、どんな企業があるのか知っておきたい。説明会を聞いて、勤務場所や業務内容など、インターネットではわからない情報を知ることができた」と話した。


(写真:「ファイト就活」とエールを送る企業も)

 北村雅季キャリアセンター長は、「今までの実績を考慮して選ばれた、約150の企業が対面の説明会に参加している。業界を絞り込んでいる学生もいるだろうが、今一度広い視野をもってみてほしい」と話した。同じくキャリアセンターの松原職員は、「業界の偏りを考慮して参加企業を選んでいる」とコメントした。
また、キャリアセンターは昨年度、10月にWEB業界セミナー、3月に対面説明会を実施したが、今年は「業界・企業説明会」を2月に実施する形で説明会の方式を変更。「就活の早期化や、3月以降はエントリーシート作成などに追われるため説明会に参加しづらいという学生の声を受け、今年の業界・企業説明会は2月に実施することにした。就活が本格化する前に、色々な業界を知ってもらいたい」というねらいがある。


(写真:体育館には、企業ブースのマップが設置されていた)

▽関連記事
学内最大規模の業界・企業説明会 2月21日(火)から対面・オンラインで
https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/cc399a54e8ee3781754e9371c9d92f94


学内最大規模の業界・企業説明会 2月21日(火)から対面・オンラインで

2023-02-16 23:01:37 | ニュース
 神戸大学キャリアセンターが主催する学内最大規模の業界・企業説明会が、2月21日(火)から計5日間開催される。対面形式とオンライン形式があり。21日(火)、22日(水)、23日(木)は鶴甲第1キャンパス体育館で、24日(金)、27日(月)はオンラインで開催される。服装自由、予約不要で、全日程合わせて219社が参加予定。神戸大の全学生が参加可能。<本多真幸>


(写真:2019年に対面で行われた企業説明会の様子。)

 春休みの時期にキャリアセンターが主催する企業説明会は、学内で行われる就活イベントの中で最大級のもの。例年3月に実施されているが、今年は2月に早まった。
 
 2月21日(火)、22日(水)、23日(木)に六甲台第1キャンパスで行われる対面形式は、各日11時10分から16時までで、40分×6タームからなる。1日あたり約50社が出展する。会場にはキャリアセンタースタッフが常駐し企業選びや簡単な悩みなどを相談可能。
 キャリアセンターは、当日は温かい服装で来場するよう呼び掛けている。また、体育館ではヒーターが設置され、カイロが配布される。

 24日(金)、27日(月)にZoomで行われるオンライン形式は、各日10時から16時20分までで、1ターム35分×8タームからなる。1日当たり約40社が出展する。神戸大学キャリアセンター就職支援システム(KUCS)内のページから参加できる。

参加企業の詳細はキャリアセンターの特設ページで確認できる。

【神戸大学業界・企業説明会の特設ページ 神戸大キャリアセンター】=
https://kobe-u-career.info/

 体育館での開催は4年ぶりとなる。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年は中止、2021年、2022年は鶴甲第1キャンパスの校舎で、各企業に教室を1室割り振る形で行われていた。

《【対面】神戸大学業界・企業説明会》
●日時=2023年2月21日(火)~23日(木)。11:10~16:10。
●場所=神戸大学鶴甲第1キャンパス体育館(兵庫県神戸市灘区鶴甲1丁目2)
    
●対象=神戸大の全学生。
●主催=神戸大学キャリアセンター。
●参加方法=服装自由。予約不要。
●スケジュール(全日程共通)=
▽午前の部
第1ターム 11:10~11:50
第2ターム 12:00~12:40
第3ターム 12:50~13:30
第4ターム 13:40~14:20
第5ターム 14:30~15:10
第6ターム 15:20~16:00
●参加企業=
▽145社。(1日あたり約50社)
▽参加企業一覧=
21日=
iCAD(富士通グループ)、飯野海運、株式会社イトーキ、伊藤忠丸紅住商テクノスチール、伊藤ハム株式会社、インターネット・ビジネス・ジャパン、エイチ・エル・シー、NTTデータ、エフピコ、オースビー、オービック、キヤノンマーケティングジャパン、【Q・B・B】六甲バター、近鉄グループホールディングス、沢井製薬、山陽電気鉄道、ザ・パック、JFEシステムズ、JFE物流、ジャステック、Sky、住友倉庫、大正製薬グループ、タカショー、ダイキン工業、大日精化工業株式会社、ダイヘン、ダイワボウ情報システム、チップワンストップ、中央コンピューター、鉄道・運輸機構、株式会社DSR、東京コンピュータサービス、トヨタシステムズ、南海電気鉄道株式会社、日亜化学工業、日東コンピューターサービス、日本製紙、日本ハム、日本郵船、ハイレックスコーポレーション、不二越、富士フイルム株式会社、丸紅、三菱倉庫、安田倉庫、山崎製パン、ヤマト運輸、ラック

