金木病院

太宰治のふるさと津軽の金木町。危機に瀕した金木病院がみんなの協力でもちこたえました。

救急再開の現場記録!

医師不足「国策が原因」

2007年04月07日 06時41分06秒 | 医師アンケート
県内勤務医へのアンケート結果まとまる
五所川原市民団体実施、医師不足「国策が原因」

『陸奥新報』 http://www.mutusinpou.co.jp/news/07040602.html


五所川原市金木町などの有志でつくる「金木病院の救急体制を維持する会」が、県内公立総合病院の勤務医を対象に、勤務環境や医師不足問題などに対する考えを尋ねたアンケートの集計結果を公表した。

同会によると、設問への回答に加え、いわゆる緊急を要しない「コンビニ受診」などへの苦言や、「地方の勤務医不足は国策が原因。勤務医の開業ラッシュも影響している」とする指摘が寄せられた。同会事務局の一戸彰晃さん=同市金木町=は「問題解決には医師、住民、病院を運営する自治体の相互理解と連携が必要」との見解を示している。
アンケートは13の質問項目をつくり、各3―7の選択肢を設定。県立中央病院、西北中央病院(五所川原市)、八戸市民病院など13の公立総合病院の勤務医740人に用紙を送付し、期限とした3月末までに88人が回答。今月4日に集計結果がまとまった。
一週間の時間外勤務時間を尋ねた項目では、40人が30―50時間以上勤務していると回答。地方の医師不足の原因を尋ねた設問(複数回答、無回答あり)では、「国策の問題」を選択した医師が最も多く、65人だった。
コメント欄には「面倒を見てくれる人がいないとの理由で、退院できるのに長く入院する傾向があり、必要な治療を受けられない患者が出る可能性がある」「入院ついでに他科も受診したいとの希望が多く、入院の理由が分からなくなる」との苦言や「臨床初期研修医制度の導入が地域の医師不足に拍車を掛けた」「最近は開業ラッシュ。医師不足は公立病院の医師が開業していることも影響しているのではないか」との指摘が記された。
一戸さんは「回収率の低さは残念だが、今回のアンケート結果を医療現場の諸問題解決のため役立てられれば」とし、同会が目指す地元の公立金木病院の救急体制復活に向けた住民、医師、自治体の連携を訴えている。

アンケート集計結果を公開

2007年04月05日 06時12分20秒 | 医師アンケート
多忙中にも拘わらずアンケートにご協力いただいたドクター各位にお礼もうしあげたい。

アンケート集計から、以下感想を申し述べる。

回答率が一割ほどだったことにやや落胆はあるものの、回答が県全域および診療科のほぼ全科にわたっていることは青森県内総合病院勤務医の実態をある程度浮き彫りにしたと言える。

出身は青森県内が一番多く、次いで関東、以下東北・北海道。ほとんどが医局によって配属されている。

時間外勤務は想像以上に厳しい。週10時間はあたりまえ。30時間以上~50時間以上が88人中50人もいる。みずから点滴をうちながら医療業務に就いているという話は本当なのだろう。これほどの激務でかつ十分な収入が得られない勤務医が子どもを医者にしたくない(43人、55.9%)気持ちは痛いほど理解できる。「やめたい」と内心では思いつつも現状では医局の指示に従わざるをえない苦汁がにじむ。

今回のアンケートで各位がもっとも熱弁を展開したのが「設問7 地方の医師不足の原因」。

「国策の問題」を指摘する声がもっとも多かった。地域住民の問題だと当ブログではきびしいバッシングを受けていただけに意外だった。地域住民の問題、医師の問題、病院管理の問題はほぼ団子状態で、「国策の問題」は一馬身離している。医師と患者が連帯し国策に立ち向かうことの可能性を見た気がした。

患者にひどいことを言われたり(これはどんな職業でもありうることだが)、「コンビニ受診」は地域住民が努力して改善しなければならない点である。医師の充実感は医師としての自己実現にある。それにむけて厳しいながらも努力できるのはかろうじて「モチベーション」を維持しているからだろう。科による勤務および待遇の不平等、常識では考えられない三二時間連続勤務・・。こんななか勤務医は疲弊しモチベーションを失い開業や廃業に舵を切り替えてゆく・・。

