金木病院

太宰治のふるさと津軽の金木町。危機に瀕した金木病院がみんなの協力でもちこたえました。

救急再開の現場記録!

来園者にアピール!

2007年04月30日 06時02分29秒 | 金木病院を守ろう
金木町のさくら祭りが県立芦野公園で3月29日から8日間の日程で開催された。期間中の来園者はおよそ30万人が予想されている。

金木病院の救急体制を維持する会は開会日の昨日から来園のみなさまに「金木病院の救急体制を復活するホワイトリボン運動」のチラシ配布を開始した。

東京ふるさと金木会(工藤銀次郎会長)の協力を得て、初日1時間で約1,000枚のチラシを配った。チラシを受け取った人のなかには「先日救急車で五所川原の西北中央病院に搬送されたが、満杯でつがる市のセンターに運ばれた。不安だった」と金木病院の救急取り下げからくる救急体制の不備を訴える人もいた。

会期中、10,000枚を目標にチラシ配布をおこなう。

通奏低音のような不安をいだく人たちと連帯し、金木病院救急復活の声をさらに高めたい。


『陸奥新報』記事 http://www.mutusinpou.co.jp/news/07043002.html

自民が特命委発足

2007年04月29日 13時40分59秒 | その他
医師不足対策:自民が特命委発足 医師派遣制度など検討

自民党は27日、医師不足対策を協議する特命委員会(委員長・中川昭一政調会長)を発足させた。地域の拠点病院からの医師派遣を制度化し、小児科、産科の医師不足を解消する案などを検討する見通し。6月をめどに緊急対策案をまとめ、参院選マニフェストに盛り込む。公明党も同日、同様の対策本部を設置しており、参院選をにらんで、与党でこの問題に取り組む姿勢をアピールする狙いもあるとみられる。

厚生労働省によると、人口10万人当たりの医師数(04年)が最も少ないのは埼玉県(134人)で、茨城県(150人)、千葉県(152人)と続く。埼玉県と最多の徳島県(282人)では2倍以上の開きがあるなどばらつきが出ている。【坂口裕彦】

毎日新聞 2007年4月27日 19時23分
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20070428k0000m010057000c.html

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理由は選挙対策であれなんであれ、自民が医師不足対策に取り組もうとする姿勢は評価したい。

すこし前までは医療問題は票に結びつかないからと、どの政党もとりあげなかった。

期待したい。

東京でPR

2007年04月27日 06時37分37秒 | 青森県の医師不足
医療研修ぜひ本県へ 7月、東京で支援体制PR

『東奥日報』 http://www.toonippo.co.jp/


県医師臨床研修対策協議会が二十六日、青森市で開かれ、研修医確保に向けて今年七月に東京で開かれる合同説明会に、臨床研修病院関係者が出席、関東地区の”医師の卵”に対して、本県で研修してもらうようPRすることに決めた。民間企業が主催する合同説明会は、全国の病院が県単位でブースを設置し、医学部四-六年生に研修病院の情報を提供する。

協議会メンバーからは「合同説明会ではスノーボードや目立つ写真を使って本県をPRし、医学生の心をつかんではどうか」「他県は相当PRに力を入れてくるはず。研修病院が一丸となって、青森をPRする企画が必要だ」などと意見が出された。

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スノーボードの写真で研修医がきてくれるなら世話は無い。

あと三ヶ月もないのに、この泥縄では研修医を呼び寄せることはむずかしい。でも、悲観的なことばっかり言ってもしょうがない。まずはPRすることが大切で、全力をあげて努力してもらいたい。

以下に私見を述べる。

1.民間医療法人の医師確保策はレベルが違う。民から学べ。
2.青森県医療の閉鎖性(ムラ社会)の解体。外部からの研修医を大切にできるか。
3.募集と同時にこの国の医療施策批判もアピールすることが、彼らの心を掴む。

勤務医アンケート

2007年04月26日 10時02分42秒 | その他
勤務医アンケート:回答者の8割「厳しい環境」--県保険医協会 /熊本
 ◇要望1位「医師の人員増」

8割近くの勤務医が「今の職場環境は厳しい」と思っている--。県内の医師・歯科医師で作る県保険医協会(熊本市・吉住眞会長)がこのほど実施した調査で、多くの勤務医が労働条件などに不満を持っている実態が明らかになった。【高橋克哉】

