別名 「水芙蓉 (すいふよう みずふよう)」「不語仙 (ふごせん)」
「池見草 (いけみぐさ)」「水の花」
花言葉 「雄弁」「休養」「沈着」「神聖」「清らかな心」「離れゆく愛」
*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ハス(蓮、学名:Nelumbo nucifera)は、インド原産のハス科多年性水生植物。
名称など
古名「はちす」は、花托の形状を蜂の巣に見立てたとするのを通説とされております。
はす」はその転訛。
水芙蓉(すいふよう、みずふよう)、もしくは単に芙蓉(ふよう)、
不語仙(ふごせん)、池見草(いけみぐさ)、水の花などの異称をもちます。
漢字では「蓮」のほかに「荷」または「藕」の字をあてられます。
ハスの花と睡蓮を指して「蓮華」(れんげ)といい、仏教とともに伝来し
古くから使われた名となっております。
また地下茎は「蓮根」(れんこん、はすね)といい、野菜名として通用致します。
属名 Nelumbo はシンハラ語から。
種小名 nucifera はラテン語の形容詞で「ナッツの実のなる」の意。
英名 lotus はギリシア語由来で、元はエジプトに自生するスイレンの一種
「ヨザキスイレン」 Nymphaea lotus を指したものといいます。
7月の誕生花であり、夏の季語。特徴
原産地はインド亜大陸とその周辺。
地中の地下茎から茎を伸ばし水面に葉を出します。
草高は約1m、茎に通気のための穴が通っております。
水面よりも高く出る葉もあります(スイレンにはない)。
葉は円形で葉柄が中央につき、撥水性があって水玉ができます(ロータス効果)。
花期は7~8月で白またはピンク色の花を咲かせます。
早朝に咲き昼には閉じます。
園芸品種も、小型のチャワンバス(茶碗で育てられるほど小型の意味)のほか、
花色の異なるものなど多数ある。
なお、果実の皮はとても厚く、土の中で発芽能力を長い間保持することができます。
1951年(昭和26年)3月、千葉市にある東京大学検見川厚生農場の落合遺跡で発掘され、
理学博士の大賀一郎が発芽させることに成功したハスの実は放射性炭素年代測定により
今から2000年前の弥生時代後期のものであると推定されました。(大賀ハス)。
その他にも中尊寺の金色堂須弥壇から発見され、800年ぶりに発芽に
成功した例(中尊寺ハス)や埼玉県行田市のゴミ焼却場建設予定地から、
およそ1400年から3000年前のものが発芽した例(行田蓮)もあります。
近年の被子植物のDNA分岐系統の研究から、スイレン科のグループは被子植物の
主グループから早い時期に分岐したことがわかってきました。
しかしハス科はそれと違って被子植物の主グループに近いとされ、
APG分類体系ではヤマモガシ目に入れられております。
利用
食用、薬用、観賞用として湿地で栽培されます。
地下茎
地下茎はレンコン(蓮根)として食用になる。
日本では茨城県、徳島県で多く栽培されており、
中国では湖北省、安徽省、浙江省などが産地として知られている。
中国では、すりつぶして取ったでん粉を葛と同様に、
砂糖とともに熱湯で溶いて飲みものとする場合もある。
葉
※葉については「蓮の葉」を参照。
種子
はすの実と呼ばれる果実(種子)にもでん粉が豊富であり、生食されます。
若い緑色の花托が生食にはよく、花托は堅牢そうな外見に反し、スポンジのように
ビリビリと簡単に破れます。
柔らかな皮の中に白い蓮の実が入っております。
種は緑色のドングリに似た形状で甘味と苦みがあり、生のトウモロコシに似た食感を持っております。
また甘納豆や汁粉などとしても食べられます。
中国や台湾では餡にして、月餅、最中などの菓子に加工されることも多い。
餡にする場合苦味のある芯の部分は取り除くことが多いが、取り除いた芯の部分を
集め蓮芯茶として飲まれることもあります。
また、蓮肉(れんにく)という生薬として、鎮静、滋養強壮作用があります。
芽
果実の若芽は、果実の中心部から取り出して、茶外茶として飲用に使われる。
花
