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学生14人、教職員16人 2月8日~2月14日の学内コロナ感染者数 

2023-02-15 20:38:16 | ニュース
 神戸大は毎週水曜日に前日までの1週間の感染者数を掲載している。2月15日の発表によると、2月8日から2月14日までの1週間で、学生14人、教職員16人の感染が確認された。学生は10人減少、教職員は4人増加した。<奥田百合子>


(画像:2021年4月14日~2023年2月14日の学内感染者数推移 グラフ)

▼神戸大サイト「本学の新型コロナウイルス感染者について」=https://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/info/corona_infected.html

【2022年度神戸大の新型コロナ感染者数】(神戸大サイトから)
 2月 8日~ 2月14日 学生14人、教職員16人。
 2月 1日~ 2月 7日 学生24人、教職員12人。
 1月25日~ 1月31日 学生29人、教職員33人。
 1月18日~ 1月24日 学生79人、教職員112人。
1月11日~ 1月17日 学生118人、教職員24人。
12月28日~ 1月10日 学生96人、教職員59人。
12月21日~12月27日 学生92人、教職員50人
12月14日~12月20日 学生89人、教職員33人。
12月 7日~12月13日 学生52人、教職員27人。
11月30日~12月 6日 学生57人、教職員18人。
11月23日~11月29日 学生25人、教職員14人。
11月16日~11月22日 学生35人、教職員24人。
11月 9日~11月15日 学生25人、教職員8人。
11月 2日~11月8日 学生15人、教職員8人。
10月26日~11月1日 学生12人、教職員10人。
10月19日~10月25日 学生24人、教職員6人。
10月12日~10月18日 学生11人、教職員10人。
10月5日~10月11日 学生23人、教職員11人。
9月28日~10月4日 学生 7人、教職員15人。
9月21日~9月27日 学生17人、教職員14人。
9月14日~9月20日 学生44人、教職員24人。
9月 7日~9月13日 学生58人、教職員68人。
8月31日~9月 6日 学生54人、教職員109人。
8月24日~8月30日 学生117人、教職員17人。
8月10日~8月23日 学生152人、教職員114人
8月 3日~8月 9日 学生180人、教職員78人。
7月27日~8月 2日 学生212人、教職員32人。
7月20日~7月26日 学生131人、教職員60人。
7月13日~7月19日 学生95人、教職員24人。
7月 6日~7月12日 学生22人、教職員 8人。
6月29日~7月 5日 学生57人、教職員 5人。
6月22日~6月28日 学生22人、教職員 2人。
6月14日~6月21日 学生 9人、教職員 3人。
6月 8日~6月13日 学生53人、教職員 3人。
6月 1日~6月 7日 学生22人、教職員10人。
5月25日~5月31日 学生27人、教職員 8人。
5月18日~5月24日 学生58人、教職員15人。
5月11日~5月17日 学生63人、教職員13人。
4月27日~5月10日 学生 8人、教職員 4人。
4月20日~4月26日 学生90人、教職員 2人。
4月13日~4月19日 学生57人、教職員 5人。
4月 8日~4月12日 学生29人、教職員 8人。
3月30日~4月 7日 学生16人、教職員 4人。
学内の累計感染者数(2020年4月以降)学生3009人、教職員1257人。



学生の「発信」問われる自律性④ 表現には責任を 

2023-02-15 09:11:05 | ニュース
 表現の自由と多様な閲覧者に対する配慮を両立させるためには、どのような意識が必要なのだろうか。今回ニュースネット委員会はジェンダー理論を専門とする稲原美苗准教授とメディア文化論を専門とする小笠原博毅教授に話を聞いた。<奥田百合子、佐藤ちひろ>

この記事は「学生の「発信」問われる自律性③ 表現の自由とのはざまで」から続きます。

抑圧ではなく「遊び心」を

 KooBeeの自己判断で削除された企画「美男美女」に関して、小笠原教授は「タイトルを変えれば印象が変わるのではないか。付和雷同して企画を変えるのも面白くないので、面白い言葉遣いをすればよい」と話した。小笠原教授のゼミ生の男子学生は以前、教授と協力して七夕祭の浴衣美人コンテストに化粧をして出場しようとしたことがあるという。「このように、うまいことおちょくって既成概念を壊すなど、遊び心が必要なときもある。声高に抑圧するよりは、皮肉ったり、既成概念を壊す試みをしたりする方がよいときもある。その方が、閉塞感のない言論空間になるのではないか」。
 また、「発信者は覚悟を決めて言葉を使う必要がある。例えば『美人』など、絶対的な基準を決めて判断するのは面白くないが、いろいろな面白さが集合するイベントならよいと思う。みんなが同じ方向を向くのはむずむずするし、ミスコンもやるなとは言わない。ただ、工夫しようよと言いたい。違う切り口、アクセントの置き方ができる。批判や意見を理解して、自分たちでどうするか決める、自主管理が必要」と指摘した。


