金木病院

太宰治のふるさと津軽の金木町。危機に瀕した金木病院がみんなの協力でもちこたえました。

救急再開の現場記録!

金木病院・救急取り下げの波紋

2006年11月30日 14時19分08秒 | 金木病院を守ろう
市が11月10日にすでに県に金木病院の救急業務中止の申し入れをしていた問題は、二万人の署名者に大きな衝撃をあたえた。

そんななか、このたびのまるで問答無用ともいうべき手法に義憤を感じてわたしどもの活動に協力したいと連絡をくれた方がいる。角田周氏である。

以前、かなり手きびしいことを書いた。この場をお借りしてお詫びする。ともに連携して金木病院の救急維持のために頑張りたい。

さて、当会としては救急維持が実現するまで「ホワイトリボン運動」を展開する。ハンカチでもタオルでも白いものならなんでもいい。それを自宅や店舗に貼り付けたり縛り付けたりするのである。金木病院を見捨てない。金木病院をあきらめない。そんな意思表示のキャンペーンにみなさんもご協力いただきたい。

金木病院署名・署名簿を提出

2006年11月29日 14時24分40秒 | 金木病院を守ろう
本日午前9時30分、五所川原市役所市民談話室に当会メンバー11名がおもむき平山市長に署名簿を提出した。
その後約30分にわたり市長と懇談した。市長としては医師不足のおりから2名の内科医を確保するのは難しいという従来と変わらない返答だったが、医師確保にむけてどれほどの努力がなされたのかという質問に対しては明確な返答がなかった。

メンバーから、医師確保のための専門チームの設置や地域の他の医療機関との連携による救急維持は可能ではないかなど厳しい意見が相次いだ。

二万人の願いを「医師不足」という一言で切り捨てるようなことはあってはならない。あらゆる可能性にチャレンジし、文字通り「汗を流して」医師確保に努めるのが行政の義務であろう。

「東奥日報」
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2006/20061129131550.asp

二万人が納得する取り組みがこれからなされるのか、なされないのか。もしも前者とすれば、住民不在の市政と言われてもしかたあるまい。真摯な取り組みを期待する。金木病院の救急維持は市政が市民から信頼を得るのか、はたまた不信感を生むのかという大きな問題であることを認識すべきである。

一日も早い医師確保を願ってやまない。

また金木病院救急維持署名はすべてのメディアがとりあげているが、この問題は公立金木病院だけにとどまらない社会問題であることを意味している。本日夕刻のテレビ全局が報道する。また全紙が記事としてとりあげる。是非ご覧いただきたい。

医師配置基準・青森最低の43%

2006年11月29日 07時17分08秒 | 青森県の医師不足
医師の数が医療法の配置基準を満たしている病院の割合について、厚生労働省は都道府県ごとのデータを初めてあきらかにした。大阪の96%や東京の94%をはじめ都市部が高い一方で、青森の43%、岩手の55%など東北や北海道の低さが際立ち、地域の偏在が顕著だ。(06.11.29「朝日新聞」)

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医師不足は全国的な問題であることに変わりは無いが、青森の状況は悲惨としかいいようがない。これは「医師不足」ならぬ「医師不在」状態だ。ひとつ上の岩手と比較してもなんと12%もの差がある!つまり青森県の医療は救いがたいほど深刻な状態に陥っているということだ。日本の最低が吹きだまる青森県・・とてもこんなところでは暮らせない。

これは県行政の無能無策によるものである。ここまで青森県の医療を貧弱にした責任が問われてしかるべきだろう。おおらかに「医療再編・グランドデザイン」だとか、先例がことごとく失敗におわっている「中核病院構想」だのを論じている場合ではない。尻に火が付いている。ひとりでも多くの医師を確保すべく今日から靴を擦り減らして全国を歩き回るべきであろう。無論、医師の待遇改善も緊急の課題である。

金木病院・署名活動終了

2006年11月27日 14時47分50秒 | 金木病院を守ろう
11月11日から26日までの金木病院の救急体制を維持する署名活動が終了し、最終署名数は19,803筆となった。

当署名簿は11月29日(水)午前9時30分に五所川原市長に提出される。金木病院の救急維持は二万の命の願いであり、四万の目が見守っているということだ。重く受け止めていただきたい。

金木病院署名・分析

2006年11月26日 11時02分01秒 | 金木病院を守ろう
金木病院のある旧金木町の人口は11,447人である。このたびこの地区からいただいた署名は7,757筆。さらに町内の施設から400ほどいただいているので合計8,157筆である。8,157÷11,447=0.7125だから、旧金木町民の七割以上が署名した計算になる。もちろん文字の書けない乳幼児や高齢者、また仕事や学業で不在のひともいることを勘案すればこの割合は実質的にもっと高くなるはずだ。

たった二週間の署名活動でこれほどの反響は正直予想していなかった。当初は一万筆を目標としていたのだから。嬉しい誤算だった。

署名にご協力いただいたみなさまに深甚なる敬意と感謝を表します。ありがとうございました。

金木病院署名・二万筆に迫る!