ハスを国花としているベトナムでは、雄しべで茶葉に香り付けしたものを
花茶の一種であるハス茶として飲用します。
資料によれば甘い香りが楽しめると言う。
かつては茶葉を花の中に挿入し、香りを茶葉に移しておりました。
茎
撥水性の葉と茎がストロー状になっている性質から、
葉に酒を注いで茎から飲む象鼻杯(ぞうびはい)という習慣もあります。
ベトナムでは茹でてサラダのような和え物にして食べます。
日本においては食べやすく切った茎を煮物の材料として用いられます。
産地である秋田県では、茎を用いた砂糖漬けが作られております。
茎の表皮を細かく裂いて作る糸を「茄絲(かし)」、
茎の内部から引き出した繊維で作る糸を「藕絲(ぐうし)」と呼び、
どちらも布に織り上げる等、利用されます。
象徴としてのハス ※(加筆あり)
ハスの花、すなわち蓮華は、清らかさや聖性の象徴として称えられることが多かった。
「蓮は泥より出でて泥に染まらず」という日本人にも馴染みの深い中国の成句が、
その理由を端的に表しております。
宗教とハス
ヒンドゥー教
古代インドでは、ヒンドゥー教の神話やヴェーダやプラーナ聖典などにおいて、
ハスは特徴的なシンボルとして繰り返し登場する。
例えば、『バガヴァッド・ギーター』11章で、クリシュナは「蓮華の目を持つ者よ」と美称され、
アルジュナは「ハスの上に座す梵天(最高神)を、そしてシヴァ神、あらゆる賢者たち、
聖なる蛇たちをわたしは見ます」と語る。
同5章の記述「結果を最高神に任せ執着なく義務を遂行する者は、罪に迷わない。
あたかもハスの葉に水が触れぬがごとく」は、後の仏教における「ハス」の象徴的用法と近いものを含む。
泥から生え気高く咲く花、まっすぐに大きく広がり水を弾く凛とした葉の姿が、
俗世の欲にまみれず清らかに生きることの象徴のようにとらえられ、
このイメージは仏教にも継承された。 性典の中では、「女陰」の象徴。
多神教信仰から女神崇拝が生まれその為、
古代インドでは女性に対する4段階の格付けが生まれ上から
パドミニ(蓮女)、チトリニ(彩女、芸女)、シャンキニ(貝女)、ハスティニ(象女)
といい最高位の「蓮女」の象徴としてラクシュミーという女神が、崇拝された。
参照―性典『ラティラハスヤ』
仏教
仏教では泥水の中から生じ清浄な美しい花を咲かせる姿が
仏の智慧や慈悲の象徴とされ、様々に意匠されている。
如来像の台座は蓮華をかたどった蓮華座であり、
また厨子の扉の内側に蓮華の彫刻を施したりしている。
主に寺院では仏前に「常花」(じょうか)と呼ばれる金色の木製の蓮華が置かれている。
一方で、仏教国チベットでは標高が高く生育しないため、
想像でかかれたのかチベット仏教寺院では日本に比べ、かなり変形し、
その絵はほんのり赤みがかった白い花として描かれている。
また死後に極楽浄土に往生し、同じ蓮花の上に生まれ変わって身を託すという思想があり、
「一蓮托生」という言葉の語源になっている。
「白龍山寶珠寺」(はくりゅうさんほうしゅじ)和歌山県新宮市木ノ川360番地の蓮池には、
毎年7月から8月末までの間に、白蓮が開花する。
宝珠寺の古文書によると、200年前より蓮池が存在し、蓮もそれに由来する。
蓮の葉が80cm以上で大きく、花も開花すると30cmと大きい。
なお、経典摩訶般若波羅蜜経には「青蓮花赤蓮花白蓮花紅蓮花」との記述がある。
ここでの青や、他で登場する黄色は睡蓮のみに存在する色である。
仏典においては蓮と睡蓮は区別されず、共に「蓮華」と訳されている[2]。
密教密教においては釈迦のみならず、ラクシュミー(蓮女)である
吉祥天女を本尊として信仰する吉祥天女法という修法があり、
蓮は特別な意味を持つ。
その他インド、スリランカ、ベトナムの国花。
中華人民共和国マカオの区旗にもデザインされている。
国内では、以下の地方公共団体が「市の花」に採用している。
愛知県愛西市
滋賀県守山市
*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
蓮の実
ハスの実とは?
