切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

2022年7月 参議院議員選挙 その争点?は    2022.7.2

2022-07-03 00:00:04 | 日記


 7月10日に参院議員の選挙がある。テレビのニュースを、あるいは新聞の報道を見ていてもさほど盛り上がっている様子は感じられない。毎日車で外へ出て京都市内を走っているが、いわゆる政党の選挙カーにあったことはほとんどない。まして街頭演説はただの一度だけ目撃しただけだ。
 一応報道メディアでは最低限の事は確かに提示しているが、今回の立候補者数は特に東京で極めて多く、また政党投票があるということで、見たことも聞いたこともない名前の政党がずらりと並んでいる。中にはおふざけとしか思えないような選挙民を舐めてるようなところもあるようだ。いずれにしろ日本は二院制をとっている限り、衆議院と参議院がそれぞれの役割を持ち、参議院は通称「良識の府」と言われる役割を担っているはずだ。実際のところは別だが、一応表向きとしてはそういうことになっている。

◆ 争点で主なものは何があるのか?

 新聞やネットで色々と調べてみると多少の違いはあるものの
 ①経済政策関係
 ②社会福祉関係
 ③安全保障関係
 ④消費税関係
といったところが比較的大きく関心を集めているようだ。これは投票する国民の側のアンケートにおいてもそうだし、選挙される立候補者のアンケートにおいても比較的似たような傾向が見られる。

◆ 特に経済政策を中心に

 経済政策関係については何と言っても、メディアで何度も繰り返されているこの30年間、日本人の給与所得がほとんど横ばいであがっていないと言う奇妙な事実。同時に物価も極端なインフレもなく、ほぼ横ばいで推移してきた。しかしこのところウクライナ情勢を中心に、その影響が現れ一部の価格が急上昇を見せており、また今後他の商品等にも同様の傾向が現れるだろうと予想されている。これで所得が相変わらず上がらないと言うのであれば、国民生活がさらに窮地に陥るのは目に見るよりも明らかだ。
 先日日銀総裁は現在の円安の動きに対して、利率の引き上げをしないと明言した。つまり今までと同じ路線で行くということだ。これを受けて円はさらにその価値を下げ売られる方へとさらに成り下がって行った。そして同時にこのことは、国民所得の若干の低下を招くに至っている。つまり30年間給与は上がらなかったどころか、少し下がる方向に行くというのだ。同時にこれは連動して国民年金等の減額にも直結している。ただでさえ年金の少なさによって年金生活者が疲弊しているというのに、僅かではあるものの下げられるのだ。そしてこの乏しい年金から所得税などはがっつり取られていく。よほど貯金をしておかないと年金生活者そのものが、生活困窮者へと簡単に成り下がっていくのだ。

 これは税制の問題とも大きく関連している。よく大金持ちは税金もたくさん取られて大変だ、なんていう人がいるが、それは一面の事実ではある。しかし税率を考えると高額納税者というのは、相当収入や貯蓄に余裕のある人のことを言うのであって、謂わば累進課税でない現状では、納税額の不公平が出る状態になっている。低所得者が取られる税金と高所得者が納める税金はその割合からいくと、圧倒的に低所得者が不利な立場に立たされている。これがよく言われる高所得者と低所得者の不平等というものだ。日本の「格差社会」の大元になっている原因だ。かつて累進課税制度の下では、高額所得者が高額であればあるほど税率も高くなっていたが、今や妙な制限が設けられて一定以上の高額所得者にさらに負担を迫るようなことはなくなってしまっている。
 こうして小泉政権が掲げた大胆な政治改革というのは「格差社会」というものをもたらしたのだ。小泉政権の中にいた経済学者の竹中平蔵氏がこの政策を強力に勧めたと言われている。当の本人は小泉政権が途中で政権を放り出したのをいいことに、一緒に政界を去り慶応大学の教授に収まっている。今でも時々テレビに出て自分自身の経済政策が正しいことをぬけぬけと主張しているのだ。金持ちボンボンの戯言にしか聞こえない。
 小泉政権がもたらしたものはそれだけではない。技能実習生などという名前をつけて実態は東南アジアの人々を奴隷労働力のように扱い、いわば彼ら彼女らから搾取することによって、日本の製造業を中心とする各産業の下支えをさせようとして今に至っているのだ。一部のまともな業者を除いて大半の実習生受け入れ組織が、詐欺まがいの行為を行い、労働賃金を巻き上げ、日本という国に対して絶望させて本国へ送り返しているというのが実態だ。厚労省によるチェック機能はザルとしか言いようがない。



