11月19日、ようやく引っ越し完了。 11月初旬から荷物整理を始め捨てる物、持っていく物を分けて持っていく物を運送会社から渡された段ボールに入れて行く。 文字通り 午前中から夕方まで昼休みを挟んで、毎日毎日それを続けていた。あまりにも 所有物が多すぎてとても間に合いそうにもない。できるだけ 自分自身で判別をしていきたいと思っているが、間に合わなければ引っ越し前日に会社の梱包部隊がやってきて、私の指示のもとに どんどんどんどん詰め込んでいくことになる。多分、大事な物を忘れてしまうようなことにもなりかねない。そんな状態だから次第に精神的にストレスが溜まり、焦りとともに体調も異変が出始めた。
引っ越し 4日前に、冷凍のチヂミを解凍して食べた。そのすぐ後から強い胃もたれが始まり、胃痛が始まる。嘔吐感が強くなりなんとか我慢したが、翌日 朝食で食べたものを全て吐いてしまった。 胃もたれと胃痛が続き、荷物梱包の作業効率も大幅にダウン。そしてついに引っ越し前日、女性3人の梱包部隊がやってくる。まさか女性ばかりだとは思わなかった。どれを梱包してどれを残すか、3人から次々に質問され即判断し新しい部屋のどこに置くのかと聞かれる。ここでついに強い吐き気。結局この日は朝から夕方にかけて3回、嘔吐した。自分でも体が げっそりしているのがわかるほどだ。
女性三人の梱包隊はさすがにプロで、どんどん箱を組み立て荷物を積み込み、テープであっという間に1箱 作ってしまう。こうしてわずか1時間半で梱包作業を終えてしまった。 当然 部屋はあちこち ぐちゃぐちゃな状態で、自分でもどれを持って行くのか、どれを置いていくのかがわからなくなってしまったような感じになった。3人の女性は中年 二人、 若い人 1人。 特にごつい人でもない ごく普通のおばちゃんやお姉ちゃんといった感じの人たちだ。なのに かなり重い箱も一気に持ち上げて運んでいく。やはり何かコツがあるんだろう。ある意味見てて見事なものだと思えた。こうして昼前に3人は仕事を終えて帰って行った。
夕方に会社のトラックがやってくるので、それまでに自分自身で取り残している物や色々な物を確認しながら、新たに梱包して箱を作っていく。しかし嘔吐したこともあって 疲れ切ってあまりやる気が出ない。そうこうするうちにトラックがやってきた。今度は比較的若い男性ばかりで、皆でかい人たち ばかりだ。ただ単に重い箱を運ぶだけではなく、テレビにしろ 冷蔵庫にしろ マッサージチェアにしろ、極めて重い 70~80kg くらいあるようなものも慣れた手つきで どんどん運んで行きトラックに積み込んでいく。やはり 体力勝負であり、また 同時に体を痛めないように運ぶコツというものを習得しているんだろう。やはり 仕事を通して慣れているので、見ていてもしんどそうな雰囲気は全く感じさせない。そこは 引っ越し業者のプロというものだ。
そして19日。朝から 新たな 引っ越し先のマンションに早めに入り、しばらくしてから業者のトラックがやってきた。当初の話では荷物の多さから夕方までかかるかもしれないという見込みだったものの、 彼らの何とも素早い作業で昼過ぎには全て終わってしまった。マンション入り口から動線上に養生テープを貼りシートをエレベーター内にも貼り、そして部屋まで それが続く。そういう作業はあっという間だ。 そして 荷物の搬入。これもまた自分自身がその荷物はこっちあっちと指示をして、次々に運ばれてくる。こうして あっという間に搬入作業は終わってしまった。この引っ越し代 だけで約25万円。 ネットなんかで見ていると 5~6万円で済んだとか10万円とか、という声があるとともに、 中には30万とか50万円かかったとかいう話もある。 どういう基準で見積もりを出しているのかが分かりにくいが、基本的には荷物の量と運ぶ 距離ということだろう。 転居先は旧宅からわずか1.5km。 徒歩15分 といったところだ。 まあ 2トン車が使用されたので、その分もあるのかもしれない。 一人暮らしの引っ越しというのは 軽トラックで済ます場合も多いと聞く。そういった場合にはかなり 割安になるらしい。いわば大手ではなく個人経営の引っ越し業者だ。 今回はテレビの宣伝でも有名な 全国展開の業者を選んだ。パンダのマークでおなじみだ。
転居先は 駅から徒歩1分、という好立地のいわゆるシニアマンション。 介護付き老人ホームとは全く違うものだ。 シニアマンションと言いながら実際には、若いファミリーや 中年の夫婦なども 入居している。そういった意味では年齢に関係なく 普通に購入できるマンション。建物全体が バリアフリー となっており、各部屋に体調が悪くなった際に緊急、あるいは 非常ボタンが設置されており、 24時間体制で管理人が常駐しているので、 いざという場合には頼りになるマンションだ。他に朝から夕方までは受付にコンシェルジェの女性が2名常駐しており 受付業務にあたっていると同時、健康上 心配な人の部屋の見回りなども行われている。 今回は2SLDKを購入した。面積で約70㎡ 近くだ。
このマンションには男女別の大浴場があり、また休みなしで経営されている食堂がある。お年寄りにとってみれば この食堂で朝昼晩食べるというのは、非常に 体力的にも助かるものだ。 ただ1日分で約1500円になる。自分では時々使用する程度になると思う。基本的にはもっと 安上がりで済むようにしたい。
マンションのすぐ前が地域スーパー 。そしてその横にはコンビニ。 さらに 私の主病院が 徒歩 5分ぐらいのところにある。そういった意味では非常に便利な場所にあり、環境的にもいいものだと言えるだろう。
2年ほど前からこのマンションを調べており、 いくつかの 不動産業者にネットで登録して空き部屋が出たら紹介してもらうという形にしていた。しかし かなり 人気のあるマンションで、なかなか空きが出ない。 出てもすぐに待っている希望者で埋まってしまう。そういったマンションだ 。築10年を過ぎているので 価格もお手頃 といったところだろう。
結局のところ 約40年住んだ家を売却してこのマンションに入ることにした理由は、 独居 じいさんであるという現実だ。近くに親戚は全くいない。肉親も全くいない。 家の中で倒れて発見が遅れるのは確実だ。 近所付き合いと言ってもお互い高齢者が多く、 お互い立ち話でもして楽しくおしゃべりをしているようなこともない。そういった意味では自分自身の残された年数のことを考えると、最後の最後は早く発見されて 処置してもらう方がいいのではないかと考えた。そういった点でこのマンションは その条件を叶えている。 実はこのマンションの隣にも似たようなマンションがあり、 シニアの人たちが食堂で食べている姿を見ることができるが、さすがに大浴場付き というマンションは極めて珍しい。
最終的に ここを選んで良かったのかどうか、 という判断はなかなか難しいものだ。 やはり40年間住んだ土地はそれなりに愛着もあり 後ろ髪引かれるようなものもあった。ご近所さんへの挨拶はしたが、 皆さん 驚かれていた。 一部を除き多くの人が私より年上の人 たちばかりだ。 そのご近所さんでもここ数年の間に亡くなった方が何人か出ている。 あえて無理して引っ越さなくても良かったのかもしれないが、今更 考えても仕方がなくこのマンションの中で最後を迎えるという覚悟で臨んでいきたいと考えている。