●基本情報
ハスの実とは、スイレン科の多年草のハスの花托(かたく)から採れる種子のことです。
世界の熱帯・温帯地域にかけて広く自生し、沼や池、水田で栽培されています。
ハスは水生植物で、地中の地下茎から茎を伸ばし、水面に葉を出します。
葉・茎・花には空気を運ぶための通気孔があり、全ての部分が縦に貫通していることが特徴です。
地下茎は野菜の一種であるレンコンとして親しまれています。
ハスは夏の早朝に紅色や白色などの美しい大きな花を咲かせますが、
昼を過ぎるとすぐに閉じてしまいます。
花の開閉を3回繰り返し、4回目に開いた際には閉じることなく散っていきます。
秋になると花托が肥大し、蜂の巣のような形になります。
上面にあいたたくさんの穴に入っている種子がハスの実と呼ばれるものです。
ハスの実は、緑色でどんぐりのような形をしています。
甘みと苦みがあり、生のトウモロコシに似た食感があります。
ハスの実である種子は千年以上も発芽力が消失しない程、
強い生命力を持っているといわれています。
<豆知識①>象徴としてのハス
日本ではハスの地下茎であるレンコンが、通気孔である穴を持っていることから
「見通しが良い」といわれ、縁起が良い野菜であると考えられています。
おせち料理の食材としても知られています。
古代インドでは、神がハスから誕生したという神話から吉祥の象徴とされたり、
種子であるハスの実が多くつくことから生命や多産のシンボルとされています。
また、ハスは泥の沼の中から出てきたとは思えないような美しい花を咲かせ、
花と同時に実をつけます。
このため仏教では、迷いの世界(泥水)の中にあっても、
迷いに染まらず悟り(花と実)を得ることをハスの花に例え、
仏教の台座である蓮台にハスの花の形が使われています。
日本や中国では、仏教での極楽浄土とは蓮池のことであるとされていたため、
寺院などの境内には蓮池がよく見られます。
<豆知識②>ハスの葉の表面張力
ハスの葉の表面には数マイクロメートル程の非常に小さなデコボコがあり、
そのデコボコの表面にはさらに小さな突起がついています。
そのため、表面張力が働き、ハスの葉は雨に濡れることも泥で汚れることもありません。
この構造を参考にしたコーティング技術の研究が進められ、家の外壁やトイレの便器、
繊維などに応用されたり、雨が降っても窓に水玉がつかず、
ワイパーを必要としない自動車などが開発されています。
●ハスの名前の由来
ハスの実がつく花托が蜂の巣とよく似ていることから「蜂巣(はちす)」と呼ばれていましたが、その後、蜂巣が略されてハスと呼ばれるようになりました。
漢字の「蓮(ハス)」は漢名からきたもので、ハスの実が連なって実ることから
この漢字が使われるようになったといわれています。
●ハスの実の歴史
ハスは、白亜紀後期の約1億年前には地球上に出現していたとされている植物です。
インドでは紀元前3000年もの古い時代からハスが食用とされていただけではなく、
宗教などにも深く関わっていると考えられ大切にされてきました。
ハスの実は、松の実やクコの実と同様に健康食品として重宝され、
古代中国では皇帝への貢物として用いられていました。
今でも精進料理に欠かすことのできない食材です。
日本でも約2000年前の弥生時代の地層からハスの実が発見されていることから、
古くから親しまれていた植物であったと考えられています。
<豆知識③>大賀ハス
1951年、千葉県にある東京大学検見川の落合遺跡から、
植物学者である大賀一郎博士により今から2000年以上前のものとされる
古代のハスの実が発掘されました。
発掘された3個のハスの実のうちのひとつを発芽・開花させることに成功し、
国内外に「世界最古の花・生命の復活」と伝えられ、注目を集めました。