22日=
青木あすなろ建設、朝日生命保険、ALSOKグループ、一宮電機、インソース、EIZO、NEC(日本電気)、株式会社熊谷組、クリーク・アンド・リバー社、株式会社栗本鐵工所、国土防災技術、山陽特殊製鋼、JFEスチール、スズキ、住友金属鉱山、住友電工、大和証券グループ、常石造船株式会社、株式会社デンソーテン、電通西日本、トーカロ、東京海上日動、東芝、東洋電気工事、日本信号、日本政策金融公庫、日本製鉄、日本放送協会(NHK)、日本郵便、日本M&Aセンター、日本橋梁、日本経済新聞社、株式会社日本入試センター【SAPIX YOZEMI GROUP】、半導体エネルギー研究所、パナソニックグループ、ファルコホールディングス、富士電機、ブレーンセンター、プライムプラネットエナジー&ソリューションズ、マツダ、みずほ証券、三井住友信託銀行、三菱電機株式会社、三菱電機ビルソリューションズ、三菱UFJ信託銀行、明治安田生命保険、モリタホールディングス、UACJ、裕幸計装、りそなグループ(りそな銀行・埼玉りそな銀行)

23日=
アイコム、アイヴィス、あつまる、ウィル、NTTドコモ、近畿工業、ゲンキー株式会社、興国インテック株式会社、神戸トヨペット、サンエース、三機工業、サンケイビル、ザイマックス、塩浜工業、新東工業、新日本コンピュータマネジメント株式会社、J-POWER(電源開発)、スミセイ情報システム、住友化学、住友ゴム工業(DUNLOP)、創発システム研究所、大気社、大成建設、タカラベルモント、タキヒョー、タクマ、田邊空気機械製作所、中国電力・中国電力ネットワーク、デリカフーズ、電力中央研究所、東亞合成、トプコン、日本原子力研究開発機構、阪急阪神百貨店、ファミリア、福井村田製作所、富士フイルムビジネスイノベーション、古野電気、三菱ガス化学(MGC)、三菱地所、三ツ星ベルト、森合精機、株式会社モリタ製作所、ユニチカ、吉野石膏、ラインズ


《【WEB】神戸大学業界・企業説明会》
●日時=2023年2月24日(金)、27日(月)。10:00~16:20。
●形式=オンライン(Zoom)。
●参加方法=
①神戸大学キャリアセンター就職支援システム(KUCS)にログイン。
KUCS=https://st.uc.career-tasu.jp/login/?id=963cc7982e9c38cda9c67412a55daf83
②「学内企業説明会に参加する」内の、「神戸大学 業界・企業説明会2023(Web開催)」をクリック。
③【参加を希望する日程をクリック】もしくは【参加企業一覧】をクリック。
④参加希望する企業の予約時間を選択し【予約する】をクリック。
⑤当日は、予約している時間の10分前から【予約する】ボタンが【視聴する】ボタンに変わるので、そこから参加。
予約なしで、飛び込みでの参加も可能。
●留意事項=
▽服装自由。予約不要。
▽開催時間帯はZoom入退室自由。
●スケジュール=
▽午前の部
第1ターム 10:00~10:35
第2ターム 10:45~11:20
第3ターム 11:30~12:05
第4ターム 12:15~12:50

▽昼休憩(企業入れ替え)

▽午後の部
第5ターム 13:30~14:05
第6ターム 14:15~14:50
第7ターム 15:00~15:35
第8ターム 15:45~16:20
●参加企業=74社。(1日あたり約40社)
▽参加企業一覧=
24日午前=
オースビー、関西熱化学株式会社、ゲンキー株式会社、こくみん共済 coop <全労済>、サカタインクス株式会社、四国化成工業、ジェイテクト、大陽日酸株式会社、大和アセットマネジメント、TOTO、東洋アルミニウム、豊田通商、中西金属工業、日本軽金属グループ、日本年金機構、日本ガイシ、プロテリアル(旧社名:日立金属)、レゾナック(2023年1月昭和電工より社名変更)、レンゴー。