この「医師アンケート」が自治体病院管理者、医師、住民が「三者一体」となって医療崩壊に取り組む一契機にならんことを。末尾ながら、ためらう管理者を説得し(笑)、当アンケートを企画するとともに「質問」をつくっていただいた「地方の一医師」さん、「田舎の医師」さんに感謝申し上げます。

◎ 詳細は
http://members.goo.ne.jp/home/kinbyou

アンケートから

2007年03月29日 09時16分34秒 | 医師アンケート
青森県内総合病院勤務医の方々からいただいたご回答から特に印象にのこったものを2つ紹介する。

◇アンケート7「地方の医師不足」・・回答D「国策の問題」

「現在の状態の理解がうすく、今後の国としての方針が見えてこない。地域ごとに今まで通りやるのか、拠点をつくって集約化するのか。現在集約化しているのは、地方でやむをえず統合しているものばかりである」

・金木病院もそうだが、地域に必要な病院を「集約化」という名前で、いかにもムダを省き効率化することが良いことのように宣伝しているが、実態はご指摘の通り「やむを得ず統合」しているのである。問題のすりかえである。この現実を直視し根本的に問題にとりくまなければならない。はじめに統合ありきでは青森県の医療はジリ貧となる。医師養成、医師招聘を第一としなければならない。

◇アンケート7「地方の医師不足」・・回答F「その他」

「そもそも医療は赤字であっても仕方がないという意識を皆が持つ必要があり、健康は更に社会的、経済的成果を生んでいる事を知る必要がある」

・医療の収支は病院の収支だけで判断してはいけないという貴重なご意見だ。実際、健康であることによってその人が生み出す社会的・経済的効果は莫大なものである。医療の果たす役割を考えたとき、市場原理システムは馴染まない。

※医師アンケートは今月31日まで受付ています。現場からの声をどしどしお寄せください。
http://members.goo.ne.jp/home/kinbyou

地元紙がおおきく取り上げる

2007年03月11日 06時37分09秒 | 医師アンケート
県内13病院調査
勤務医 過剰労働に悲鳴 「官民一体で改善を」 
コンビニ感覚で患者受診 時間外120時間以上カット
『東奥日報』(07.3.11)http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070311151124.asp?rss=20070311

「夜間、休日もコンビニ感覚で患者が受診している」「時間外の給与がカットされた」「こんな割りに合わない職業はない」―。「金木病院の救急体制を維持する会」が三月一日から、県内十三病院を対象に行っている勤務医アンケートで、こんな切実な声が浮かび上がっている。維持する会事務局の一戸彰晃さんは「勤務医の声に耳を傾け、行政、住民が一緒になって労働環境の改善に努めていくべきだ」と指摘している。
(以下、略)

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公開中の医師コメントはこちら↓
http://members.goo.ne.jp/home/kinbyou

ページの四分の一を占めるこの報道は、過酷な勤務が医師不足の大きな原因となっていることを県民に知らしめることになった。これまでは自治体・医師・住民の三者の発言が、どうしても自分の立場からだけしか発言してこなかった嫌いがあった。それぞれが自分の立場を強調するあまり「医療を守る」という最終目標から外れて分裂していたといえる。三者が一体とならなければ崩壊直前の医療現場を守ることはできない。自治体・住民は「医師の声」を重く受け止めなければならないだろう。

小松秀樹著「医療崩壊 『立ち去り型サポタージュ』とは何か」(2006 朝日新聞社)に、医局が閉鎖的ムラ社会であることが指摘されている。

先日、こんな話を聞いた。Uターンしたドクターが県内の病院に勤務しようとしたところ「どこでも好きなところに勤務すればいい。だが、医師はみんな引き揚げさせる」と言われたという。患者のための医療が、医局のための医療となっている・・・。金木病院を守り、青森県の医療崩壊を防ぐために取り組むべき課題は山積している。

コメントを公開

2007年03月07日 06時46分48秒 | 医師アンケート
3月1日発送の青森県内総合病院勤務医アンケートが届いています。集計は4月上旬を予定していますが、各位からのコメントは随時紹介いたします。

下記にHPを開設いたしました。どうぞご覧ください。(当ブログ「ブックマーク」にもリンクしています)