その後、その種子であるハスの実が「大賀ハス」として日本各地をはじめ世界各国に伝えられ、
友好親善を深めています。
1993年、大賀ハスは「千葉市の花」に指定され、千葉公園に移植されました。
毎年6月下旬から7月にかけて美しい花を咲かせています。
●ハスの実の用途
未熟なハスの実は柔らかく甘みがあるため、剥いて生のまま食べられます。
熟すにつれて暗黒色の硬いハスの実となります。
熟したハスの実は煮たり、炒めたりする他、天日干しをして乾燥させて食べられています。
また、甘納豆や汁粉にしたり、中国や台湾ではつぶしたハスの実を餅にして、
月餅や最中などのお菓子の材料に使用しています。
ハスの実の芯の部分を集め、お茶にして飲まれる場合もあります。
ハスの実を入れたお粥は、造血作用や精力の強化などに効果があるとされ、
薬膳料理としても親しまれています。
●ハスの実に含まれる成分と性質
ハスの実には、ビタミンB₁、カリウムやカルシウムなどの体をつくることに必要不可欠なミネラル、
食物繊維などが豊富に含まれています。
漢方では、ハスの実が「連実(れんじつ)」と呼ばれ、滋養強壮や婦人病、
下痢止めなどに効果があるといわれています。
1:多年草とは、茎の一部、地下茎、根などが枯れずに残り、複数年にわたって生存する草のことです。]
2:花托とは、花びら・雄しべ・雌しべ・萼(がく)などを支えるための、花の台座となる部分のことです。]
3:蓮台とは、蓮華の形につくられた仏様が座る台座のことです。]
4:マイクロメートルとは、長さの単位で、1マイクロメートルは1000分の1mmです。]
5:薬膳料理とは、健康保持のための食事として、中国の医食同源(薬食同源)の
考えから生まれた漢方薬の材料を使った中国料理のことです。]
蓮の実は秋の季語
*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
・睡蓮(すいれん)科。
・学名
Nelumbo nucifera(蓮)
Nelumbo : ハス属
nucifera : 堅果を持った
漢字の「蓮」は漢名からで、種子が連なってつくことからといわれる。
・夏の朝に
水面まで花茎を立てて開花。
朝早く開き午後3時頃には閉じる。
花の開閉は3回繰り返し、4日目には花びらが散る
・仏教では、西方浄土の極楽は神聖な蓮の池、と信じられているため、
寺の境内にハス池をつくって植えるようになった。
また多くの仏典に「蓮華(れんげ)」の名で登場し、
仏像の台座にもその形がよく使われる。
ちなみに、古代エジプトで神聖視されたのは蓮ではなく熱帯睡蓮(スイレン)。
(参考)
蓮華草 睡蓮
・泥の中にある根の部分はふくらんで蓮根(レンコン)になります。
花、葉、茎、種子なども食用になります。
・「荷葉飯(かようはん)」とは、ハスの葉で包んで蒸した加薬飯(かやくめし)のこと。
<加薬飯(かやくめし>
関西の表現で、五目飯などに入れる肉や野菜の具のこと。
・葉は蝋状になっているため水をはじきます。
雨水のしずくが水玉になるため、葉っぱを持って水玉移動させる遊びがあります。
*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ウィキ他より 加筆等ございます。
重複する内容であっても表現方法の違いを掲載しております。
「池見草 (いけみぐさ)」「水の花」
花言葉 「雄弁」「休養」「沈着」「神聖」「清らかな心」「離れゆく愛」
*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
ハス(蓮、学名:Nelumbo nucifera)は、インド原産のハス科多年性水生植物。
名称など
古名「はちす」は、花托の形状を蜂の巣に見立てたとするのを通説とされております。