24日午後=
明石機械工業【ダイハツ工業グループ】、M&A総合研究所、オカムラ、キヤノン電子、コクヨ、株式会社小松製作所、JR西日本、ソニーグループ(4社合同)、高宮学園 代々木ゼミナール、タツタ電線株式会社、日本総合研究所、東日本旅客鉄道(JR東日本)、ファルコホールディングス、フジプレアム、プライムプラネットエナジー&ソリューションズ、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社、メディカルレビュー社、インターサイエンス社、郵船ロジスティクス

27日午前=
IHI、国際協力銀行、住友重機械工業、損害保険ジャパン株式会社、トーア再保険、日鉄テックスエンジ、日本貿易保険(NEXI)、日本カストディ銀行、日本生命、阪急阪神不動産、日立建機、日立産業制御ソリューションズ、フジタ、芙蓉総合リース、北陸銀行(ほくほくフィナンシャルグループ)、三谷商事、三井住友信託銀行、三菱重工業、三菱UFJ国際投信

27日午後=
アイテック阪急阪神、インテック、エイムネクスト、NSD、NTT西日本、オプテージ、カプコン、システムズ・デザイン、株式会社新日本科学PPD、新日本コンピュータマネジメント株式会社、住友生命、タカラバイオ、トッパンフォームズ、日鉄日立システムエンジニアリング、日本ヒューレット・パッカード合同会社、ハウス食品、ミクロスソフトウエア、ルネサスエレクトロニクス

●連絡先=
〒657-8501 神戸市灘区鶴甲1-2-1 鶴甲第1キャンパス A棟1階。
神戸大学 学務部 キャリア支援課。
電話:078-803-5217
メール: stdnt-shushoku[at]office.kobe-u.ac.jp
送信する際は[at]を@に置き換えてください。



第2回神大クィア映画上映会開催 2月20日(月)、男女共同参画推進室で

2023-02-16 01:18:50 | ニュース(告知)
 2月20日(月)、神戸大学男女共同参画推進室(六甲台第2キャンパス)で第2回神大クィア映画上映会が開催される。主催は神大クィア映画上映会で、ジェンダー平等推進部門が後援。15時30分開始で、映画「片袖の魚」上映後は東海林毅監督による講演が行われる。<佐藤ちひろ>



(写真:上映会のポスター)

 2月20日(月)、男女共同参画推進室で第2回神大クィア映画上映会が開催される。主催は神大クィア映画上映会で、ジェンダー平等推進部門(https://www.office.kobe-u.ac.jp/opge-kyodo-sankaku/)が後援。15時30分開始で、映画「片袖の魚」(https://redfish.jp/)上映後は東海林毅監督による講演が行われる。参加費は無料で、申し込み不要。

 「クィア(Queer)」とは、性的マイノリティや、既存の性のカテゴリーに当てはまらない人々の総称のこと。映画「片袖の魚」はトランスジェンダー女性が主人公となっている。

 今回の上映会は、女性教員の割合や地位向上にまつわる教員の意識調査を行うワークショップでもある。映画上映後は、労働環境における女性やマイノリティの状況や女性やマイノリティの活動を支援する方針の重要性について東海林毅監督による講演が行われる。

 上映会の主催者は、「この度、2回目の開催を迎えることになり、嬉しく思っています。映画『片袖の魚』は、トランスジェンダーの女性の日常を切り取った短編作品です。ニュースでLGBTQIA+に向けた差別的発言が報道され、SNSでトランスジェンダーへの差別言説が吹き上がる今日、みなさんに是非観て、考えていただきたい作品です。上映後には講演会もあり、より理解を深め、楽しく交流する場になるのではないかと期待しています」と話している。

《第2回神大クィア映画上映会》
●日時=2023年2月20日(月) 15:30~17:30。
●場所=神戸大学男女共同参画推進室(六甲台第2キャンパス、眺望間内)。
    地図 
●上映作品=「片袖の魚」(https://redfish.jp/)。(日本語音声、英語字幕)
●料金=無料。
●申し込み=不要。
●主催=神大クィア映画上映会。
●問い合わせ=kobequeerfilmfes[at]hotmail.com。
※送信する際は[at]を@に置き換えてください。



学生14人、教職員16人 2月8日~2月14日の学内コロナ感染者数 

2023-02-15 20:38:16 | ニュース
 神戸大は毎週水曜日に前日までの1週間の感染者数を掲載している。2月15日の発表によると、2月8日から2月14日までの1週間で、学生14人、教職員16人の感染が確認された。学生は10人減少、教職員は4人増加した。<奥田百合子>


(画像:2021年4月14日~2023年2月14日の学内感染者数推移 グラフ)

