ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

鎌鼬(かまいたち)美術館のこと

2023年12月13日 18時46分39秒 | あのころ
今日(12月13日)の地元紙に鎌鼬美術館の記事が載っていた。
鎌鼬(かまいたち)という変な名前をつけた美術館が秋田県の羽後町にある。秋田市出身の舞踏家、土方巽と写真家の細江英公が羽後町田代に突然現れて写真を撮っていった。1965年の秋のことであった。細江英公はそれを「鎌鼬」という写真集にまとめた。鎌鼬はつむじかぜにのって現れて人に切り付けて去ってゆくとされる妖怪である。土方と細江は田代に忽然と現れ数日間をそこで過ごし、写真を残した。写真家の細江は舞踏家としての土方の身のこなしとそれを写真に残すこと自体を「鎌鼬のような所業」と言いたかったのかもしれない。
さて私がここを訪れたのは昨年の10月のことであった。
鎌鼬美術館は羽後町の旧家長谷山氏の居宅に隣接する土蔵を美術館としたものである。私が撮ってきた写真を見ていただく。

土蔵の建物は全体が三層になっている。二階には母家から渡り廊下で繋がっている。この土蔵で特徴的なことは、土蔵の外側にそれを覆う構造物があるのだ。



土蔵のなまこ壁の外側に冬季間の積雪から土蔵を守るための構造物がある。その柱と柱の間に板を差し込み二重の壁とすることで土蔵を積雪から守っていることがわかる。
さて、そこに展示されているのは細江英公が36歳の時に出版された写真集「鎌鼬」を中心として展示されている。1969年に「鎌鼬」は出版されているが、その時代は何もかもの変化が問われていた時代であったと振り返ることができる。美術館には横尾忠則が描いたポスターなども展示されて、その時代の雰囲気を知ることができる。

帰りの道で稲刈りの最中に出会った。


私がそこにいった時は画像のようにハサ掛けで稲を干している農家があった。
もし土方がそこにいたらやはりハサに登っただろうなどと思いながら、田代を後にしたのである。



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