ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

色のない世界

2017年09月25日 23時39分47秒 | 建築と精神
最近、写真を撮るときに白黒で撮ることが多くなりました。

私たちは世界を見るときには色付きで対象物を見ています。
世界に色がある事が自然なことであるのを疑う人はいません。

ですが、もし世界に色が無かったならばどのように世界は人の目に映るのかを考えてみようと思ったのです。
ですから、手当たり次第にカメラで白黒写真を撮ってみようと思ったのです。

動物の中には色彩を感じる能力がなく、単に明暗だけを感じている種もいる事を読んだことがあります。
例えば猫の目は色彩の区別より明暗の区別の能力が優れているのだと言う研究もあります。

夜間に行動する動物にとっては、色彩は夜間にはそもそも判別できないので、明暗の区別が優れている方が都合が良いという事なのでしょう。
それに対して、昼間に主に活動する動物にとっては色彩を判別する能力が高いほうが、何かと便利だったのでしょう。

オオカミから進化した犬、ヤマネコから進化したイエネコなどは、色彩の感覚より明暗の感覚の方が格段に優れていると言われています。

そのような動物に比べると鳥の種族には極彩色の衣をまとったものが哺乳類よりは多く見られます。
これは、そのような派手な色の鳥には種を保存するために自然が与えた特性だと考えることが出来ます。
天敵に目につきやすい極彩色の色をまとっても、それ以上に種の保存に役立つ特性があるからこそ、極彩色のの羽を身に着けているのでしょう。

こんな何の役にも役立たない事などを考えながら近頃は白黒写真を、撮り歩ています。

写真の世界では白の色とか黒の色、と言うような表現をしますが実は白や黒は色ではなく、対象物の明暗なのです。
パソコンで写真を印刷するときに、黒のインクはありますが、白のインクはどのプリンターメーカーにもありません。
それは「白色」は実は「色」ではないからなのです。
これは色付きのカラーペーパーに白黒写真を印刷してみれば、一目両全です。
画像で白い部分は、何も印刷されず、もとのペーパーの色そのものになります。
例えばピンク色の紙に白黒の写真をプリントすれば、白色の部分はピンク色になるのです。
中間色のグレーは、ピンクと薄い黒の混じったおかしな色合いになります。

長々とおしゃべりをしてしまいましたが、次回は実際に撮ってきた白黒写真を題材にして、人の目には対象がどの様に映るのかを考えてみたいと思います。







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