ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

KLE400フロントフォークのオーバーホールに挑戦

2015年06月24日 14時07分41秒 | バイクカスタム
昨シーズンの終わり頃に左側のフロントフォークにオイルのにじみがあるのを気づいていましたがそんなにひどい状態ではないとの判断で放置しておりました。
先日、150キロぐらい走った後、フォークの下半分がひどく汚れているのに気づき、オイルの漏れがひどくなっているのでオーバーホールを自分でやってみることにしました。左側のフォークにオイルの漏れがありそれにブレーキダストなどが付着してひどく汚れていました。第一、左側にはブレーキがありますので、漏れたオイルがデイスクに付着したりすると危険でもあります。
必要な部品はシーズンオフに作業を進めようと昨年の内に購入してありました。
作業しやすいように、バイクを車庫から引き出します。
そして、フロント部分を床から浮かせておくため前後ともバイクスタンドを使用して垂直に立てます。


フロントフォークそのものを最終的には車体より取り外すのですが前段階としてやっておく作業があります。
フォークを三叉に留めているボルトが見えるようにサイドカバーをはずしておき、同時にフロントフェンダーと前輪をフォークより取り外します。

上記画像の黄色の○印のところにフォークを留めているボルトがありますがこの段階ではまだそのボルトは緩めないでおきます。

次にやることはフォークの一番下にあるフォークドレンプラグを取り外しフォークオイルを抜かなければなりません。
ドレンプラグを取り外すのには10mmの六角レンチを使うのですが普通の六角レンチを手で回すと共廻りをしてしまい、緩めることができません。
そこで一気に高トルクを掛けられる次の工具を使います。

エアーインパクトレンチとその先端に装着する10mmの六角ビットです。
これを使用して一気にドレンプラグを取り外しますと、真っ黒い液体が流れ落ちてきます。その液体を良く見ると微細な金属粉が混じっているように見えます。


次の工程はフォークのアウターケースを引き抜くのですが、そのためにアウターケースの上部にあるクリップをマイナスドライバーなどを使用して取り外しておきます。同時にインナーチューブの最上部のキャップを外して、フォーク内部のスプリングも外しておきましょう。
クリップとスプリングを取り外すとアウターケースの動きを拘束しているものが何もなくなりますので、手で自由に上下にスライドさせて動かす事ができるようになります。次はオイルシールを引き抜くのですが小生は次のような方法を取りました。
フロントフォークはまだ車体の三叉に結合されたままでおきます。
この状態でアウターケースを勢い良く下側に打ち付けるように動かしているとインナーチューブとアウターケースとが分離されて、オイルシールなどがインナーチューブに残った状態になります。次の画像のようになります。


その後、フォークの上部を止めている三叉の4本のボルトを緩めると自然にフォークのインナーチューブがすべり落ちてきます。
このときのコツは4本のボルトのうち、1本だけは完全に緩めないでおき、すこしだけ利いた状態にして、最後にそのボルトをゆっくりと緩めることです。そうすることでインナーチューブが抜け落ちるとき、地面や床のコンクリートに衝突するのを防ぐことができます。
また、上記の画像のように残っている部品の位置関係を忘れないためにも、メモしておくか画像に残しておくと良いでしょう。

さて、ここまでくると作業の半分以上は出来たも同然です。後は用意してある新規の部品を元あったのと同じように組み付ければよいことになります。
ここで、大事なものを準備して無かったのに気がつきました。それはフォークオイルを購入してなかったことでした。
いそいでフォークオイルを買い求めにバイク用品店を廻り2軒めのお店で目的のものを購入出来ました。
今回購入したのはヤマハ純正のサスペンションオイルです。KLE400の推奨の粘度はG-10ですので、おとなしくそれに従います。
お店には、G-10、G-15,G-20と3種の番手の異なるものがおいてありました。数字が大きくなるとオイルの粘度は高くなり、それに伴いオイルの流動抵抗も増すのでサスペンションの動きは硬くなる傾向があります。サスペンションの固めの動きが好みならばあえて純正指定よりも番手の大きいオイルを使用する人もいるようですが、私は固めのサスペンションは好みでないため、純正指定の番手にしました。