調査は協会加盟の医師のうち、病院勤務の医師1325人にアンケートを配布。約2割の263人から回答があった。

このうち「勤務医のおかれている現状についての認識」という質問(選択式)では、202人(全体の76・8%)が「体力的あるいは時間的に厳しい勤務環境」と回答。「適当な勤務環境」は57人(21・7%)▽「余裕のある勤務環境」はわずか4人(1・5%)だった。また「勤務で最もストレスを感じること」(複数選択式)では(1)時間外呼び出し(2)休暇が取れない(3)救急業務--の順だった。「現状改善への方策」(同)では(1)医師の人員増(2)当直明けの確実な休暇取得(3)給与改善--などが上位に挙がった。

個別意見では「地域医療における開業医と勤務医の役割分担を義務化する必要がある。一次救急は勤務医の仕事ではない」(30代)など、医療体制への注文が出されたほか「救急外来がコンビニ化してきている。特に小児救急での母親の横柄な態度なども目立ち、以前と比べて患者・家族の要求が高くなった」(30代・民間病院勤務医)▽「一般の人々が医療に過剰な期待と不信を持つようになった。マスコミが『患者の立場に立って』医療事故を過大に報道し続けたことが大きいと思う」(40代・公的病院勤務医)など、患者や報道に対する不満も多くあった。

同会は21日、熊本市内でシンポジウムを開いた。参加者からは「出産や育児などで現場を離れた女性医師が復帰できるような環境整備が、医師不足解消と医療水準の向上につながる」という意見も出ていた。

毎日新聞 2007年4月22日
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kumamoto/news/20070422ddlk43040355000c.html

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熊本と青森はその地理的へだたりにもかかわらず勤務医の実態が酷似している。回答率もしかり、勤務医の現状やら希望しかりである。話は飛ぶが、中世に東北の蝦夷(えみし)が俘囚として熊本に移住させられたことがある。青森と熊本は同一の先祖をもつひとが多い。閑話休題。

この国の医療を守る方法はただひとつ。国策として勤務医増をはかることに尽きる。最近、厚労相がいろいろ施策を打ち出してきたが巨艦は動きがにぶいのである。それらが現場に反映されるまではまだまだ時間がかかることだろう。

より積極的な方策が打ち出されることを願うとともに、地域医療の充実を決してあきらめないで訴え続けていきたい。

平川病院休止3

2007年04月25日 06時22分10秒 | 青森県の医師不足
平川病院職員 市長が解雇方針撤回 公務員身分を保証

『東奥日報』 http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070425112528.asp

診療所化の方針が打ち出された国保平川病院の職員約五十五人の処遇について、平川市の外川三千雄市長は二十四日、市職員労働組合との団体交渉で職員全員解雇の方針を撤回し、公務員の身分を保証して対応する意向を表明した。労組側は、市長提案に一定の評価を示し、今後、条件面など細部の交渉を行う予定だ。


対話集会開催 市長らに要請へ 病院を守る会

『東奥日報』

平川市の「平川病院を守る会」(木村友彦会長)は二十四日、市文化センターで緊急市民集会を開き、市直営での病院機能存続を求める市民の声を外川三千雄市長と市議会に伝えるため、対話集会の開催を、市長と市議会に要請することを決めた。

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平川市民の行動に敬意を表する。ややもすれば声をあげにくい、声をあげれば圧力がかかるこの国の社会(というか世間)。

わたしどもの救急復活の取り組みも、大局をみうしなった人たちからの批判が多い。目指すは地域の医療を守ることであって、現状がこうだから医療切捨てを認めることが目標では決してない。

また、このような大原則に賛同するひとたち(医師、議員も含めて)が現在連帯しながら金木病院問題に取り組んでいることも報告したい。


※発売中の「女性セブン」に金木病院問題が18行にわたって言及されています。
ブログ「産科医療のこれから」さんで読めます

一時借入金135億円

2007年04月23日 06時37分47秒 | 青森県の医師不足
夕張市の破綻を教訓に総務省が「一時借入金」の監視を強化したという。自治体病院を運営する事業者(自治体や組合など)の借入金ランキング(平成17年度)がブログ「五里霧中於札幌菊水」さんに公開されている。

http://blog.goo.ne.jp/peak1839/e/f931bdb267aef988be1607f69a09f6ea


トップが青森県下北地域の医療組合「青森県一部事務組合下北医療センター」で借入金は13,477,986,000円。二位の夕張より100億円も多いだんとつのトップだ。ちなみに金木病院は48位にノミネートされている。

下北圏域はむつ総合病院を中核病院として医療集約をおこない、地域の病院はリストラされて住民がたいへんな不便を強いられている。一部事務組合解散の話もあったが、この借入金がそれぞれの町村に回されると自治体自体が一気に再建団体に転落するというので解散が見送られた経緯がある。