◆ 与党政権の白々さと無責任さ!

 これらの政策をずっと続けてきたのが、安倍政権を中心とする自民党と公明党の与党政権だ。ところが彼らは政権運営の代表でありながら、日本経済を低迷させてきた。もはや世界レベルで見た時に日本という国は、「先進国」と言えないのではないかという声も上がっている。日本国民全体が謂わば「貧乏国」に転落しつつあるのだ。加えて少子高齢化が何の対策も講じられずに、ほとんど野放しの状態で、一組の夫婦が子供を産む割合(出生率)を1.2人まで引き下げてしまったという責任は極めて大きい。安定的に人口を維持するには最低でも約2.1人という数字が必要だと言われている。ますます日本は外国人の労働力に頼らざるを得ない状況になっていくのだ。
 また労働賃金が上がらないのも一部の大企業においては、一定の黒字を出しながら儲けの部分を「内部留保」という形で蓄えている。つまりそれが労働者の賃金に還元されないのだ。企業にとってこんなに嬉しいことはないだろう。したがって企業のトップの一部だけが巨額の利益の恩恵を受けることになる。最近もある企業の外国人役員が退任するにあたって、なんと一般社員で言うところの退職金は十数億円になったと言う。何でこういうことになるのか。外部にいる素人の私など全く訳が分からない。
 このような手詰まり状態をどのように打開すればいいのか。円の金利を少し上げてインフレを起こし、同時に個人所得を増やすよう各企業などに条件付き義務化をしていけば、全体としては消費の行動にも活気が出てくるはずだ。しかし日銀はそれを全くしようとしない。その根本的な理由は一体どこにあるのか。

 いずれにしろ一般庶民が一生懸命働いても、生活に余裕などできないと言う実態が広がるばかりだ。まして生活困窮者にとってみれば、生死に関わるような事態に陥る。今や日本においても人々の結婚観や家庭環境、あるいは生活のパターンなどは非常に多様化しており、ひとり親家庭も随分増えている。たとえ協議離婚であっても、子供の養育権は母親がもち、元の夫は子供の扶養のために毎月何万円等を支払うということが成立しても、90%以上のケースではそのお金が払われていないと言う。つまりほとんどの男親というのは無責任でいい加減だということが、この数字からも明らかになる。そして母親の一人家庭では大変な苦労がその後を待っている。事と次第によっては家庭崩壊や最悪の場合に自殺などといったことも起こりうるのだ。
 確かにこういった点を見る限り、日本という国は暮らしていて「豊かで幸せな国」などとはとても言えない実態があることが明らかだ。



◆ 与党の自民・公明がこのような日本を作ってきたと言う、重大責任をどう思っているのか!