DOCTOR ENQUETE
http://members.goo.ne.jp/home/kinbyou


医療現場からの切実な声に青森県の医療の見通しの暗さを感じる。そんな状況下、厚生労働省は新年度から医師や歯科医師に対する行政処分を厳しく見直すというニュースをある方からお知らせいただいた。いったいこの国はなにを考えているのだろう・・・医師不足を助長する以外のなにものでもない。
http://www.asahi.com/national/update/0305/TKY200703050245.html

医師アンケートたたき台

2007年02月24日 06時22分42秒 | 医師アンケート
医師アンケートをおこないますので、アンケート項目に関して医師各位からご意見を募ります。3月早々に青森県内の総合病院(医局長あて)に発送し、郵送・FAX・e-mailのいずれかの方法で3月末日までにご回答をいただく予定です。早速集計し、当ブログ等で公開します。

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青森県内総合病院
医局長 各位
金木病院の救急体制を維持する会
事務局 ○○○○ 拝

アンケートご協力のお願い

青森県の医師不足はきわめて深刻な状況です。この高いハードルを乗り越え青森県の医療を確立するためには、管理者・医師・住民の三者が一体となって問題解決に取り組む必要があると考えます。自治体の姿勢および住民の声はメディアでもしばしば取り上げられています。しかし、実際に医療現場を担う医師の生の声をお聞きする機会がなかなかありません。そこで、医療の主体者である医師のアンケートを企画いたしました。ここから、より現実味のある青森県の医療体制の未来像が開けるものと思慮するところです。
つきましては、趣旨ご理解いただき、貴病院の医師のみなさまにアンケートにご協力くださいますよう、よろしくお願いをいたします。

【アンケートご回答】
3月31日までに
①返信封筒
②FAX(0173-○○-○○○○)
③e-mail(kinbyou@mail.goo.ne.jp)
のいずれかにてお願いいたします。
なお、アンケート集計結果はブログ「金木病院」等にて公開いたしますことをご了解ください。
ブログ「金木病院」 http://blog.goo.ne.jp/kinbyou/


青森県内総合病院勤務医アンケート

1. あなたのご出身は?
A 青森県
B 青森県以外の東北
C 北海道
D その他(     )

2. あなたは何科の医師ですか?
A 内科
B 外科
C 小児科
D 産婦人科
E その他(     )

3. どのようにして今の病院に就職されましたか?
A 医局(又はそれに準ずる組織)から出向中
B 医局(又はそれに準ずる組織)からの紹介で
C 知人の紹介で
D 雑誌やネットの応募で
E その他(     )

4. 現在、時間外勤務は週に何時間程度ですか?
A 週に50時間以上
B 週に30時間以上
C 週に10時間以上
D ほとんど無い
E その他(     )

5. このまま今の病院に残りますか?
A 残る
B 待遇が改善したら残る
C 医局(又はそれに準ずる組織)に従う
D 大学に帰りたい
E 開業する
F 民間医療法人に就職する
G その他(     )

6. 最近、地方の医師不足が言われておりますがご存知ですか?
  A 知っている
  B 聞いたことがある
  C 実際に感じている
  D 知らない
E その他(     )

7. 地方の医師不足にはどんな問題があるとお考えですか?
A 地域住民の問題
(具体的に)
B 医師の問題
(具体的に)
C 病院管理の問題
(具体的に)
D 国策の問題
(具体的に)
E これら全部の複合的問題
(具体的に)
F その他
(具体的に)

8. ところで・・・患者さんにひどいことを言われたことがありますか?
A ある
(具体的に)
B ない
(具体的に)
C その他
(具体的に)

9. これからも地域医療を支えるために、医師はどのように努力すべきでしょうか?
A 全力でサポートすべきだ
B やれる範囲でサポートすべきだ
C 医局(又はそれに準ずる組織)の人事に従う
D 早く撤収したい
E その他(     )

10.自分の子どもを医師にしたいと思いますか?
A そう思う
B そうは思わない
C 開業医ならしたい
D 勤務医ならしたい
E その他(     )

