去年のことだが、暮れ迫る水曜日に所用で表参道に行った。
時刻は16時過ぎ。冬至間近ということもあり、辺りはすでに日没の様相。
高層ビルに挟まれるように延びる国道246号を歩いていると、谷間のごとく空が開けた駐車場がある。
抜けた視線の先には現代の東京を象徴する風景が広がっていた。
表参道周辺から
赤味を帯びた夕焼けの中、辺りの平穏を突き破るかのような、六本木ヒルズのメタリックなファサード。約1.5km離れているのに圧倒的な存在感。街の風景を一変させてしまう威力。
同じフレーム内に納まるのは、昭和の象徴「東京タワー」と築年数不詳の民家。各時代の建物が、これだけ強くコントラストされている風景は以外に新鮮だ。
その後代官山へと向かう。
目的地は代官山蔦谷書店 通称T-SITE。ツタヤというと本屋かレンタルCDという思い込みだったが、ここはそんな先入観を打ち破る場所。書店でもありレンタルショップでもあり文具店でもあり、喫茶店でもある。しかも店構えやディスプレイが洒落ていて、文化の発信地としてのテーマパークと言ったほうがしっくりくる。
ここに向かう途中であったが、深紅のグラデーションに染まった空に心奪われ、途中の西郷山公園に寄る。
高低差のある高台からは、渋谷の街を超え遠くまで見渡せる抜群の眺望。しかもマジックアワーと呼ばれる時間帯である。都心を覆う赤く怪しげな空と、遥か先に浮かぶ富士山のシルエットはまさに幻想的。
短い時間だからこそ貴重なマジックアワー。またたく間に夜の帳が落ちてきた。
西郷山公園から①
西郷山公園から②
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