(写真:浴衣美人の様子。2022年からコンテスト形式ではなくなった)

商業主義に飲まれないで

 稲原准教授は、自身が以前Ms. Campus KOBE(神戸大で3年前まで行われていた美人コンテスト)に対して批判的な意見をだしていたことに触れ、「大学というのは、大勢の人が集まる場所。社会に出たら本来はあってはダメなことだけれども、容姿で判断されることがある。しかし、大学にいるうちは、商業主義に飲まれるのではなく、見た目以外のその人の経験、知識、活動内容が重視されてほしい」と語った。続けて「いろいろな人がいて当たり前になってほしい。大学には多様な学生がいて、セクシャリティも違う。例えば、商業的な目ではなく国際的な感覚はありますかなど様々な観点に目を向けてほしい」と話した。


(写真:2019年に行われたMs. Campus KOBEの様子)


お笑いや表現に対する日本人の意識は適切か

 稲原准教授は、「この前私が『爆笑!明石家さんまのご長寿グランプリ』を見て笑っていたら、日本語の分からないイギリス人の夫に(高齢者を馬鹿にしていて)人権侵害ではないかと言われ、それ以来番組を楽しめなくなってしまった。出演している高齢者は、キャラを作っている部分もあるけれど、日本人(私を含めて)はそういう意識が欠けているのかもしれない。何でもかんでもバツとしてしまったら、表現の自由がなくなってしまうので、折り合いをつけるのがすごく難しい」と話した。しかし、「イギリスでは、政治がらみのネタ(風刺)で、そこまで言っていいのかということを言うが、これに関して夫は疑問に思っていない」と国による感覚の違いにも触れた。
 また、稲原准教授の夫は、電車で中年男性が読んでいるスポーツ紙に、グラビアアイドルが載っているのを見て驚いたという。「イギリスでは、ポルノは専門店で売られていて、関わりたくない人は関わらなくてよい。しかし、日本では一つのコンテンツとしてグラビアがスポーツ紙や漫画、週刊誌にも載っているように、規制が弱い。それでお金を稼いでいる人もいるが、子どもたちも見てしまうし、公共の場ではよくないのではないか。海外生活が長いので、敏感になりすぎているのかもしれない」
 また、「今までは、性的な表現が女性蔑視につながることが多かった」と話し、「日本は遅れていて、価値観が変わっていない。私の中にもあるし、みなさんの中にもある。大学でいろいろな価値観を持った人と出会う中で変わっていったらいい」とまとめた。


(写真:インタビューに応じる稲原准教授)

表現の自由を守るには、議論を避けないことが必要

 小笠原教授は時代の変化へのエンタメ(メディア)対応について、「ジェンダーイシューには、フェミニズムやMeToo運動の影響が大きい。ジェンダーの問題は笑って済まされることではないという考えが広がった」とし、「常識は変わるので、それを頑強に拒否するのはよくない。一度受け入れて、透明性を持って考える必要がある」と答えた。一方で、「多様性のなれの果ては相対主義(規範や価値などが唯一絶対のものであることを否定し、すべて社会や個人と相対的なものであるとする考え方)、ポリコレ(ポリティクス・コネクトネス。社会の特定のグループに不快感や不利益を与えないような表現を用いること、またその政策や作品)の場合も同じ」と述べ、「誰もが相手と接触せずに自分の権利を主張し始めたら、究極的にはファシストやレイシストのような犯罪者も権利を主張できるようになる」と話した。また、「今の社会はオチがつかないことを恐れるあまり、議論をふっかけることに対して臆病すぎる。また、浅はかなポリコレの横行で自由な討議空間が損なわれている。言わない、しないが先に立ち、解毒が進む(批判、指摘され得る表現を避けるようになる)とそれに対して免疫がなくなり、すぐ爆発(炎上)するようになる」と指摘した。

 稲原准教授からは、「言葉は人によって、発信する側と受け取る側によって違う」という指摘があった。実際「美男美女」企画の一つである、「袴美人」についてKooBeeの代表は、「顔にフォーカスしているというよりは、袴を着ている女子全体としてという考えでの制作」だったと話した。一つの言葉でも、受け手によって印象が違うということを意識するだけでも変わるのかもしれない。


(写真:鶴甲第1キャンパスで)

 情報発信において、一定程度の閲覧者への配慮と、表現の自由をどのように両立するのかが問われている。その対応の一つとして、事前にメディア倫理などの基準を示すことや、制作者、閲覧者両方が、議論を避けない姿勢を持つことなどが挙げられるだろう。
 また、外見至上主義などに起因する商業主義に翻弄されることなく、多様な観点から評価し、評価されるような環境になれば、より閉塞感のない学生生活につながるかもしれない。