はす」はその転訛。
水芙蓉(すいふよう、みずふよう)、もしくは単に芙蓉(ふよう)、
不語仙(ふごせん)、池見草(いけみぐさ)、水の花などの異称をもちます。
漢字では「蓮」のほかに「荷」または「藕」の字をあてられます。
ハスの花と睡蓮を指して「蓮華」(れんげ)といい、仏教とともに伝来し
古くから使われた名となっております。
また地下茎は「蓮根」(れんこん、はすね)といい、野菜名として通用致します。
属名 Nelumbo はシンハラ語から。
種小名 nucifera はラテン語の形容詞で「ナッツの実のなる」の意。
英名 lotus はギリシア語由来で、元はエジプトに自生するスイレンの一種
「ヨザキスイレン」 Nymphaea lotus を指したものといいます。
7月の誕生花であり、夏の季語。特徴
原産地はインド亜大陸とその周辺。
地中の地下茎から茎を伸ばし水面に葉を出します。
草高は約1m、茎に通気のための穴が通っております。
水面よりも高く出る葉もあります(スイレンにはない)。
葉は円形で葉柄が中央につき、撥水性があって水玉ができます(ロータス効果)。
花期は7~8月で白またはピンク色の花を咲かせます。
早朝に咲き昼には閉じます。
園芸品種も、小型のチャワンバス(茶碗で育てられるほど小型の意味)のほか、
花色の異なるものなど多数ある。
なお、果実の皮はとても厚く、土の中で発芽能力を長い間保持することができます。
1951年(昭和26年)3月、千葉市にある東京大学検見川厚生農場の落合遺跡で発掘され、
理学博士の大賀一郎が発芽させることに成功したハスの実は放射性炭素年代測定により
今から2000年前の弥生時代後期のものであると推定されました。(大賀ハス)。
その他にも中尊寺の金色堂須弥壇から発見され、800年ぶりに発芽に
成功した例(中尊寺ハス)や埼玉県行田市のゴミ焼却場建設予定地から、
およそ1400年から3000年前のものが発芽した例(行田蓮)もあります。
近年の被子植物のDNA分岐系統の研究から、スイレン科のグループは被子植物の
主グループから早い時期に分岐したことがわかってきました。
しかしハス科はそれと違って被子植物の主グループに近いとされ、
APG分類体系ではヤマモガシ目に入れられております。
利用
食用、薬用、観賞用として湿地で栽培されます。
地下茎
地下茎はレンコン(蓮根)として食用になる。
日本では茨城県、徳島県で多く栽培されており、
中国では湖北省、安徽省、浙江省などが産地として知られている。
中国では、すりつぶして取ったでん粉を葛と同様に、
砂糖とともに熱湯で溶いて飲みものとする場合もある。
葉
※葉については「蓮の葉」を参照。
種子
はすの実と呼ばれる果実(種子)にもでん粉が豊富であり、生食されます。
若い緑色の花托が生食にはよく、花托は堅牢そうな外見に反し、スポンジのように
ビリビリと簡単に破れます。
柔らかな皮の中に白い蓮の実が入っております。
種は緑色のドングリに似た形状で甘味と苦みがあり、生のトウモロコシに似た食感を持っております。
また甘納豆や汁粉などとしても食べられます。
中国や台湾では餡にして、月餅、最中などの菓子に加工されることも多い。
餡にする場合苦味のある芯の部分は取り除くことが多いが、取り除いた芯の部分を
集め蓮芯茶として飲まれることもあります。
また、蓮肉(れんにく)という生薬として、鎮静、滋養強壮作用があります。
芽
果実の若芽は、果実の中心部から取り出して、茶外茶として飲用に使われる。
花
ハスを国花としているベトナムでは、雄しべで茶葉に香り付けしたものを
花茶の一種であるハス茶として飲用します。
資料によれば甘い香りが楽しめると言う。
かつては茶葉を花の中に挿入し、香りを茶葉に移しておりました。
茎
