・・・・・つくづく、オートバイは心意気だと感じた。
ドカティ400SSは実はそんなに難しいオートバイでは、ない。
しかし、2000年以降のフロント荷重で曲がるオートバイしか知らないと、曲がらない。
90年代の、リアステアが肝要であり、フロントタイヤを無視するくらいのリア荷重乗りを正解とする。
オートバイの進化によって、ライテクは時代と共に変化してゆく。
しかしドカティはここに「哲学」を据えている。
スポーツライドを、オートバイを理解し、公道での楽しさを求めた空冷ツインなら尚のトコだ。
もし広い駐車場のようなところで練習できるのなら。ジムカーナ的な練習が一番効果的だと思う。
小さなコーンを使い、間隔を広めに配置して、始めはゆっくりパーシャルで回る。目線、力の入れ具合、自然とポジションを探す自分が居るはず。
ギクシャクしないで回れるようになったら、次は座る位置を変えてみる。どこにどう座れば後輪に荷重が掛かかって安定して曲がれるのか。
慣れればブレーキを使ってみる。バンクしながら少しブレーキを引きずる。SSは起きようとする。リリースでまたバンク状態に戻る。オートバイはブレーキで起き、リリースで寝る。その事を体に憶え込ませる。
加速。少し速度を乗せて減速。減速Gは外側の膝をタンクに当てて耐える。腕はタンクに添え、ハンドルに力は入れない。タンクに腕を乗せても良い。ブレーキリリースでLツインは恐らく想像以上に速く、フロントに舵角が付いて、掬われるようにインに切れ込んでゆくだろう。自分の中心はリアタイヤにあるので、多分アウトからインに回り込むようにフロントが切れてくる。
さあ、ここからはスロットルを大きく開けていこう。11000回転まで点火カットが働くまで400SSは元気良く回るはず。開ければ開けるだけ安定して、それはもう、楽しいの一言。
こんな練習から始めれば・・・・・どうかな。
SSは一定のバンク角で曲がるオートバイではない。
狙ったポイントで「向きを変える」、コーナリングマシンなんだという事を知るだろう。
そしてそれを「認識」した時、あなたのSSに対するスタンスは、きっと変わるだろう。・・・・・出来るようになった時、あなたは何を思うだろうか。
別にオートバイ工学を勉強しなくても良い。
乗っていれば自然にSSは「そうじゃないよ」と教えてくれるから。
これは自分にも言い聞かせる事だが「一度に全部をやろうとしてはダメ」。
ひとつひとつの操作を確実に、速度域が違っても、それが出来るようになる事。
それを出来るようになればあなたはより深く、ドカティの提唱するスポーツライディングの世界に行ける。そしてそれは、絶対的コーナリングスピードの中ではなく、ドカティで走る事、それが一体自分に取って何を意味するのか・・・・・。
迷い、悩んで・・・・・400SSはあなたのオートバイライフをより深くしてくれる。
辿り着いた答えが、最初の想像とかけ離れていたとしても、SSはあなたの胸に大事なものを残してくれる。
ハズだと思う。
追伸
まず、出来る限り、汚れを落とそう(エンジンが粉吹いてる、とかはしょうがないから)。
ホコリ、滲んだオイル・・・・・汚い車両、とかそういった考えではない。
まず、自分でキレイな状態にする。そうすれば、日々の洗車で悪い所にも気が付ける。
ボルトの緩みにも目が行く。ホースの亀裂にも目が行くし部品の錆びやゆがみにも気が付く。
「機械」でしかない存在なのは解っている。だからこそ、「命を乗せる機械」だという事を理解して欲しいのだ。