▼神戸大サイト「本学の新型コロナウイルス感染者について」=https://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/info/corona_infected.html

【2022年度神戸大の新型コロナ感染者数】(神戸大サイトから)
 2月 8日~ 2月14日 学生14人、教職員16人。
 2月 1日~ 2月 7日 学生24人、教職員12人。
 1月25日~ 1月31日 学生29人、教職員33人。
 1月18日~ 1月24日 学生79人、教職員112人。
1月11日~ 1月17日 学生118人、教職員24人。
12月28日~ 1月10日 学生96人、教職員59人。
12月21日~12月27日 学生92人、教職員50人
12月14日~12月20日 学生89人、教職員33人。
12月 7日~12月13日 学生52人、教職員27人。
11月30日~12月 6日 学生57人、教職員18人。
11月23日~11月29日 学生25人、教職員14人。
11月16日~11月22日 学生35人、教職員24人。
11月 9日~11月15日 学生25人、教職員8人。
11月 2日~11月8日 学生15人、教職員8人。
10月26日~11月1日 学生12人、教職員10人。
10月19日~10月25日 学生24人、教職員6人。
10月12日~10月18日 学生11人、教職員10人。
10月5日~10月11日 学生23人、教職員11人。
9月28日~10月4日 学生 7人、教職員15人。
9月21日~9月27日 学生17人、教職員14人。
9月14日~9月20日 学生44人、教職員24人。
9月 7日~9月13日 学生58人、教職員68人。
8月31日~9月 6日 学生54人、教職員109人。
8月24日~8月30日 学生117人、教職員17人。
8月10日~8月23日 学生152人、教職員114人
8月 3日~8月 9日 学生180人、教職員78人。
7月27日~8月 2日 学生212人、教職員32人。
7月20日~7月26日 学生131人、教職員60人。
7月13日~7月19日 学生95人、教職員24人。
7月 6日~7月12日 学生22人、教職員 8人。
6月29日~7月 5日 学生57人、教職員 5人。
6月22日~6月28日 学生22人、教職員 2人。
6月14日~6月21日 学生 9人、教職員 3人。
6月 8日~6月13日 学生53人、教職員 3人。
6月 1日~6月 7日 学生22人、教職員10人。
5月25日~5月31日 学生27人、教職員 8人。
5月18日~5月24日 学生58人、教職員15人。
5月11日~5月17日 学生63人、教職員13人。
4月27日~5月10日 学生 8人、教職員 4人。
4月20日~4月26日 学生90人、教職員 2人。
4月13日~4月19日 学生57人、教職員 5人。
4月 8日~4月12日 学生29人、教職員 8人。
3月30日~4月 7日 学生16人、教職員 4人。
学内の累計感染者数(2020年4月以降)学生3009人、教職員1257人。



学生の「発信」問われる自律性④ 表現には責任を 

2023-02-15 09:11:05 | ニュース
 表現の自由と多様な閲覧者に対する配慮を両立させるためには、どのような意識が必要なのだろうか。今回ニュースネット委員会はジェンダー理論を専門とする稲原美苗准教授とメディア文化論を専門とする小笠原博毅教授に話を聞いた。<奥田百合子、佐藤ちひろ>

この記事は「学生の「発信」問われる自律性③ 表現の自由とのはざまで」から続きます。

抑圧ではなく「遊び心」を

 KooBeeの自己判断で削除された企画「美男美女」に関して、小笠原教授は「タイトルを変えれば印象が変わるのではないか。付和雷同して企画を変えるのも面白くないので、面白い言葉遣いをすればよい」と話した。小笠原教授のゼミ生の男子学生は以前、教授と協力して七夕祭の浴衣美人コンテストに化粧をして出場しようとしたことがあるという。「このように、うまいことおちょくって既成概念を壊すなど、遊び心が必要なときもある。声高に抑圧するよりは、皮肉ったり、既成概念を壊す試みをしたりする方がよいときもある。その方が、閉塞感のない言論空間になるのではないか」。
 また、「発信者は覚悟を決めて言葉を使う必要がある。例えば『美人』など、絶対的な基準を決めて判断するのは面白くないが、いろいろな面白さが集合するイベントならよいと思う。みんなが同じ方向を向くのはむずむずするし、ミスコンもやるなとは言わない。ただ、工夫しようよと言いたい。違う切り口、アクセントの置き方ができる。批判や意見を理解して、自分たちでどうするか決める、自主管理が必要」と指摘した。


(写真:浴衣美人の様子。2022年からコンテスト形式ではなくなった)