撥水性の葉と茎がストロー状になっている性質から、
葉に酒を注いで茎から飲む象鼻杯(ぞうびはい)という習慣もあります。
ベトナムでは茹でてサラダのような和え物にして食べます。
日本においては食べやすく切った茎を煮物の材料として用いられます。
産地である秋田県では、茎を用いた砂糖漬けが作られております。
茎の表皮を細かく裂いて作る糸を「茄絲(かし)」、
茎の内部から引き出した繊維で作る糸を「藕絲(ぐうし)」と呼び、
どちらも布に織り上げる等、利用されます。
象徴としてのハス ※(加筆あり)
ハスの花、すなわち蓮華は、清らかさや聖性の象徴として称えられることが多かった。
「蓮は泥より出でて泥に染まらず」という日本人にも馴染みの深い中国の成句が、
その理由を端的に表しております。
宗教とハス
ヒンドゥー教
古代インドでは、ヒンドゥー教の神話やヴェーダやプラーナ聖典などにおいて、
ハスは特徴的なシンボルとして繰り返し登場する。
例えば、『バガヴァッド・ギーター』11章で、クリシュナは「蓮華の目を持つ者よ」と美称され、
アルジュナは「ハスの上に座す梵天(最高神)を、そしてシヴァ神、あらゆる賢者たち、
聖なる蛇たちをわたしは見ます」と語る。
同5章の記述「結果を最高神に任せ執着なく義務を遂行する者は、罪に迷わない。
あたかもハスの葉に水が触れぬがごとく」は、後の仏教における「ハス」の象徴的用法と近いものを含む。
泥から生え気高く咲く花、まっすぐに大きく広がり水を弾く凛とした葉の姿が、
俗世の欲にまみれず清らかに生きることの象徴のようにとらえられ、
このイメージは仏教にも継承された。 性典の中では、「女陰」の象徴。
多神教信仰から女神崇拝が生まれその為、
古代インドでは女性に対する4段階の格付けが生まれ上から
パドミニ(蓮女)、チトリニ(彩女、芸女)、シャンキニ(貝女)、ハスティニ(象女)
といい最高位の「蓮女」の象徴としてラクシュミーという女神が、崇拝された。
参照―性典『ラティラハスヤ』
仏教
仏教では泥水の中から生じ清浄な美しい花を咲かせる姿が
仏の智慧や慈悲の象徴とされ、様々に意匠されている。
如来像の台座は蓮華をかたどった蓮華座であり、
また厨子の扉の内側に蓮華の彫刻を施したりしている。
主に寺院では仏前に「常花」(じょうか)と呼ばれる金色の木製の蓮華が置かれている。
一方で、仏教国チベットでは標高が高く生育しないため、
想像でかかれたのかチベット仏教寺院では日本に比べ、かなり変形し、
その絵はほんのり赤みがかった白い花として描かれている。
また死後に極楽浄土に往生し、同じ蓮花の上に生まれ変わって身を託すという思想があり、
「一蓮托生」という言葉の語源になっている。
「白龍山寶珠寺」(はくりゅうさんほうしゅじ)和歌山県新宮市木ノ川360番地の蓮池には、
毎年7月から8月末までの間に、白蓮が開花する。
宝珠寺の古文書によると、200年前より蓮池が存在し、蓮もそれに由来する。
蓮の葉が80cm以上で大きく、花も開花すると30cmと大きい。
なお、経典摩訶般若波羅蜜経には「青蓮花赤蓮花白蓮花紅蓮花」との記述がある。
ここでの青や、他で登場する黄色は睡蓮のみに存在する色である。
仏典においては蓮と睡蓮は区別されず、共に「蓮華」と訳されている[2]。
密教密教においては釈迦のみならず、ラクシュミー(蓮女)である
吉祥天女を本尊として信仰する吉祥天女法という修法があり、
蓮は特別な意味を持つ。
その他インド、スリランカ、ベトナムの国花。
中華人民共和国マカオの区旗にもデザインされている。
国内では、以下の地方公共団体が「市の花」に採用している。
愛知県愛西市
滋賀県守山市
*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
蓮の実
ハスの実とは?