 そしてこのような状態に追い込んだのが、政権与党であることは誰が見たってわかる。具体的には現政権において自民党と公明党だ。
 その自民党や公明党がこの参院議員選挙で何と言ってるのか。
 自民党が真っ先に訴えるのは、「安全を守る」ということだ。ロシアや中国を念頭に置いた集団的自衛権のことをまずは訴えたいんだろう。公約をずらっと読んで行くと、小さい文字で国民の所得を上げ云々というのが出てきて、それも直接的な言い方ではなく生活の安全を守るという言い方を通して言っているだけだ。与党であればこんなことは、30年も賃金アップ無しを続かせているよりも、ずっと早く取り組んでおくべきことなのに、未だにこんなことを言っているというのは、文字通り茶番でしかない。要するに聞き飽きたとしか言いようのないものなのだ。要するにバックにある圧力団体の、経団連や日経連などの方針に手が入れられないと言う、大企業優先の政策が続いてきたことが、大きな原因であることには間違いない。
 公明党は何と言っているのか。全体のスローガンが「日本を前へ」何をしたいのか。これだけでは何のことかわからない。その後を読んで行くと難しい英語表現を使ったり、年寄りには分かりにくいような表現で、ようやく個人所得を上げていくなどということが出てくる。なぜ今更こんなことを言うのか。ずっと与党でいたのに何もしてこなかったのか。野党が言うならまだわかるが、与党のくせに国民が苦しんでいる、所得が30年間も上がらない、ということを今頃取り上げるとは一体どういうことなのか。こういうことを平然と言ってのける精神構造が理解できない。怠慢であり、国民だましもいいところだ。
 要するに与党などというのは政権運営をしている時には、その時々に提案された新しい法案の審議ばかりしていて、それを賛成多数で通すことばかりを優先しており、肝心な国民生活の実態や底辺に置かれた人々の苦しみなど、誰一人として目を向けようとしないということなのだ。そして選挙の時だけ文字通りご都合主義的なことを述べて票を得ようとする。

 そして選挙が終わって開票の結果、勝った勝ったと万歳して大喜びして、新たな参議院議員が生まれ「良識の府」がスタートする。でもやることは一緒。結局何も変わらない。多くの国民がそのことを知っているからこそ、投票率は低いのだし、特に今回の選挙で投票に行くかとのアンケート結果を見ると、若い世代ほど興味関心がないと言う項目は高いレベルだし、投票に行かないというのも多い。年齢がいけばいくほど、つまり高齢者になるほど興味関心が高く、投票に行くというケースが多い。これは複数のアンケートを見ても同様の傾向が出ている。
 しかしはっきり言って、私のような老人も選挙というものが、単なる通過儀礼に過ぎないことを強く感じているし、新たな参院議員が誕生しようが何しようが、今の制度の中では何も変わりようがなく、所謂政権与党が好き勝手放題にやることは目に見えている。参議院が「良識の府」などというのはおこがましいことも十分承知の上だ。つまり今の参議院は衆議院で論議された内容が可決されて、参議院に回されても論議の中身変わらず、結果も変わらず、そのまま素通り。つまりはっきり言って形式的な儀礼であり、もはや参議院の存在意義そのものが無いに等しいのではないかと思う。それでも何百人もの議員「先生」方には毎月100万円を超える歳費が支給され、同様の額の政務活動費かなんかが支給されて、儲かって儲かってしょうがないということになるわけだ。
 衆議院であれ参議院であれ、国会議員の人格も今や落ちるとこまで落ちており、「先生」などと呼ばれてその気になっている。その馬鹿さ加減が哀れにしか見えない。未成年に酒飲ませて金渡しておそらく買春をしているであろう国会議員は未だに説明もしないし辞職もしない。

 つまり国民はもうつくづく嫌気がさしているのだ。そんなこともわからないでニコニコ選挙運動をやっている候補たちの心情が、どんなものなのか理解しがたい。名前連呼して出来もしないやろうともしない公約みたいなものを並べて、それで選挙が成り立つとでも思っている浅はかさが、国民の関心の薄さに輪をかける結果となってしまっている。


 
 それでも私は一応国民の義務として、議員選挙には投票に行くべきものだと考えているし、今回もどう裏切られようが何等かの一票は投じる。関心がないから投票しない、などと言う人々には何を言う権利もないのだ。まずは白票でもいいから選挙には行くべきなのだ。


  (画像はTVニュースより)

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