商業主義に飲まれないで

 稲原准教授は、自身が以前Ms. Campus KOBE(神戸大で3年前まで行われていた美人コンテスト)に対して批判的な意見をだしていたことに触れ、「大学というのは、大勢の人が集まる場所。社会に出たら本来はあってはダメなことだけれども、容姿で判断されることがある。しかし、大学にいるうちは、商業主義に飲まれるのではなく、見た目以外のその人の経験、知識、活動内容が重視されてほしい」と語った。続けて「いろいろな人がいて当たり前になってほしい。大学には多様な学生がいて、セクシャリティも違う。例えば、商業的な目ではなく国際的な感覚はありますかなど様々な観点に目を向けてほしい」と話した。


(写真:2019年に行われたMs. Campus KOBEの様子)


お笑いや表現に対する日本人の意識は適切か

 稲原准教授は、「この前私が『爆笑!明石家さんまのご長寿グランプリ』を見て笑っていたら、日本語の分からないイギリス人の夫に(高齢者を馬鹿にしていて)人権侵害ではないかと言われ、それ以来番組を楽しめなくなってしまった。出演している高齢者は、キャラを作っている部分もあるけれど、日本人(私を含めて)はそういう意識が欠けているのかもしれない。何でもかんでもバツとしてしまったら、表現の自由がなくなってしまうので、折り合いをつけるのがすごく難しい」と話した。しかし、「イギリスでは、政治がらみのネタ(風刺)で、そこまで言っていいのかということを言うが、これに関して夫は疑問に思っていない」と国による感覚の違いにも触れた。
 また、稲原准教授の夫は、電車で中年男性が読んでいるスポーツ紙に、グラビアアイドルが載っているのを見て驚いたという。「イギリスでは、ポルノは専門店で売られていて、関わりたくない人は関わらなくてよい。しかし、日本では一つのコンテンツとしてグラビアがスポーツ紙や漫画、週刊誌にも載っているように、規制が弱い。それでお金を稼いでいる人もいるが、子どもたちも見てしまうし、公共の場ではよくないのではないか。海外生活が長いので、敏感になりすぎているのかもしれない」
 また、「今までは、性的な表現が女性蔑視につながることが多かった」と話し、「日本は遅れていて、価値観が変わっていない。私の中にもあるし、みなさんの中にもある。大学でいろいろな価値観を持った人と出会う中で変わっていったらいい」とまとめた。


(写真:インタビューに応じる稲原准教授)

表現の自由を守るには、議論を避けないことが必要

 小笠原教授は時代の変化へのエンタメ(メディア)対応について、「ジェンダーイシューには、フェミニズムやMeToo運動の影響が大きい。ジェンダーの問題は笑って済まされることではないという考えが広がった」とし、「常識は変わるので、それを頑強に拒否するのはよくない。一度受け入れて、透明性を持って考える必要がある」と答えた。一方で、「多様性のなれの果ては相対主義(規範や価値などが唯一絶対のものであることを否定し、すべて社会や個人と相対的なものであるとする考え方)、ポリコレ(ポリティクス・コネクトネス。社会の特定のグループに不快感や不利益を与えないような表現を用いること、またその政策や作品)の場合も同じ」と述べ、「誰もが相手と接触せずに自分の権利を主張し始めたら、究極的にはファシストやレイシストのような犯罪者も権利を主張できるようになる」と話した。また、「今の社会はオチがつかないことを恐れるあまり、議論をふっかけることに対して臆病すぎる。また、浅はかなポリコレの横行で自由な討議空間が損なわれている。言わない、しないが先に立ち、解毒が進む(批判、指摘され得る表現を避けるようになる)とそれに対して免疫がなくなり、すぐ爆発(炎上)するようになる」と指摘した。

 稲原准教授からは、「言葉は人によって、発信する側と受け取る側によって違う」という指摘があった。実際「美男美女」企画の一つである、「袴美人」についてKooBeeの代表は、「顔にフォーカスしているというよりは、袴を着ている女子全体としてという考えでの制作」だったと話した。一つの言葉でも、受け手によって印象が違うということを意識するだけでも変わるのかもしれない。


(写真:鶴甲第1キャンパスで)

 情報発信において、一定程度の閲覧者への配慮と、表現の自由をどのように両立するのかが問われている。その対応の一つとして、事前にメディア倫理などの基準を示すことや、制作者、閲覧者両方が、議論を避けない姿勢を持つことなどが挙げられるだろう。
 また、外見至上主義などに起因する商業主義に翻弄されることなく、多様な観点から評価し、評価されるような環境になれば、より閉塞感のない学生生活につながるかもしれない。