2006年11月25日 21時36分35秒 | 金木病院を守ろう
本日午後六時から署名の取りまとめがおこなわれた。
総計18,548筆にのぼった。
署名に取り組んだ「核」となった人たちから、拍手が起こった。

明日、協力団体などからさらに1,500~2,000筆が見込まれている。最終合計は20,000筆に達する見込みだ。

金木病院を頼る地域住民は40,000人と言われる。なかでも旧金木町および旧中里町がそのほとんどを占めるがその人口はおよそ25,000人。このたびの署名は結果的に主としてこの旧二町から集められたが、この数字は他地区からの署名を差し引いても、金木病院に特に深い関わりをもつ地域住民の七割以上が「金木病院の救急を維持する」声をあげたということだ。署名活動を開始してたった二週間でこれほどの結果を見た。これは何を意味するのだろうか。いかに地域の人びとが金木病院を命の支えとしているか、救急体制の存続をいかに切実に願っているか・・それが明らかになったと言える。

今月末、五所川原市長あて署名簿が提出される。市民の声を重く受け止め、金木病院の救急体制を万難を排して維持していただきたい。20,000人の切実な願いを無視するようなことがあっては、人口65,000人の五所川原市は数理的にも成立しないだろう。

金木病院・署名活動(4)

2006年11月25日 08時10分51秒 | 金木病院を守ろう
なかには署名を拒否するひともいるのはやむをえないことだ。署名はお願いする側が主体ではなく、自分の名前を書く側が主体である。
中泊町のある地区は、先立ちによって拒否された。この地区に暮らすすべてのひとたちが拒否したわけではないから、この方の先立ちとしての誤判断はとりかえしのつかないものだ。金木病院の救急維持署名は文字通り急を要する。地区住民から署名する機会を奪ったその責は大きい。

以下、ブレヒトの詩を紹介する。

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仏陀はパンの木の下に坐っていて  
べつの弟子たちに、つぎのような
たとえばなしをして聞かせた、 -ちかごろ
一軒の家を私は見たが、その家は燃えていた
めらめらと屋根に炎、 そばへいってみると
なかにはまだ人びとがいた、 私は
玄関へ入りこみ、 かれらに叫んだ
「屋根がもえていますよ」そして早く
家から出なさいとうながしたのだが
かれらは急いでいないようだった
ある一人のごときは、もう眉毛をこがしながら
私にきいたものだ、そとの様子はいかが
雨がふってますか、風が吹いてますか
べつの家がありますか、などなど
これに答えないで私はその家から出てきたのです
この人たちはとわたしは思いました、 その質問を
やめないうちに焼死するにちがいないと
ほんとうです、友人たちよ、床がそう熱くないので
それを他の床とかえようとせず、そこに
とどまっていたい人に、なにもいうこと
ありません。(ブレヒト「仏陀火宅説話」から)

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鈴木厚『日本の医療に未来はあるか』(ちくま新書)

2006年11月24日 20時13分20秒 | その他
金木病院の救急体制取り下げ問題で、五所川原市長や県議会議長も青森県に救急確保を要請している。しかしその応対は厳しい。何故なのか。もっと大きな力が背景にあるのではないのだろうか。
医師不足の背景はみえにくいが、この書には目からうろこだった。要するに日本は医療費を削減する方向に向かっていて、それが様々なところに軋みを生じているということだ。「国民の安全と福祉」を実現すべき国が、実は国策の誤りによって医師不足を招いているのである。是非とも一読されることをお薦めしたい。

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(医療費を含む)社会保障費は国家予算の二〇%を占めています。このことから日本の社会保障費が高すぎると思っている人たちがいるかもしれません。しかし日本の社会保障費が、欧米と比較すると非常に低いレベルにあります。一般には知られていませんが、日本の社会保障は欧米と比較して低いだけでなく、社会保障費は毎年連続して減少しているのです。国が出す社会保障費の国庫負担は、この二〇年で二九・二%から一九・〇%へ減少しています。これを金額に換算すると年間一〇兆円の減額に相当するのです。
図表22は社会保障給付費と他国を比較したものです。各国の医療費、年金などの社会保障費をその国の国民所得と比較したものです。日本の社会保障が他の国と比較していかに低いかが分かります。政治家は選挙のたびに福祉、福祉と口に出しますが、日本の福祉は低いレベルにあります。しかも特記すべきことは、この一〇年間で、先進国では日本だけが社会保障費を減額しているのです。福祉国家という世界の流れに日本だけが逆行しているのです。社会保障支出額/国内総生産額を調べると、この一〇数年間で日本は四・一%から三・四%へ減少しています。しかしアメリカは二・九%から四・八%への増額、イギリスも七・四%から一二・四%へと増額しています。イギリスのブレア首相は、イギリスの医療費をこの数年間で一・五倍増やすことを公約しているくらいです。このように先進国では日本だけが社会保障費を減額している事実を知るべきです。
政治家のほとんどは、選挙のたびに医療や福祉を公約にあげています。しかしやっている政策はまったく逆なのです。医療や福祉を良くするといいながら、悪くしているのは日本だけです。(同書pp63-64 冒頭の括弧は管理者補足)
(写真:図表22)

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