切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

金比羅宮 京都市伏見区

2021-10-08 23:04:00 | 撮影
金比羅宮



 京都で有名な金比羅宮といえば安井金比羅宮となるが、ここはほとんど知られていない。ごく小さな金比羅宮だ。国道1号線沿いの細い路地を少し入ったところにあって、全くと言っていいほど目立たない。
 神社全体は狭い敷地に鳥居が立ち、しかもかなり新しい。額にははっきりと金比羅宮と彫られている。狭い境内に少しの樹木と小さな祠が並び、入り口には鉄柵の門があって普段は閉じられている。名前以外に何の情報もなく、由緒その他は全くわからない。なぜこのような場所にあるのか。後は名前を頼りに推測してみる方法しかない。
 金比羅宮においてはその総本山にあたるものは、あまりにも有名な讃岐国、今の香川県にある金比羅宮だ。琴平電鉄の駅を降りてそこから何百段とある階段を登ってようやくたどり着く。金比羅山の上にある。明治以前から「金比羅ふねふね」の歌でも知られるようになっている。元々は金毘羅大権現を祀っており、これは神仏習合の神となる。その後明治になってから神仏分離令が出され、金毘羅大権現は廃止。代わりに祭神が大物主(おおくにぬし)となった。歴史的にもここへの信仰はかなり広く、全国に今現在も600社あると言われる。果たしてここ伏見区の鳥羽にある小さな金比羅宮も、その一つに入っているのだろうか。



 現在の祭神は大物主と崇徳天皇であり、上記のように金毘羅大権現は廃止となったはずだが、こちらの神社は金毘羅権現を祭神としているという話がある。その辺りの詳細については全くわからない。
 ご利益としては海上交通の安全を祈るものであるとされ、ここがそれに該当するとすれば、西側に鴨川が流れ、さらにその西に桂川が流れる。若干離れてはいるものの、桂川から淀川へ至る河川などの水運の無事を祈って、この地に建立されたものなのかもしれない。神社全体がかなり新しく、本当に最近建てられたものか、あるいはずっと昔からあったものが朽ちてきて、新たに建て直したものなのか。その辺りも全く不明。
 小さな神社ながらも、場合によってはその背後に大きな大きな昔の人々の想いが込められていたのかもしれない。

  
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