この後の組み立ては不足品のオイルの買い物に走りまわったりなどであせって作業したため、肝心なところの画像は取り忘れていました。
組み立ての工程で一番気を使うところはオイルシールとフォークシールの圧入の作業です。
シールの圧入の作業には専用の工具もあるようですが、当方はそんなものは持ち合わせておりません。
そこで手近にあるものを利用しました。それは単管パイプの切れ端です。単管パイプの径はシールの径とぴったりなのでした。

フォークのアウターケースにオイルシールをセットしてその上に単管パイプをかぶせて単管パイプの上端をハンマーで叩いてやりますと、スムーズにシールを圧入することができます。このときに注意することは単管パイプの内側とフォークのインナーチューブがこすれあって傷を付くのを防がねばなりません。インナーチューブの最上部にビニールテープなどを巻き保護してやると良いと思います。
そのとき、取り外した古いシールを新しいシールの上に重ねてやると単管パイプの先端が新しいシールを傷つけることを防いでくれます。

次はオイルを入れる準備です。
フォークの下端部のドレンプラグを確実に締めておかなければ入れたオイルが漏れ出してしまいます。
ドレンプラグはそのままねじ込んだだけでは供回りしてしまい締め付けることができません。供回りをさせないためにサスペンションスプリングを入れて、テンションがかかる状態にしておかなければなりません。
フォーク上部のキャップを締めるときにスプリングを縮めながら行わなければならないので、一人で作業するときには少々難儀をします。
22mmのソケットをあてがい、押し付けながら回すように作業してください。このとき完全に締め込むまでは必要ありません。
フォークオイルを注入するときにキャップはまた取り外しますのでスプリングが飛び出さないぐらいの締め込みで良いと思います。

ドレンプラグをインパクトレンチで確実に締め込みましたら、いよいよオイルを注入します。このとき注入の状態を確認しやすくするため、一旦、サスペンションスプリングは引き抜いておきます。
サスペンションオイルの容量は515ccとなっていますので計量カップなどを使用して正確に行うようにしましょう。
当方は100ccまで測れるメスシリンダーが手元にありましたのでそれを使いました。

オイル注入は一気に全量を入れないでエアー抜きのため少しずつ入れるようにしました。

フォークを垂直に立てオイルを入れているところです。
しばらく放置しておき、エアー抜きが終わったころあいを見計らってフォークを車体の三叉に装着して、スプリングを元とおりにいれて上部のキャップを締めれば作業はほぼ完了です。フェンダーと前輪とを元に戻してブレーキも清掃して組み付けました。

途中での買い物や休憩をはさんでの総作業時間は半日も掛かってしまいました。
以前に片方のフォークのオーバーホールをバイク屋に依頼した時は、部品代込みの料金が16000円ほど掛かりました。
今回、掛かった部品やオイルの金額は以下のとおりです。
シール(オイル)            748
シール、フォーク            683
ボルト、フォーク、ドレーン       494
ガスケット、フォーク、ドレーン     200
ブッシング(フロントフォーク)インナー1155
ブッシング(フロントフォーク)    1155
サスペンションオイルG-10、     1870
合計金額は¥6305でした。バイク屋さんに頼むのに比べると¥10000も節約になりました。

最後に、交換した部品は次のものです。

交換したオイルの様子も見てみましょう。

また、取り外したブッシングの様子は次のようになっていました。

ブッシングの内面が磨り減ってそれがフォークオイルに溶け込んで金属粉が混入した様子を呈していたのでしょう。
新品のオイルの色はきれいな薄赤ですが、排出したオイルの色は透明度もなく真っ黒くひどく汚れていました。
オイルがこんなj状態になる前に本当は交換する必要があったのですね。一定の距離を走行したなら定期的なオイルの交換が必要だと痛感した作業でした。


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