ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

珍品「ケンコーミラースコープ500」について

2014年08月21日 17時29分57秒 | 天体観測
表題の珍品レンズを所有している。
ケンコーミラースコープ500とはなんなのか。
これは、早い話がカメラレンズにも早変わり出来る望遠鏡なのである。

カメラの望遠レンズには対物鏡に凹面鏡を使ったミラーレンズというものが古くからありました。
これは天体観測に使うカセグレン式の反射望遠鏡の接眼レンズ部分を一眼カメラを接続できるようにしたのもです。
言葉で説明するよりも次の画像を見ていただきます。

上の画像の手前に写ってる白い鏡筒の物がケンコーミラースコープ500です。その向こう側にあるのが黒い色の物がセレストロンC90MAKというマクストフカセグレン反射式の望遠鏡です。
焦点距離と主鏡の直径の違いにより筐体の大きさは違いますが、ともに同形式の望遠鏡です。
セレストロンC90MAKの接眼レンズの代わりに一眼カメラを装着してみたのが次の画像です。


このケンコーミラースコープ500をもう少し詳しく見ていきましょう。

上の画像のようにこのミラースコープは大きく三個の部品で構成されています。
左側から、スコープの本体、その右隣は正立像にするためのプリズム部分、そして接眼レンズ、この3点で構成されています。
接眼レンズには焦点距離の表示がありません。その代わり30倍との表示がありました。
接眼レンズをミラースコープに装着した時に30倍になる、との表示と理解すれば、この接眼レンズの焦点距離は「対物レンズの焦点距離÷接眼レンズの焦点距離=倍率」ですので約16.6ミリとなります。
接眼レンズの差込経は1.25インチなので望遠鏡の一般的な規格の接眼レンズも使えるので、倍率を変えることができます。
また、この製品には次のような部品も付属していました。

1.5倍のバローレンズです。これを使えば750ミリの焦点距離になります。
このバローレンズは本体とプリズムの間に装着するようになっています。そしてこのバローレンズの部分には本体と同径のカバーを付けて装着するようになっていました。
そのようにしてバローレンズを組み込んで見たのが次の画像です。


この望遠鏡のメーカーはケンコーです。ケンコーは望遠鏡やカメラレンズのメーカーです。
現在でもこのミラースコープ500とほぼ同じミラーレンズの望遠レンズを販売しております。
小生が所有するこのレンズのF値は1;8となっておりますが現行製品の500ミリミラーレンズのF値は1:6.3とやや明るいものとなっているようです。

さて、このミラースコープの最大の珍品度は次の点にあります。
ミラースコープの後ろのプリズム部分を外しますと次のようになります。

後ろのレンズ部分にM42のオスネジが現れますのでこれに一眼カメラに適合するアダプターをつければそのままカメラレンズへと変身します。ただし、このM42のネジのピッチは一般的な望遠鏡規格の0.75ミリではありません。
M42のピッチ1ミリのネジ山でした。一般的な望遠鏡規格の0.75ミリのTアダプターではこのネジ山の途中までしかネジ込みできませんでした。

ちょうど適合するアダプターを所持してましたので、カメラに装着してみました。
カメラはルミックスのG1です。

500ミリの望遠レンズになりました。バローレンズをつけると750ミリの超望遠になります。
ルミックスのG1はマイクロフォーサーズなので35ミリ換算では2倍の焦点距離になります。
500ミリのレンズでは1000ミリ相当、バローレンズ装着時では1500ミリ相当の焦点距離ということになります。
焦点距離が大きくなりますとそれに応じて画角は狭くなります。
この数値はもはやカメラの望遠レンズの域を超えて天体望遠鏡の焦点距離の領域です。
画角の狭さとレンズの暗さのため対象を視野に入れてピントを合わせることは手持ちでは不可能です。
しっかりとした三脚に載せる必要がありますね。

このレンズの使用条件は限られます。まずはレンズの暗さのため、屋外での明るい場所での撮影が主になるかと思われます。
そのうち天気の良い屋外に持ち出して試してみたいものです。

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