いったい・・下北は救えるのだろうか。医師はいない、病院は無くなる、赤字は膨らむ。この国の閉塞した医療行政がもたらした「負のスパイラル」の典型が青森県下北圏域にある。

あすは我が身か・・・。

平川病院休止 2

2007年04月21日 06時52分19秒 | 青森県の医師不足
平川病院休診で 市職労などが現地闘争本部

『陸奥新報』 http://www.mutusinpou.co.jp/

五月からの診療休止が決定的な国保平川病院をめぐる問題で、平川市職員労組と自治労県本部は二十日、市内で会合を開き、現地闘争本部を設置した。組合長に就いた自治労県本部の力石利博中央執行委員長は「現地の人たちと一緒に、無床診療所転換案の白紙撤回と病院存続を求めていく」と話した。

また同日、メンバー約二十人が市役所を訪れ、外川三千雄市長に組合側との再度の話し合いを要求した。

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平川市は自治労(社民系)のつよい地域。現地闘争本部が発足したのは理解できる。ところで、平川病院がこの地区になぜ必要なのかということをまずは訴えないと、五十五名の職員を守るためだけの闘争ととられはしないだろうか。

平川病院をまもるためには、平川市住民の賛同を得なければならない。今後の活動に注目したい。

わたしは、医療は身近であるべきだと考えるものである。この医師不足時代になにをのどかなことを言っているのかとまたお叱りを受けそうだが、これは将来実現すべきものとして決して引く気はない。

「人は実在しているものを目で見る。そして『なぜあるのだ』と問う。私は実在したことが一度もないものを夢見る。そして『なぜないのだ』と問う。」(J.B.ショー)

平川病院休止

2007年04月20日 06時07分17秒 | 青森県の医師不足
平川病院、常勤医ゼロで来月休止
『東奥日報』
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070419085730.asp

平川市の国保平川病院は、院長と副院長が三十日付で退職するため、五月から病院休止になることが十八日、分かった。五月以降、期日をおいて無床の診療所に移行する見込みだ。同日の議員全員協議会で、外川三千雄市長から常勤医二人の退職と、病院の民間委託交渉が不調に終わったことの報告があり、無床診療所へ転換させることで意見を集約した。

全員協は非公開で開かれた。選択肢として挙げられた(1)指定管理者制度での民間委託(2)無床診療所への転換(3)そのほかの方法-についてあらためて協議した。

協議終了後、大川喜代治議長は「病院存続を主張する人や、病院の使命は終わったという議論もあったが、大多数の議員が無床診療所を選択した。小さくなるが市で地域医療を守る」と話した。

外川市長は「議員の意見を基に、検討委員会などで詰めていく。病院を休止する期間をできるだけ短くしたい」と答えた。

診療所開設までの手続きとして、設置条例の制定など事前準備や、県への開設申請で実質一カ月近くかかる。前提となる常勤医の確保について、同市長は「あてはあるが、今の職場を辞めて来ることになるので、まだ期日がはっきりしない」と話しており、診療所開設時期は未定だ。

通院している女性(70)は「これからどこへ行けばいいのか」と困惑顔。別の女性(78)は「救急車が来ない診療所なんて意味がない」と失望感をあらわにした。市内の主婦(50)は「市長はもっと市民の声に耳を傾け、患者を大事にしてほしい。転院させられた患者は泣いている」と訴えた。

一方、市側は病院職員に対し、五月末までは病院休止中も勤務してもらうと説明したが、市職員労働組合は今後の処遇について団体交渉を申し入れた。

【関連報道】

『陸奥新報』
http://www.mutusinpou.co.jp/news/07041902.html

『Yahooニュース 河北新報』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070419-00000001-khk-l02

『毎日新聞』
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/aomori/news/20070419ddlk02100174000c.html

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今は「休止」だが、状況から再開の見通しは暗い。

ところで、気になったのが「病院の使命は終わったという議論」だ。平川病院の使命とはいったい何だったのだろうか。

この地域には多数の民間診療所がある。あえて言えば救急と入院施設ということだったのではないだろうか。後者に関しては近隣の病院に入院させて問題はないという冷静な地域の声も聞かれる。では救急体制はどうか。これまた弘前市、黒石市がカバーできる。