●基本情報
ハスの実とは、スイレン科の多年草のハスの花托(かたく)から採れる種子のことです。
世界の熱帯・温帯地域にかけて広く自生し、沼や池、水田で栽培されています。
ハスは水生植物で、地中の地下茎から茎を伸ばし、水面に葉を出します。
葉・茎・花には空気を運ぶための通気孔があり、全ての部分が縦に貫通していることが特徴です。
地下茎は野菜の一種であるレンコンとして親しまれています。
ハスは夏の早朝に紅色や白色などの美しい大きな花を咲かせますが、
昼を過ぎるとすぐに閉じてしまいます。
花の開閉を3回繰り返し、4回目に開いた際には閉じることなく散っていきます。
秋になると花托が肥大し、蜂の巣のような形になります。
上面にあいたたくさんの穴に入っている種子がハスの実と呼ばれるものです。
ハスの実は、緑色でどんぐりのような形をしています。
甘みと苦みがあり、生のトウモロコシに似た食感があります。
ハスの実である種子は千年以上も発芽力が消失しない程、
強い生命力を持っているといわれています。
<豆知識①>象徴としてのハス
日本ではハスの地下茎であるレンコンが、通気孔である穴を持っていることから
「見通しが良い」といわれ、縁起が良い野菜であると考えられています。
おせち料理の食材としても知られています。
古代インドでは、神がハスから誕生したという神話から吉祥の象徴とされたり、
種子であるハスの実が多くつくことから生命や多産のシンボルとされています。
また、ハスは泥の沼の中から出てきたとは思えないような美しい花を咲かせ、
花と同時に実をつけます。
このため仏教では、迷いの世界(泥水)の中にあっても、
迷いに染まらず悟り(花と実)を得ることをハスの花に例え、
仏教の台座である蓮台にハスの花の形が使われています。
日本や中国では、仏教での極楽浄土とは蓮池のことであるとされていたため、
寺院などの境内には蓮池がよく見られます。
<豆知識②>ハスの葉の表面張力
ハスの葉の表面には数マイクロメートル程の非常に小さなデコボコがあり、
そのデコボコの表面にはさらに小さな突起がついています。
そのため、表面張力が働き、ハスの葉は雨に濡れることも泥で汚れることもありません。
この構造を参考にしたコーティング技術の研究が進められ、家の外壁やトイレの便器、
繊維などに応用されたり、雨が降っても窓に水玉がつかず、
ワイパーを必要としない自動車などが開発されています。
●ハスの名前の由来
ハスの実がつく花托が蜂の巣とよく似ていることから「蜂巣(はちす)」と呼ばれていましたが、その後、蜂巣が略されてハスと呼ばれるようになりました。
漢字の「蓮(ハス)」は漢名からきたもので、ハスの実が連なって実ることから
この漢字が使われるようになったといわれています。
●ハスの実の歴史
ハスは、白亜紀後期の約1億年前には地球上に出現していたとされている植物です。
インドでは紀元前3000年もの古い時代からハスが食用とされていただけではなく、
宗教などにも深く関わっていると考えられ大切にされてきました。
ハスの実は、松の実やクコの実と同様に健康食品として重宝され、
古代中国では皇帝への貢物として用いられていました。
今でも精進料理に欠かすことのできない食材です。
日本でも約2000年前の弥生時代の地層からハスの実が発見されていることから、
古くから親しまれていた植物であったと考えられています。
<豆知識③>大賀ハス
1951年、千葉県にある東京大学検見川の落合遺跡から、
植物学者である大賀一郎博士により今から2000年以上前のものとされる
古代のハスの実が発掘されました。
