マツダ・コスモＡＰ（１）

↑今年1個目の趣味の模型はコレでいきます。童友社のバリカン・コスモ。

このキット、もう何年も再販が無くて、最近じゃちょっとしたお宝状態です。ネットオークションでも意外に高値がついたりしてますが、内容を知っているだけに、これに5000円とかは出す気になれないよ、というのが正直なトコロ。

ところが昨年11月、模型仲間のくろボン君から、行きつけのお店になぜかこれがいくつも入荷してるヨ、というお知らせが。どうやら倉庫の奥から出てきたデッドストックを、メーカーの人が持ち込んだらしいのね。
早速買っておいてくれるようにお願いして、12月のSEMの例会で引き取ってきました。当然定価からの割引販売なので、1000円ちょいで手に入ってしまったという大ラッキーでした。こんなこともあるんですよね、タマーに。持つべきものはモケトモですよ。

前にも書きましたが、私は2代目コスモが大好きです。このクルマが登場した1975年、私は中学生でしたが、一目見て「これは世界一カッコ良いクルマだ！」と思い込んでしまいました。まあ無知の成せるワザ、ですな（笑）。

今見ると、押し出しの強いセンターグリルや太いBピラーに嵌め込まれたオペラウィンドー、ペンチでつまんだように尖ったショルダーラインなど、1970年代初頭のアメ車にしばしば見られたモチーフの寄せ集めです。この頃の日本車は対米輸出命！でしたから、アメ車の縮小コピーみたいなデザインが多かったんですね。
コスモのエラいところは、それが「ヘタウマ」に堕していないところです。5ナンバーサイズの中でトッチャン小僧っぽくならずに、アメリカン・マッスルのエッセンスを匂わせつつ、日本的な繊細さや上品さでまとめている。このクルマのデザイナー、実にイイ仕事してますよ（ちょっと誉め過ぎか）。

まあ、さすがに今では、これが世界一カッコ良いクルマだとは思いませんが、それでも好きですねえ。旧車イべントでキレイな赤いコスモＡＰを見かけると、しばたはつみの「マイ・ラグジュアリー・ナイト」がアタマの中に流れてウットリしちゃいます。あの歌はランドートップの「コスモＬ」が追加された時のCMソングですけどね。

さてさて、そんな2代目コスモのプラモデルですが、1/24は名作と名高いマルイと、エーダイグリップ、そしてこの童友社（旧ヤマダ）の3つだけ。しかも前2つは超レアでほとんど入手不可能です。
しかし童友社コスモ、かなりキッツい内容ですよ。ヤマダって、当時としても技術的にはB級メーカーだったようで、同じ時期のオオタキやLSのキットと比べても明らかにモールドがアマいです。インテリアは上げ底、シャシーはチカラいっぱいモーターライズですが、それ以前にボディのモールドがねぇ…

ハコの横っ面に完成見本の写真が載ってますが、それを見たら箱を閉じて忘れてしまいたくなること請け合いです。悪夢に出てきそうなダサさとはこのことだ。とてもマトモなコスモが出来上がるとは信じ難い。実際マトモなコスモはそのままじゃ出来ません。

実は15年くらい前、このキットをなんとか化かしてやろうと思い立って、あれこれ弄ってみたことがあります。しかし当時は改造工作の技術が乏しくて、途中で行き詰まってしまいました。
でも今なら、何とかできそうな気がします。私もこの15年でちっとは成長しましたよ。コスモかかってこいや！



↑ということで、とりあえずボディのバリ取り、パーティングの処理をしてみました。これだけでもひと仕事。もうガタガタなんだものアッチコッチ。
肝心のプロポーションですが、パッと見、意外にもにコスモしてるじゃん、という感じです。ネット上で見つけたカタログ写真の真横ショットと比べても、思ったほどダメダメじゃなかったです。上半分はね。
下半身はかなりキテますなあ。特にホイールアーチ。あんたドラッグレーサーですか？っていうくらいにデカいです。これはなんとかせんとイカン。



↑スカットル上にがっちりモールドされていたワイパーも削り落としました。エンジンフードは外れますが、エンジンは悪い冗談みたいなシロモノなので、使いません。というか、このキットで使えるのはボディと外装部品の一部だけですな。シャシーとインテリアをどうするのかは、まだあんまり考えてません。臓物関係は、ボディの性根を叩き直してから考えますかね。

あ、そうそう、ちなみにこのキット、正確には1/24じゃありません。汎用シャシーに合わせて設計されているせいで、ちょっとデカいんですよ。だいたい1/22.5くらいか。まあそれは気にしないことにしましょう。

まあ徐々にやっていきますよ。5月の静岡ホビーショーに間に合えばいいんですから。