1995年発売。
前期・後期型有り。前期はホイールがマルケジーニ製で、後期はアンテラ製。勘違いが多いようだけどマルケジーニっつってもアルミホイールだよ。マグじゃないよ。イタリアではマグホイールは非合法部品なんだ。
これまでのビモータの常識(これは我々日本人ライダーの持つ偏見だと思う)を覆すクルーザー型の登場に誰もが驚いた。
90年代、ビモータは車種を増やし過ぎた。優秀なモデルもあったが、ハンドメイド感は薄れてゆき、だからこそあの価格帯だったのかも知れないが、ビモータの輝き、みたいなものは80年代に比べ薄れてしまったと思う。
・・・・・んじゃ、生い立ちからね。
フランス人デザイナー、サーシャ・ラキック氏のよるマントラは・・・・・格好良いとはすぐには言えない、なんだ・・・・・味のあるデザインだ。
マントラのデザインモチーフは「葉巻型の車体のフェラーリF1カー」だそうだ。
Lツインなのにサイレンサは4本。しかしちゃんと機能する。
セレブリティ達のリゾート地での移動手段として、ドゥカティ・モンスターが流行していた。Tシャツ・短パンで海岸沿いを流したり、そんなシチュエーションにビモータも乗っかろうとした。そうして出来上がったのが、このマントラことdb3って訳だ。
ショーモデル発表時、ビモータはマントラを「シンキング・ツール」とアナウンスした。
日本でのセールスは壊滅的で、28台の正規輸入車は最終的に85万円までダンピングされた。
・・・・・だがしかし。
良く見れば、フレームは新設計のアルミオーバルフレーム、短い車軸間、フロントフォーク径もdb2の41ミリから43ミリに変更されている。
マントラが一体どんな走りをするのかと言うと、大方の予想を裏切る快適コーナリングマシンだ。
重量のある4本のサイレンサは、実は低重心に寄与しており安定したトラクションを得る機能部品だ。そして左右に張り出したカウリングは驚くなかれ「シェル」ではなく、それ自体が左右に振り分けられたガソリンタンクなのだ。更に薄型の6Vのバッテリーをカウルの裏側に配置し低重心に寄与。
奇抜なだけで敬遠されたdb3の正体は、これまでのビモータと変わらない哲学が確立されている。
・・・・・さて、僕はヤマハWR250Fからこれに乗り換えた。理由はツーリングがしたくなったから。そして気軽に乗れる、それでいて誰も乗っていない稀少な存在で、しかもLツインのビモータだからだ。
僕はレッドバロンで買い物をするのが初めてだったが、マントラはここじゃなきゃ中古なんて置いてない。
「すみません、これ、ちょっと表に出して跨ったりしたいんですけど、良いですか」
明るいところでお見合い。
「うわっ、ダサっ」(メータバイザーの出っ張りが、カエル?深海魚?・・・・・アンコウみたい)「メーター・・・・・ウォールナットか?馬鹿だ。これ考えたヤツ、馬鹿だ」散々嫌ってみる。
しかし中々愛嬌のある顔つきしてるじゃないの。
3日どころか5分で慣れた。面白そうじゃん。
OK、お前を買おう。ハンコ押したら僕がオマエのご主人様だ。よろしくな「ケメ子ちゃん」。(その場で名前を付けた)
そんな訳で、この不細工さに参って僕はマントラを購入。
彼女の名前は「ケメ子」だ。
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