発掘された3個のハスの実のうちのひとつを発芽・開花させることに成功し、
国内外に「世界最古の花・生命の復活」と伝えられ、注目を集めました。
その後、その種子であるハスの実が「大賀ハス」として日本各地をはじめ世界各国に伝えられ、
友好親善を深めています。
1993年、大賀ハスは「千葉市の花」に指定され、千葉公園に移植されました。
毎年6月下旬から7月にかけて美しい花を咲かせています。
●ハスの実の用途
未熟なハスの実は柔らかく甘みがあるため、剥いて生のまま食べられます。
熟すにつれて暗黒色の硬いハスの実となります。
熟したハスの実は煮たり、炒めたりする他、天日干しをして乾燥させて食べられています。
また、甘納豆や汁粉にしたり、中国や台湾ではつぶしたハスの実を餅にして、
月餅や最中などのお菓子の材料に使用しています。
ハスの実の芯の部分を集め、お茶にして飲まれる場合もあります。
ハスの実を入れたお粥は、造血作用や精力の強化などに効果があるとされ、
薬膳料理としても親しまれています。
●ハスの実に含まれる成分と性質
ハスの実には、ビタミンB₁、カリウムやカルシウムなどの体をつくることに必要不可欠なミネラル、
食物繊維などが豊富に含まれています。
漢方では、ハスの実が「連実(れんじつ)」と呼ばれ、滋養強壮や婦人病、
下痢止めなどに効果があるといわれています。
1:多年草とは、茎の一部、地下茎、根などが枯れずに残り、複数年にわたって生存する草のことです。]
2:花托とは、花びら・雄しべ・雌しべ・萼(がく)などを支えるための、花の台座となる部分のことです。]
3:蓮台とは、蓮華の形につくられた仏様が座る台座のことです。]
4:マイクロメートルとは、長さの単位で、1マイクロメートルは1000分の1mmです。]
5:薬膳料理とは、健康保持のための食事として、中国の医食同源(薬食同源)の
考えから生まれた漢方薬の材料を使った中国料理のことです。]
蓮の実は秋の季語
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・睡蓮(すいれん)科。
・学名
Nelumbo nucifera(蓮)
Nelumbo : ハス属
nucifera : 堅果を持った
漢字の「蓮」は漢名からで、種子が連なってつくことからといわれる。
・夏の朝に
水面まで花茎を立てて開花。
朝早く開き午後3時頃には閉じる。
花の開閉は3回繰り返し、4日目には花びらが散る
・仏教では、西方浄土の極楽は神聖な蓮の池、と信じられているため、
寺の境内にハス池をつくって植えるようになった。
また多くの仏典に「蓮華(れんげ)」の名で登場し、
仏像の台座にもその形がよく使われる。
ちなみに、古代エジプトで神聖視されたのは蓮ではなく熱帯睡蓮(スイレン)。
(参考)
蓮華草 睡蓮
・泥の中にある根の部分はふくらんで蓮根(レンコン)になります。
花、葉、茎、種子なども食用になります。
・「荷葉飯(かようはん)」とは、ハスの葉で包んで蒸した加薬飯(かやくめし)のこと。
<加薬飯(かやくめし>
関西の表現で、五目飯などに入れる肉や野菜の具のこと。
・葉は蝋状になっているため水をはじきます。
雨水のしずくが水玉になるため、葉っぱを持って水玉移動させる遊びがあります。
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ウィキ他より 加筆等ございます。
重複する内容であっても表現方法の違いを掲載しております。
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