大同大学-高森裁判 経過ブログ

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問い合わせただけで契約を解除された高森が、支援者とともに裁判を闘うドキュメンタリー。

研究者にも広がる不安

2009-06-29 00:46:05 | 労働問題ニュース雑感
<成果至上主義>研究者の7割「今後に不安」 労組が調査
(毎日新聞 - 06月28日 02:32)

 国立や独立行政法人の研究機関に所属する研究者の7割が今後の研究環境に不安を感じていることが、研究者の労働組合でつくる国立試験研究機関全国交流集会実行委員会の調査で分かった。「抑うつ」「焦燥感」など健康状態に問題を感じる研究者も7割近い。最近の早期結果を求める成果至上主義に、強い不安や閉塞(へいそく)感が広がっているとみられる。

 4~5月、インターネットで調査。実行委に所属する労組のうち15単組736人が回答した。男性83%、女性17%で、終身雇用の研究者は93%だった。

 今後の研究環境に不安を感じると回答したのは71%。「役立つ成果ばかり求められ、基礎研究の研究費が得にくい」「失敗を許容する雰囲気が薄れつつある」などの理由を挙げた。不安を感じない人は4%だった。

 また、疲労感や無力感、孤独感など65%が何らかの問題を抱えていた。具体的には「生きていく自信がない」「軽いうつと診断された」「睡眠不足」など、強いストレスを受けている様子がうかがえた。「特に問題ない」は28%にとどまった。

 伊藤武・副実行委員長は「終身雇用の研究者も研究環境に強い不安を抱いている。最近は任期付きなど、不安定な立場の研究者も増えた。強い不安の中で良い成果が出るとは思えず、研究環境の改善を訴えたい」と話す。【永山悦子】

 ▽隅蔵康一・政策研究大学院大学准教授(科学技術政策論)の話 研究の世界はもともと成果主義で激しい競争にさらされているが、バランスが大切だ。

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 研究者は今後の日本の科学技術力を支える大本の大本を作っていく人たちです。たとえば、日本を逃げ出してアメリカで成果を挙げた下村さんなんかがノーベル賞を取ったことの意味を考えたほうがいいと思います。ノーベル財団の皮肉以外のなにものでもないでしょう。下村さんが光るタンパク質を見つけたときにはまるっきり実用は考えていなかった。基礎研究というのはそういうところがどうしてもあって、青色発光ダイオードのようにはなからお金になることが分かっていて世界でしのぎを削ることもあれば、役に立つかどうかは分からないけれども、ともかく興味深い現象を読み解くこともあります。だいたい理学部ってところはそういう傾向が強い。
 それをともかくすぐに特許につながる研究ばかりやっていたのでは、ようは誰もが考える結果は出るけれども、誰も考えなかったようなことは出てきません。そうすると実験をする時間に結果の出方が左右されるようなひたすら体力勝負の消耗戦を闘うことになる。
 そういう状況に研究者たちは置かれているということでしょう。

 終身雇用であれば、研究成果がでなかったからといって解雇されたりはしないのですが、大学院生が全員討ち死にをしますので、成果は出し続けなければなりません。
 理系の研究者が第一線に立ち続けるのは極めて大変なんですよ。

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