☆アンケートご協力ありがとうございます。以下、別枠のアンケートにもご協力ください。

【救急勤務】
1. 救急勤務をするうえでもっとも重要視するのは?
A 高い給与
B 当直明けが休みとなること
C 訴訟やクレーム等のバックアップ
D 看護師等のスタッフの充実
E 設備
F その他(     )

2. 救急勤務をするうえでもっとも疑問視するのは?
A 安い給料
B 当直明けの平常勤務
C 専門科以外の対応
D いわゆる「コンビニ受診」
E その他(     )

【医療過誤裁判】
大野病院事件についてあなたはどう思いますか?
A 被告は無罪
(具体的に)
B 被告は有罪
(具体的に)
C 医療過誤の定義に疑問がある
(具体的に)
D 医療は聖域だから、通常の裁判になじまない
E 過酷な医療現場では起こりうる事故で、問題のすり替えだ
F 原告の気持ちを察すれば、責任を問われるのも止むを得ない
G その他(     )

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医師アンケート作成中です

2007年02月14日 07時27分37秒 | 医師アンケート
アンケート作成にドクター各位のご協力をお願いいたします。

「田舎の医師」さんから、以下のようなアンケート項目をいただいております。全10項目が揃った段階で、青森県内の総合病院医局長宛に発送し協力をお願いする予定です。医師による医師のためのアンケート作りにご協力ください。

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医師不足について

1、あなたは、何科の医師ですか?
  
  1、内科 
  2、外科 
  3、小児科
  4、その他(   )

2、あなたは、このままこの病院に残りますか?

  1、残る
  2、待遇が改善したら残る
  3、医局に従う
  4、大学に帰りたい
  5、開業
  6、民間に就職

3、現在時間外勤務は、週に何時間程度か?

  1、週に50時間以上
  2、週に30時間以上
  3、週に10時間以上
  4、ほとんど無い

4、最近地方の医師不足が言われておりますが志ってらっしゃいますか?

  1、知っている。
  2、聞いたことがある。
  3、実際に感じる
  4、しらない

5、今後も地域医療を支えるため医師はどの程度
  努力すべきでしょうか

  1、全力でサポートする。
  2、やれる範囲で
  3、医局の人事に従う
  4、早く撤収したい。

6、患者さんから酷いこと言われたことがありますか

  1、ある(具体的に)
  2、ない

7、地方の医師不足の背景には、地域住民の問題もある。

  1、ある(具体的に)
  2、医師の問題
  3、病院の問題
  4、政治の問題


 当直中に書いてみました。
医師の方、変更や意見を求めます。

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医師へのアンケート

2007年02月08日 06時49分49秒 | 医師アンケート
☆インターネット上のアンケートは実施しないことにいたしました。
☆よってこの記事は無視してください。
☆青森県内のドクターアンケートをおこないます。医師のみなさまにはアンケート項目作成にご協力ください。当カテゴリーのコメント欄にご投稿お願いいたします。
                   (2007.2.9 管理者 拝)

(以下、取り下げます)-------------------------------------------

金木病院救急問題は、いまだその出口が見えないまま彷徨っている。しかし、その間にことの根深さもまた明らかになってきた。

医師サイドからの意見を求めるアンケートの要望がブログ「金木病院」に寄せられている。「維持する会」は市議会議員からアンケートを募ったし、二万人署名もある意味住民アンケートと言えなくもない。医療現場当事者であるドクターから意見を伺う・・いたって当然のことと受け止めた。

問題はその方法。いろいろアイデアはいただいているが、どうも実施するには難しい。そこで、考えたのがネット上の投票システムである。これは両刃の剣であることは承知している。意図的投票をブロックすることは不可能だからである。

しかし、トライしてみたい。いわゆる「荒らし」に遭った場合は即座に閉鎖すればいいだけの話、ダメモトです。

そこで、アンケートの「項目」と「回答選択肢(1~5)」のご提供をドクター各位にお願いしたい。

(例)
項目 「医師不足の原因は?」
 1.国の方針
 2.自治体の努力不足
 3.医師給料の問題
 4.勤務条件の問題
 5.その他(ブログにコメントをお願いします)

このような形式で全10項目のアンケートを実施します。どうぞよろしくお願いいたします。

予定アンケートサイト
http://www.anketo.com/

                      管理者 拝

(ここまで)---------------------------------------------