平川病院が自治体立の診療所となる。

それこそ自治体が診療所を運営する意味があるのかどうか。病院再開をめざすために灯を消さないという苦肉の策であれば理解できる。署名運動の話もあったが、どうなったのだろう。平川病院が本来、地域に不可欠のものだったのかどうかが問われる。それを否定するのであれば、住民はもっと声をあげなければならないと思う。

連携阻む大学の”壁”

2007年04月18日 07時03分57秒 | 青森県の医師不足
シリーズ「つなぎとめる命」 本県医療は今
第1部 お産の風景 ”時限爆弾”抱える八戸 数年後産科医ゼロ!?
           高齢化、集約に危機感
『東奥日報』 http://www.toonippo.co.jp/

連携阻む大学の”壁”

八戸には、大学の系列という”壁”が存在した。八戸市民病院は東北大、八戸赤十字病院は岩手医科大、青森労災病院は弘前大という系列がある。系列が違う病院同士で協力体制を築くことは難しい。

八戸市民病院では、弘大出身の片桐医師を招聘する動きがあった。しかし、実現しなかった。「片桐先生にはぜひ、うちに来てもらいたかった」と市民病院の関係者は悔しがった。

その中で産科医不足にあえぐ弘大が今春、労災病院から産科医を引き揚げることを決めた。事実上の八戸撤退。三月末、約三十年間続いた労災病院産婦人科の歴史にピリオドが打たれた。「仕方がないことだ。しかし、青森県の大学が八戸地域から手を引いたことは残念」と、元労災病院の産科医だった小倉医師。

「八戸も、同じ県内だということを自覚してもらわないと。引き揚げられた病院の影響も考えてほしい」と、苫米地レディースクリニックの苫米地怜医師(五九)=八戸市=の表情は厳しい。

今後、一層、産科集約が進んだ場合、各大学から遠い八戸地域が医師引き揚げのターゲットになる恐れがある。

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医療問題に積極的に取り組む地元紙『東奥日報』が新連載をスタートさせた。医療崩壊がもたらす悲劇はそれぞれに悲劇である。地域の実情が具体的にとりあげられることによって、ことの深刻さがあきらかにされることを期待したい。

学閥とか派閥は、医療がある程度順調に推移していたころは特に問題にならなかった。あらゆるシステムにもいえることだが、危機的状況になってはじめて、そのシステムの欠点が露呈する。

学閥とか派閥は本来自らの利益を守るものである。八戸の産婦人科医不足でその正体があきらかになった。目線が地域住民にむいていないのである。

系列(=学閥)は、この国の医療システムを考えるさいの、乗り越えるべき大きな課題であろう。

研修医9人が違法バイト

2007年04月17日 11時40分27秒 | その他
当直として単独勤務、研修医9人が違法バイト…兵庫医大

『読売新聞』
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070415i301.htm

兵庫医大病院(兵庫県西宮市)の臨床研修医9人が研修期間中、別の病院で少なくとも計46回にのぼりアルバイトをしていたことがわかった。

2004年度から施行された新医師臨床研修制度で研修医のアルバイトが禁止されてから、多数の違反が判明したのは初めて。

厚生労働省近畿厚生局は「研修医の管理が不十分」として昨年、兵庫医大病院に厳重注意していた。

同省によると、研修医は国家試験に合格して医師免許を持っているが、指導医の管理下でなければ診療行為を行えない。ところが、9人はアルバイト先で当直医などとして1人で勤務していた。

兵庫医大病院によると、9人は研修2年目だった05年7~12月、神戸市、岡山市などにある12の民間病院と診療所で夜間当直や休日の日直などをしていた。うち1人は3病院で計25回の当直を重ね、別の1人は4病院をかけもちしていた。

報酬は当直で1回3万~8万円。院長らと連絡できる態勢はとられていたが、医師は院内に1人だけだった。

民間病院への保健所の立ち入り検査で発覚。兵庫医大病院が全研修医76人を調べ、9人が事実を認めた。

9人の多くは「研修後に入る予定だった兵庫医大病院の医局の上司から頼まれた」と説明したが、兵庫医大病院は依頼者を特定せず、調査を打ち切った。医師法に罰則規定はなく、9人は口頭注意だけで、昨年3月に研修を修了した。

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なぜバイトをしなければならなかったのか・・というこの問題の背景を見落としてはならない。勤務医不足、30万円の報酬が適正に支払われていたか・・などが考えられるだろう。

>9人の多くは「研修後に入る予定だった兵庫医大病院の医局の上司から頼まれた」と説明したが、兵庫医大病院は依頼者を特定せず、調査を打ち切った。

これでは、問題の本質にとても迫ることはできない。